2018年02月一覧

2018年のクラシック候補生を確認する(海外編・其の肆)

Happily 牝 鹿毛 2015.2.27生 愛国・Orpendale and Chelston Ireland生産 馬主・Derrick Smith & Mrs John Magnier & Michael Tabor 愛国・A P O’Brien厩舎

Happily(2015.2.27)の4代血統表

Galileo
鹿毛 1998.3.30
種付け時活性値:0.00

Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Fairy Bridge
鹿毛 1975.5.4
Bold Reason 1968.4.8
Special 1969.3.28
Urban Sea
栗毛 1989.2.18
Miswaki
栗毛 1978.2.22
Mr. Prospector 1970.1.28
Hopespringseternal 1971.5.28
Allegretta
栗毛 1978.3.10
Lombard 1967
Anatevka 1969
You’resothrilling
黒鹿毛 2005.2.5
仔受胎時活性値:0.25
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
種付け時活性値:1.25
Storm Bird
鹿毛 1978.4.19
Northern Dancer 1961.5.27
South Ocean 1967.4.8
Terlingua
栗毛 1976.2.7
Secretariat 1970.3.30
Crimson Saint 1969.3.15
Mariah’s Storm
鹿毛 1991.4.1
仔受胎時活性値:1.25
Rahy
栗毛 1985.2.8
種付け時活性値:1.25
Blushing Groom 1974.4.8
Glorious Song 1976.4.22
イメンス
黒鹿毛 1979.3.17
仔受胎時活性値:0.75
Roberto
鹿毛 1969.3.16
種付け時活性値:0.25
Imsodear
鹿毛 1967.3.16
仔受胎時活性値:0.75

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer3×4、Hail to Reason5×5>

Happily(2015.2.27)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Galileo
(Sadler’s Wells系)
Storm Cat
(Storm Bird系)
Rahy
(Blushing Groom系)
Roberto
(Hail to Reason系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Storm Cat
(Bold Ruler)
3.00 全姉と全兄と伯父がGI馬
(No. 11)
5番仔?
(5連産目?)

2017年のカルティエ賞最優秀2歳牝馬に選出されたHappily。カルティエ賞最優秀2歳牡馬に選出されたU S Navy Flag(2015.2.6)同様、エイダン・パトリック・オブライエン調教師の管理馬ですね。2歳時に11戦と叩き上げられたU S Navy Flagほどではありませんが、Happilyも2017年6月のデビュー以降コンスタントに走り、2歳時は7戦4勝、2着1回。7月のレパーズタウン芝7FのシルバーフラッシュS(愛GIII)でグループレース初制覇を遂げると、9月のカラ芝7FのモイグレアスタッドS(愛GI)でGI初勝利、返す刀で挑んだ10月のロンシャン芝1600mのジャン・リュック・ラガルデール賞(仏GI)では、牡牝混合6頭立ての紅一点ながら1番人気に推され、見事期待に応えました。そうして愛仏の2歳GI連勝の余勢を駆って挑んだ、大西洋の向こう側の第11回ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズターフ(米GI)。Happily、ここでも1番人気に推されましたが、まさかのドンジリ負け……。本当にお疲れ様m(_ _)m

*

Happily、0の理論的には父Galileoから満16歳時の0交配を受けています。近い代で多くの先祖の0化がなされており、0の理論的には走る牝馬のひとつの典型とも言えます。また、父Galileoはその父Sadler’s Wellsが満16歳時の0交配馬で、コンスタントに良馬を輩出できるタイプであり、当代の欧州最高種牡馬ですね。

では、以下にHappilyのごく簡単でも華やかすぎる近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。

