SS以降のエクリプス賞年度代表馬を辿る(其の肆)-A.P. Indy(1989.3.31)-

A.P. Indy(エーピーインディ) 牡 黒鹿毛 1989.3.31生 米国・William Farish III&William S. Kilroy生産 馬主・鶴巻智徳氏→Farish, Goodman, Kilroy&鶴巻智徳氏 米国・Neil D. Drysdale厩舎

A.P. Indy(1989.3.31)の4代血統表
Seattle Slew
黒鹿毛 1974.2.15
種付け時活性値:1.50
Bold Reasoning
黒鹿毛 1968.4.29
Boldnesian
鹿毛 1963.4.14
Bold Ruler 1954.4.6
Alanesian 1954.4.28
Reason to Earn
鹿毛 1963
Hail to Reason 1958.4.18
Sailing Home 1948
My Charmer
鹿毛 1969.3.25
Poker
鹿毛 1963.3.20
★Round Table 1954.4.6
Glamour 1953.4.2
Fair Charmer
栗毛 1959.2.3
Jet Action 1951
Myrtle Charm 1946
Weekend Surprise
鹿毛 1980.4.8
仔受胎時活性値:2.00
Secretariat
栗毛 1970.3.30
種付け時活性値:0.25
Bold Ruler
黒鹿毛 1954.4.6
Nasrullah 1940.3.2
Miss Disco 1944
Somethingroyal
鹿毛 1952.3.12 ♀
Princequillo 1940
Imperatrice 1938
Lassie Dear
鹿毛 1974.5.2
仔受胎時活性値:1.25
Buckpasser
鹿毛 1963.4.28
種付け時活性値:0.50
Tom Fool 1949.3.31
Busanda 1947
Gay Missile
鹿毛 1967.3.27
仔受胎時活性値:1.50
Sir Gaylord
黒鹿毛 1959.2.12
種付け時活性値:1.75
Missy Baba
鹿毛 1958.5.13
仔受胎時活性値:2.00

<5代血統表内のクロス:Bold Ruler4×3、Somethingroyal(♀)3×5(母方)、Nasrullah5×4×5、Princequillo5×4、Turn-to5×5>

A.P. Indy(1989.3.31)の0の理論的総括
母父祖母父曾祖母父
Seattle Slew
(Bold Ruler系)
Secretariat
(Bold Ruler系)
Buckpasser
(Tom Fool系)
Sir Gaylord
(Turn-to系)
形相の遺伝料の遺伝牝系母の何番仔?
Sir Gaylord
(Weekend Surprise)
6.75半兄Summer Squall
(No. 3-l)
3番仔?
(3連産目?)

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1992年の第124回ベルモントS(米GI。ベルモントパーク・ダート12F)の結果(上位5頭)


馬名性齢
騎手走破時計
・着差
調教師
12A.P. Indy牡357.2E. Delahoussaye2:26.13N. Drysdale1
28My Memoirs牡357.2J. Bailey3/4R. Hannon5
34Pine Bluff牡357.2C. McCarronクビT. Bohannan2
47Cristofori牡357.2S. Cauthen13 1/4A. Fabre4
53Casual Lies牡357.2G. Stevens1 3/4S. Riley3

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1992年の第9回ブリーダーズカップ・クラシック(米GI。ガルフストリームパーク・ダート10F)の結果(上位5頭)


馬名性齢
騎手走破時計
・着差
調教師
14A.P. Indy牡354.9E Delahoussaye2:00.20Neil D. Drysdale1
212Pleasant Tap牡557.2Gary Stevens2Christopher Speckert2
31aJolypha牝353.5Pat Eddery1/2A Fabre7
42Reign Road牡457.2Kent J Desormeaux1 1/2Jay Robbins11
56Sultry Song牡457.2J D BaileyクビPatrick J Kelly3

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1992年のエクリプス賞年度代表馬、A.P. Indy。冠名「エーピー」の鶴巻智徳氏の持ち馬(後に共同所有馬)としても著名となったSeattle Slewの仔は、馬喰・佐藤伝二氏が見出した馬でもあります。

また、0の理論ユーザー向けには、A.P. Indyは、「血とコンプレックス」及び「0の理論」の誌上にも現れます。↑の4代血統表のとおり、A.P. IndyはBold Ruler4×3のインブリードを持っていますが、ミニモの遺伝により近親交配の弊害を免れている馬として紹介されています。

1992年のアメリカ、フロリダ州ガルフストリームパーク競馬場で行われたブリーダーズCクラシックの勝ち馬であるエーピーインディ(A.P.Indy)はボールドルーラーを3×4で持つ近親交配馬であるが、父のシアトルスルー(1974)の父ボールドリーズニング(Bold Reasoning、1968)、その父ボールドネシアン(Boldnesian、1963)、その父ボールドルーラー(1954)である。すなわちボールドネシアンは父ボールドルーラーの満8歳のときの種付けで生まれてきた馬で、ボールドルーラーの0を遺伝している。一方母父のセクレタリアトの父ボールドルーラーは有数値(0.25×1.75=0.4375)の先祖であるが、父方のシアトルスルーが持つボールドルーラーの数値が0であることにより、血統上は近親交配馬であるが、遺伝上はアウト・ブリードと同じ意味になり、何の弊害もなく資質を固定することに成功している。