Mariah's Storm 1991.4.1 10勝 ターフウェイパークS(米GII) アーリントン・ワシントンラッシーS(米GII)含む米Gレース6勝ほか
|Giant's Causeway 1997.2.14 9勝 エクリプスS(英GI) インターナショナルS(英GI) サセックスS(英GI) セントジェームズパレスS(英GI) 愛チャンピオンS(GI) サラマンドル賞(仏GI)ほか
|Freud 1998.2.22 1勝 コーク&オラリーS(英GII)3着
|Tumblebrutus 2001.3.27 1勝 フューチュリティS(愛GII)2着
|You'resothrilling 2005.2.5 2勝 チェリーヒントンS(英GII) ソードルズタウンスタッドスプリントS(愛GIII)ほか
||Marvellous 2011.1.9 2勝 愛1000ギニー(愛GI)
||Gleneagles 2012.1.12 7勝 2000ギニー(英GI) 愛2000ギニー(GI) セントジェームズパレスS ナショナルS(愛GI)ほか
||Coolmore 2013.1.16 1勝 C.L.&M.F.ウェルドパークS(愛GIII)ほか
||The Taj Mahal 2014.1.28 現役 ジッピングクラシック(豪GII)ほか
||Happily 2015.2.27 (本馬) ジャン・リュック・ラガルデール賞(仏GI) モイグレアスタッドS(愛GI) シルバーフラッシュS(愛GIII)ほか
|Pearling 2006.4.17 0勝
||Decorated Knight 2012.2.11 8勝 愛チャンピオンS タタソールズ金杯(愛GI) ジェベルハッタ(UAE・GI)ほか
|Love Me Only 2008.4.8 不出走
||Storm the Stars 2012.4.7 3勝 グレートヴォルティジュールS(英GII)ほか

……恐るべしはHappilyの母You’resothrilling。今までに送り込んだ産駒5頭すべてがGレース勝ち馬となり、うち3頭がGI馬。サスガは「鉄の馬」Giant’s Causewayの全妹というところでしょうか。

*

欧州の3歳牝馬戦線では主役の1頭であることは間違いないHappily。全姉と全兄に続いてクラシック制覇を遂げることが出来るでしょうか。Happily、その馬名のとおり、幸多からんことを。

  

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。


中島国治氏関連馬(其の拾肆)-トモエリージェント(1988.4.3)-

トモエリージェント 牡 鹿毛 1988.4.3生~2014.6.17没 浦河・田中牧場生産 馬主・岡本利彦氏→村山忠弘氏(?) 川崎・河津政明厩舎→美浦・橋本輝雄厩舎→増沢末夫厩舎

トモエリージェント(1988.4.3)の4代血統表

カジユン
栗毛 1979.4.3
種付け時活性値:0.00
Red Regent
鹿毛 1972
Prince Regent
黒鹿毛 1966.3.12
Right Royal 1958
Noduleuse 1954
Redowa
栗毛 1964
Red God 1954.2.15
Sally Deans 1947
Ermyn Lass
栗毛 1963
★Ennis
鹿毛 1954
Golden Cloud 1941
First House 1939
Rye Girl
栗毛 1949
Blue Water 1942
Brosna 1945
ゴールデンパワー
鹿毛 1977.4.18
仔受胎時活性値:0.50
ダイハード
栃栗毛 1957
種付け時活性値:0.75
Never Say Die
栗毛 1951.3.26
Nasrullah 1940.3.2
Singing Grass 1944
Mixed Blessing
栗毛 1946
Brumeux 1925
Pot-pourri 1928
ゴールデンソロナ
鹿毛 1971.6.5
仔受胎時活性値:1.25
★ソロナウエー
鹿毛 1946
種付け時活性値:0.00
Solferino 1940
Anyway 1935
リユウヒカリ
黒鹿毛 1961.5.7
仔受胎時活性値:0.25
トサミドリ
鹿毛 1946.5.20
種付け時活性値:1.50
ダイニクモゼキ
黒鹿毛 1946.6.17
仔受胎時活性値:1.50

<5代血統表内のクロス:Nasrullah5×4>

トモエリージェント(1988.4.3)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
カジユン
(Hyperion系)
ダイハード
(Never Say Die系)
★ソロナウエー
(Fairway系)
トサミドリ
(Blandford系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
トサミドリ
(Athasi)
3.50 タカマガハラと同牝系
(No. 2-r カナデアンガール系)
5番仔
(2連産目)

*

[トモエリージェントの主な戦績]

  1. ダービー卿チャレンジT(GIII)2回、根岸S(GIII)
  2. 全日本3歳優駿(現全日本2歳優駿、JpnI)、根岸S

通算26戦9勝、2着5回。

*

1991年の第5回根岸S(GIII。東京ダート1200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 9 トモエリージェント 牡3 54 根本康広 1:10.0    36.2 480
[+8]
橋本輝雄 6
2 3 モガミスイス 牡4 55 菅原泰夫 1:10.6 3.1/2 36.3 472
[-2]
本郷一彦 9
3 2 ビューチフルロマン 牝5 54 蛯名正義 1:10.8 1.1/4 35.8 472
[0]
嶋田功 7
4 8 パッシングルート 牡4 57 西浦勝一 1:10.8 ハナ 35.4 500
[+4]
山内研二 1
5 7 ハスキーハニー 牝4 54 松永幹夫 1:11.0 1.1/4 37.0 526
[+6]
長浜博之 3

*

1992年の第24回ダービー卿チャレンジT(GIII。中山芝1200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 3 トモエリージェント 牡4 56 根本康広 1:10.5    36.6 476
[-8]
橋本輝雄 5
2 8 ユウキトップラン 牡4 56 郷原洋行 1:11.0 3 37.0 504
[0]
佐山優 2
3 2 ナルシスノワール 牡6 58 柴田善臣 1:11.7 4 37.7 476
[-6]
福島信晴 1
4 1 レッドビクトリー 牝4 54 橋本広喜 1:13.0 8 38.7 462
[0]
領家政蔵 3
5 5 キタノオゴジョ 牝4 54 坂井千明 1:13.1 クビ 38.5 458
[-2]
松山康久 6

*

1993年の第25回ダービー卿チャレンジT(GIII。中山芝1200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 4 トモエリージェント 牡5 57 根本康広 1:08.8    34.6 472
[-6]
増沢末夫 4
2 10 ウィンザーモレノ 牡5 57 田中勝春 1:08.8 アタマ 34.7 490
[-8]
橋田満 3
3 5 エーピージェット 牡4 56 的場均 1:08.9 3/4 34.5 524
[-2]
元石孝昭 1
4 2 ニホンピロラック 牡5 57 岡部幸雄 1:09.0 1/2 34.6 462
[-2]
伊藤雄二 2
5 6 パッシングルート 牡6 57 柴田善臣 1:09.6 3.1/2 34.7 492
[0]
山内研二 11

*

そのテンの馬鹿っ速さが知られた快速短距離馬、トモエリージェント。特に1991年の第25回スプリンターズS(GI)で見せたテンの3ハロン32秒2は、2018年の現在も、スプリンターズSにおけるテンの3ハロンの最速ラップとして残っています。もちろん伊達や酔狂で1991年、1992年、1993年と3年連続でJRAの重賞を勝てる訳もなく、その速さに裏打ちされた能力は確かなものなのでした。GIIIのスプリント戦ならば、芝でもダートでも良馬場でも不良馬場でも、なんでもこい。「トモエリージェントが現役の時にアイビスサマーダッシュがあれば」と思ったファンは少なくないでしょう。

そしてまた、トモエリージェントは橋本輝雄調教師と根本康弘騎手に最後の重賞勝利を、増沢末夫調教師に初勝利にして重賞初勝利を贈った馬でもありました。特に根本騎手の最後の重賞勝利かつ増沢調教師の初勝利となった1993年の第25回ダービー卿チャレンジT。「逃げてナンボ」と目されていたトモエリージェントが、先行4番手から、直線で前を追い掛けるという新境地を見せた一戦。ウインザーノット(1980.3.3)の仔であるウィンザーモレノ(1988.5.30)を外から差し切った後、フジテレビ系列の解説をされていた大川慶次郎氏が「トモエリージェントが、ああいう芸当が出来るとは」と感心されていたことを思い出します。……って、もう四半世紀前ですから、時は流れますね^_^;