-KKベストセラーズ、中島国治著「血とコンプレックス」、P313~P315より引用-

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馬主から日本にも関わりが深いA.P. Indyですが、その本領は、種牡馬として繁殖界に入ってから大いに発揮されました。代表産駒を列挙してみますと、、、

  1. Tomisue’s Delight(1994.4.28)
    →ラフィアンH(米GI)、パーソナルエンスンH(米GI)ほか
  2. Runup The Colors(1994.5.23)
    →アラバマS(米GI)ほか
  3. Royal Indy(1994.3.13)
    →ガゼルH(米GI)
  4. Golden Missile(1995.3.30)
    →ピムリコスペシャルH(米GI)ほか
  5. Stephen Got Even(1996.5.4)
    →ドンH(米GI)ほか
  6. シンボリインディ(1996.1.20)
    →NHKマイルC(GI)ほか
  7. Aptitude(1997.3.27)
    →ハリウッドゴールドC(米GI)、ジョッキークラブゴールドC(米GI)ほか
  8. Secret Status(1997.2.4)
    →ケンタッキーオークス(米GI)、マザーグースS(米GI)ほか
  9. A P Valentine(1998.2.14)
    →シャンペンS(米GI)ほか
  10. Mineshaft(1999.5.17)
    →ジョッキークラブゴールドC(米GI)、ウッドワードS(米GI)、サバーバンH(米GI)、ピムリコスペシャルH(米GI)ほか。2003年のエクリプス賞年度代表馬。カジノドライヴ(2005.3.7)の父
  11. Tempera(1999.3.12)
    →ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ(米GI)ほか
  12. Jilbab(1999.3.5)
    →CCAオークス(米GI)ほか
  13. Passing Shot(1999.4.10)
    →パーソナルエンスンH(米GI)ほか
  14. Indy Five Hundred(2000.2.20)
    →ガーデンシティBCH(米GI)ほか
  15. A. P. Adventure(2001.1.17)
    →ラスヴァージネスS(米GI)ほか
  16. Friends Lake(2001.4.12)
    →フロリダダービー(米GI)ほか
  17. Sweet Symphony(2002.5.18)
    →アラバマS(米GI)ほか
  18. Bernardini(2003.3.23)
    →プリークネスS(米GI)、トラヴァーズS(米GI)、ジョッキークラブゴールドC(米GI)ほか
  19. Rags to Riches(2004.2.27)
    →ベルモントS(米GI)、ケンタッキーオークス(米GI) 、サンタアニタオークス(米GI)、ラスヴァージネスS(米GI)ほか。牝馬による102年ぶりのベルモントS制覇を果たすと共に半兄Jazil(2003.2.11)との兄妹制覇。さらにはカジノドライヴの半姉
  20. Telling(2004.4.12)
    →ソードダンサー招待S(米GI)2回
  21. Music Note(2005.2.5)
    →マザーグースS(米GI)、CCAオークス(米GI)、ベルデイムS(米GI) 、バレリーナS(米GI)、ガゼルS(米GI)ほか
  22. マジェスティックウォリアー(2005.4.9)
    →ホープフルS(米GI)。ベストウォーリア(2010.3.7)の父
  23. Little Belle(2005.4.10)
    →アッシュランドS(米GI)ほか
  24. Flashing(2006.3.5)
    →テストS(米GI)、ガゼルS(米GI)ほか
  25. Girolamo(2006.2.17)
    →ヴォスバーグS(米GI)ほか
  26. Love and Pride(2008.4.27)
    →パーソナルエンスンH(米GI)、ゼニヤッタS(米GI)ほか
  27. Take Charge Indy(2009.3.27)
    →フロリダダービー(米GI)ほか
  28. Dreaming of Julia(2010.3.3)
    →フリゼットS(米GI)ほか
  29. Honor Code(2011.3.1)
    →メトロポリタンH(米GI)、ホイットニーS(米GI)ほか
  30. Got Lucky(2011.4.3)
    →スピンスターS(米GI)ほか

というGI勝ち馬のほかにも、競走馬としてはGII2勝に留まった初年度産駒Pulpit(1994.2.15)からTapit(2001.2.27)、Lucky Pulpit(2001.2.10)等を経由して枝葉が伸びており、21世紀にBold Ruler系を伝えた原動力として種牡馬A.P. Indyの功績は非常に大きなものがあります。

A.P. Indyの繁殖のお話になりますと、停留精巣についての話題が付いて回りますけれど、2歳時によくぞ片方をちゃんと残して処置されたものです。もしA.P. Indyがせん馬になっていたら、今日の米国の、いえ世界の血統絵巻はまったく違ったものになっていたのですから。

A.P. Indyは今年2019年で30歳ですが、壮健に過ごしている模様。サスガに米国のサイアーオブサイアーズ。これからも仔孫の走りを見守り続けてください。

 

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[A.P. Indy(1989.3.31)の主な競走成績]

  1. ベルモントS(米GI)、ブリーダーズカップ・クラシック(米GI)、サンタアニタダービー(米GI)、ハリウッドフューチュリティ(米GI)、サンラファエルS(米GII)、ピーターパンS(米GII)
  2. ジョッキークラブゴールドC(米GI)

通算11戦8勝、3着1回。

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ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

A.P. Indyさんの「A.P.」は、オートポリスの略なんですよ。

マイシンザン
マイシンザン

兵どもが夢の跡、にはならず、レース場は今も健在ですな。