トモエリージェント、中島国治氏の関連馬としては、生産がクライムカイザー(1973.5.22)と同じ浦河の田中牧場、最初に所属したのが中島氏と親交があったという川崎の河津政明厩舎と、中島氏の縁故を辿る馬でもありました。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

#余談。WEBの各種情報からトモエリージェントのオーナーは、最後は村山忠弘氏になっています。村山オーナーはトモエリージェントの主戦であった根本調教師に馬を預けられることもあるようで、村山オーナーの現在の勝負服からは「まさに根本」と思われるファンもいらっしゃるでしょう。村山オーナーの現在の勝負服は「桃、黒鋸歯形」。そう、トモエリージェントが中央転厩後に最初に所属した橋本厩舎の代表馬にして、根本騎手に「ダービージョッキー」の称号をプレゼントしたメリーナイス(1984.3.22)の服色です。メリーナイスの浦房子オーナーが馬主業から撤退された後、使用されなくなった「桃、黒鋸歯形」の服色を村山オーナーが使用されているそうです。


2018年のクラシック候補生を確認する(海外編・其の参)

Caledonia Road 牝 鹿毛 2015.3.19生 米国・Vegso Racing Stable生産 馬主・Zoom and Fish Stable Inc., Spiring, Charlie and Newtown Anner Stud 米国・Ralph E. Nicks厩舎

Caledonia Road(2015.3.19)の4代血統表

Quality Road
鹿毛 2006.3.23
種付け時活性値:0.00
Elusive Quality
鹿毛 1993.1.27
★Gone West
鹿毛 1984.3.10
Mr. Prospector 1970.1.28
Secrettame 1978.3.15
Touch of Greatness
鹿毛 1986.4.30
Hero’s Honor 1980.4.28
Ivory Wand 1973.3.21
Kobla
栗毛 1995.5.11
Strawberry Road
鹿毛 1979.9.28
Whiskey Road 1972.2.19
Giftisa 1974.11.2
Winglet
鹿毛 1988.3.19
Alydar 1975.3.23
Highest Trump 1972.2.4
Come a Callin
鹿毛 2008.2.7
仔受胎時活性値:1.50
Dixie Union
黒鹿毛 1997.3.7
種付け時活性値:0.50
★Dixieland Band
鹿毛 1980.3.20
Northern Dancer 1961.5.27
Mississippi Mud 1973.4.29
She’s Tops
黒鹿毛 1989.3.12
Capote 1984.3.25
She’s a Talent 1983.3.20
Twilight Service
栗毛 2002.5.4
仔受胎時活性値:1.25
Horse Chestnut(SAF)
栗毛 1995.8.19
種付け時活性値:1.375
Fort Wood 1990.5.5
London Wall 1978
Sunset Service
鹿毛 1993.1.23
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
Deputy Minister
黒鹿毛 1979.5.17
種付け時活性値:1.25
Songlines
栗毛 1986.5.31
仔受胎時活性値:1.50

<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector4×5、Northern Dancer5×4、Raise a Native5×5(父方)>

Caledonia Road(2015.3.19)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
★Quality Road
(Mr. Prospector系)
Dixie Union
(Northern Dancer系)
Horse Chestnut
(Sadler’s Wells系)
Deputy Minister
(Vice Regent系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Horse Chestnut
(Antalya)
6.25 or 4.25 母のいとこに米Gレース勝ち馬3頭
(No. 1-l)
3番仔?
(3連産目?)

*

第34回ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ(米GI。デルマー・ダート8.5F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 12 Caledonia Road 牝2 55.3 Mike E Smith 1:45.05 Ralph E Nicks 7
2 9 Alluring Star 牝2 55.3 Joseph Talamo 3 1/4 Bob Baffert 4
3 5 Blonde Bomber 牝2 55.3 Jose Lezcano クビ Stanley I Gold 11
4 13 Separationofpowers 牝2 55.3 Jose L Ortiz 1 3/4 Chad C Brown 3
5 8 Piedi Bianchi 牝2 55.3 Mario Gutierrez 1/2 Doug O’Neill 8

2017年のエクリプス賞最優秀2歳牝馬に選出されたCaledonia Road。サラトガ・ダート7Fのメイドンを9頭立て6番人気で1着、ベルモントパーク・ダート8FのフリゼットS(米GI)を10頭立て5番人気で2着。そうして迎えた大一番、デルマー・ダート8.5Fの第34回ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズは13頭立て7番人気で1着。デビュー以来、低人気に反発を続けたCaledonia Road 、「ミスター・ブリーダーズカップ」マイク・スミス騎手に導かれて、マクリ一発、最後は2着のAlluring Star(2015.2.14)に3と4分の1馬身差を着けての楽勝でした。

*

Caledonia Road、0の理論的には父Quality Roadから満8歳時の0交配を受けています。また母父Dixie Unionはその父Dixieland Bandが満16歳時の0交配、祖母父Horse Chestnutはその父Fort WoodがSadler’s Wells(1981.4.11)満8歳時の0交配を受けています。近い代で多くの先祖の0化がなされており、0の理論的には走る牝馬のひとつの典型とも言えます。

Caledonia Roadの最優性先祖である祖母父Horse Chestnutは現役時代に9勝を挙げ、その主な勝ち鞍にJ&Bメット(南阿GI)、サウスアフリカンダービー(南阿GI)、ザ・クラシック(南阿GI)、ケープアーガスギニー(南阿GI)、ディンガーンズ(南阿GII)、ブロワードH(米GIII)と南アフリカと米国のGレースを6勝。ケニルワース芝1600mのケープアーガスギニーを6と4分の3馬身差、古馬混合となったケニルワース芝2000mのJ&Bメットを8と4分の1馬身差、ゴスフォークパーク芝1800mのザ・クラシックを4馬身差、そしてターフフォンテン芝2450mのサウスアフリカンダービーに至っては10馬身差と、南アフリカ競馬史上に燦然と輝く強さを見せた3冠馬。その栄誉を讃え、南アフリカではターフフォンテン芝1600mのホースチェスナットS(南阿GI)が行われています。

では、以下にCaledonia Roadのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。

Sunset Service 1993.1.23 0勝
|Vespers 1998.2.3 6勝
||Hymn Book 2006.5.5 8勝 ドンH(米GI)ほか
|Database 1999.2.5 6勝
||Data Link 2005.4.5 8勝 メーカーズ46マイルS(米GI) モンマスS(米GII) サイテーションH(米GII) カナディアンターフS(米GIII)ほか
|Vesper Cat 2000.2.15 不出走
||Strike the Bell 2006.4.17 5勝 ノーブルダムゼルS(米GIII)
|Twilight Service 2002.5.4 不出走
||Come a Callin 2008.2.7 1勝
|||Caledonia Road 2015.3.19 (本馬) ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ(米GI)ほか

米国で継承されている1号族l分枝。Caledonia Roadの従伯父(いとこおじ)と従伯母(いとこおば)に米グレード勝ち馬が3頭見えます。曾祖母Sunset Serviceからの分枝が活性化したというところでしょうか。

*

2歳時は人気薄を跳ね返し続けたCaledonia Road。3歳を迎えて、チャンピオン牝馬として、サスガに人気を背負うことになるのでしょう。Caledonia Road、2018年の走りも楽しみにしたいですね。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。


第35回フェブラリーS(GI)の勝ち馬

ノンコノユメ せん 栃栗毛 2012.3.28生 千歳・社台ファーム生産 馬主・山田和正氏 美浦・加藤征弘厩舎

ノンコノユメ(2012.3.28)の4代血統表
トワイニング
栗毛 1991.5.27
種付け時活性値:1.00
フォーティナイナー
栗毛 1985.5.11
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
Raise a Native 1961.4.28
Gold Digger 1962.5.28
File
栗毛 1976.4.30
Tom Rolfe 1962.4.14
Continue 1958.2.23
Courtly Dee
黒鹿毛 1968.3.8
Never Bend
鹿毛 1960.3.15
Nasrullah 1940.3.2
Lalun 1952
Tulle
黒鹿毛 1950
War Admiral 1934.5.2
Judy-Rae 1944
ノンコ
栗毛 2003.3.4
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
アグネスタキオン
栗毛 1998.4.13
種付け時活性値:1.00
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.28
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
アグネスフローラ
鹿毛 1987.6.18
ロイヤルスキー 1974.5.24
アグネスレデイー 1976.3.25
レディータイクーン
栗毛 1994.5.6
仔受胎時活性値:2.00
★クリミナルタイプ
栃栗毛 1985.3.29
種付け時活性値:0.00
Alydar 1975.3.23
Klepto 1970.4.8
ビユーパーダンス
黒鹿毛 1983.2.26
仔受胎時活性値:0.50
Lyphard
鹿毛 1969.5.10
種付け時活性値:1.25
My Bupers
黒鹿毛 1967.6.1
仔受胎時活性値:1.75

<5代血統表内のクロス:Raise a Native4×5>

ノンコノユメ(2012.3.28)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
トワイニング
(Mr. Prospector系)
アグネスタキオン
(Halo系)
★クリミナルタイプ
(Raise a Natve系)
Lyphard
(Norhtern Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Lyphard
(ノンコ)
6.25 or 4.25 近親ハーツクライ
(No. 6-a)
3番仔
(不受胎後)

*

第35回フェブラリーS(GI。東京ダート1600m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 12 ノンコノユメ せん6 57 内田博幸 1:36.0    36.1 450
[-6]
加藤征弘 4
2 14 ゴールドドリーム 牡5 57 R.ムーア 1:36.0 クビ 36.4 524
[-14]
平田修 1
3 6 インカンテーション 牡8 57 三浦皇成 1:36.1 クビ 36.7 512
[+5]
羽月友彦 6
4 16 サンライズノヴァ 牡4 57 戸崎圭太 1:36.6 3 37.0 536
[+4]
音無秀孝 3
5 13 レッツゴードンキ 牝6 55 幸英明 1:36.7 1/2 37.0 492
[+4]
梅田智之 10

2018年の第35回フェブラリーS。ノンコノユメ、前走根岸S(GIII)をJRAタイレコードとなる東京ダート1400m1分21秒5で駆け2年2ヶ月ぶりの勝利を収めたのは、復活の狼煙だったのです。そうして臨んだ、この大一番。2年前の第34回で1番人気で出走したものの、モーニン(2012.4.14)の2着に敗れた際の忘れ物。今回1番人気のゴールドドリーム(2013.4.19)が「JRAダートGI3連勝」の夢を果たそうと懸命に走ったところを外から強襲し、決勝点、僅かに「クビ」だけ差し切り。ノンコの夢と金の夢、まさったのは、ノンコの夢でした。

ノンコノユメが運んだものは、自身のJRAGI初勝利だけではなく、山田和正オーナーと加藤征弘調教師にとっても、JRAGI初勝利。加藤師は2002年の開業以来17年目のJRAGI初勝利。シャドウゲイト(2002.3.23)による2007年の第7回シンガポール航空国際C(当時GI)により国際GI制覇は既に遂げられていましたが、JRAGIは今回が初めてでした。また、ノンコノユメに跨って2戦2勝となった殊勲の内田博幸騎手。内田騎手は、ヴィルシーナ(2009.3.5)による2014年の第9回ヴィクトリアマイル(GI)以来となるJRAGI勝利。ゴール後、腕を高く突き上げてのガッツポーズ、嬉しかったのでしょう。皆様、おめでとうございました。

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さて、サウンドトゥルー(2010.5.15)が2017年の第17回JBCクラシック(JpnI)を制した際に記載した内容をほぼ再掲することになりますが、JRAGIを制した日本生産調教のせん馬を確認すると、、、

  1. レガシーワールド(1989.4.23)
    →ジャパンカップ(GI)、セントライト記念(GII)ほか
  2. マーベラスクラウン(1990.3.19)
    →ジャパンカップ、京都大賞典(GII)、金鯱賞(当時GIII。現GII)ほか
  3. トウカイポイント(1996.5.18)
    →マイルチャンピオンシップ(GI)、中山記念(GII)ほか
  4. サウンドトゥルー(2010.5.15)
    →チャンピオンズカップ(GI)、東京大賞典(GI)、JBCクラシック、日本テレビ盃(JpnII)ほか
  5. ノンコノユメ(2012.3.28)
    →本稿の主役。フェブラリーS、ジャパンダートダービー(JpnI)、武蔵野S(GIII)、根岸S、ユニコーンS(GIII)ほか

と、いずれも秋から冬にかけての時期にGI勝利を収めています。「せん馬にすることによって、筋肉が硬くなりにくくなる」とはチラホラ聞かれることですが、身体が動きにくくなる秋冬こそ、能力のあるせん馬が花開く季節なのかも知れません。また、GI勝利は無かったものの、10歳で平地重賞を制したせん馬アサカディフィート(1998.3.26)も、その重賞勝ちは中山金杯(GIII)、小倉大賞典(GIII)2回と冬場に行われるGIIIでした。そういえば、アサカディフィートは、毎年秋のオープン特別で穴を開けていた印象も強いですね^_^;

……と、ここまでが以前に書いた内容をほぼ再掲した分ですけれど、この土日のJRAにおける牡牝混合重賞を確認し直せば、、、

  1. 第68回ダイヤモンドS(GIII)
    →トップハンデ58.5kgものかは1番人気に応えた8歳馬フェイムゲーム(2010.5.11)が5年連続出走で3回目のダイヤモンドS制覇。これで重賞6勝目。立派
  2. 第52回小倉大賞典GIII)
    →1番人気のトリオンフ(2014.4.21)が3連勝で重賞初制覇。亡き父タートルボウル(2002.4.9)に捧げる産駒重賞初勝利でもありました
  3. 第35回フェブラリーS(GI)
    →本稿の主役であるノンコノユメが悲願のJRAGI制覇。東京のダート重賞は4勝目で、東京のダートコースで施行される現行重賞の完全制覇と相成りました

フェイムゲーム、トリオンフ、ノンコノユメと、3重賞いずれも、せん馬が勝利を収めていますね。私も四半世紀以上JRAの競馬を見てきましたが、土日の牡牝混合重賞を全てせん馬が制するというのは、初めての経験でした^_^;

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ノンコノユメ。長い雌伏の期間を経て、満6歳にして復活。強い馬が、輝きを取り戻す瞬間に立ち会えたのは、競馬者として本当に嬉しいこと。ノンコノユメ、これからも、どうぞ、その夢の続きを。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。


2018年のクラシック候補生を確認する(海外編・其の弐)

U S Navy Flag(2015.2.6)の4代血統表
War Front
鹿毛 2002.2.11
種付け時活性値:1.00

Danzig
鹿毛 1977.2.12
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Pas de Nom
黒鹿毛 1968.1.27
★Admiral’s Voyage 1959.3.23
Petitioner 1952
Starry Dreamer
芦毛 1994.2.26
Rubiano
芦毛 1987.3.26
Fappiano 1977.5.19
Ruby Slippers 1982.3.18
Lara’s Star
鹿毛 1981.5.10
Forli 1963.8.10
True Reality 1973.3.3
Misty for Me
鹿毛 2008.4.9
仔受胎時活性値:1.50
Galileo
鹿毛 1998.3.30
種付け時活性値:0.25
★Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975.5.4
Urban Sea
栗毛 1989.2.18
▲Miswaki 1978.2.22
Allegretta 1978.3.10
Butterfly Cove
黒鹿毛 2001.2.17
仔受胎時活性値:1.50
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
種付け時活性値:0.25
Storm Bird 1978.4.19
Terlingua 1976.2.7
Mr. P’s Princess
鹿毛 1993.5.3
仔受胎時活性値:1.75
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
種付け時活性値:1.50
Anne Campbell
鹿毛 1973.4.1
仔受胎時活性値:0.75

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer3×4×5、Mr. Prospector5×5×4>

U S Navy Flag(2015.2.6)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
War Front
(Danzig系)
Galileo
(Sadler’s Wells系)
Storm Cat
(Storm Bird系)
◆Mr. Prospector
(Raise a Native系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Mr. Prospector
(Butterfly Cove)
5.50 母と全姉がGI馬
(No. 16-h)
3番仔
(3連産目)

2017年のカルティエ賞最優秀2歳牡馬に選出されたU S Navy Flag。2017年5月1日のデビュー以降、走って走って走りまくったU S Navy Flag、その頑健さを以て、見事なまでに「叩き上げ」の2歳王者となりました。U S Navy Flagの蹄跡を簡単に辿ると、5戦目のカラ芝6Fのメイドンで初勝利、8戦目のカラ芝6FのラウンドタワーS(愛GIII)でGレース初制覇、そして9戦目のニューマーケット芝6FのミドルパークS(英GI)、10戦目のニューマーケット芝7FのデューハーストS(英GI)と英国伝来の2歳戦GIを連勝。余勢を駆って挑んだ11戦目、大西洋の向こう側の第34回ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(米GI)では、未勝利馬Good Magic(2015.3.1)の快走を尻目に、日本で意味するところのブービー負け。本当にお疲れ様m(_ _)m

では、以下にU S Navy Flagのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。

Mr. P's Princess 1993.5.3 不出走
|ファスリエフ 1997.2.9 5勝 フィーニクスS(愛GI) モルニ賞(仏GI)ほか
|Butterfly Cove 2001.2.17 不出走
||Misty for Me 2008.4.9 5勝 愛1000ギニー(GI) プリティポリーS(愛GI) モイグレアスタッドS(愛GI) マルセルブサック賞(仏GI)ほか
|||Cover Song 2013.1.27 2勝 オータムミスS(米GIII)
|||Roly Poly 2014.2.2 現役 サンチャリオットS(英GI) ファルマスS(英GI) ロートシルト賞(仏GI)ほか
|||U S Navy Flag 2015.2.6 (本馬) デューハーストS(英GI) ミドルパークS(英GI) ラウンドタワーS(愛GIII)ほか
||Twirl 2009.4.13 2勝 ムシドラS(英GIII)2着 パークエクスプレスS(愛GIII)2着
||Ballydoyle 2013.1.27 3勝 マルセルブサック賞ほか

U S Navy Flagの母Misty for Meは、2010年の2歳時に愛仏のGI勝ちを収めてカルティエ賞最優秀2歳牝馬に選出され、2011年の3歳時に愛1000ギニーとプリティポリーSを制してGIを都合4勝。また、全姉Roly Polyは昨年2017年の3歳時に英仏のマイルGI3勝。母は2歳時に5戦、全姉は8戦、そしてU S Navy Flagは11戦。母仔ともに管理されているエイダン・パトリック・オブライエン調教師、2歳時から丈夫に走り、3歳時に成長も見せる血統ということを認識されているからこその、叩き上げなのでしょう。

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毎年の事ですが、オブライエン厩舎にはクラシック候補がウジャウジャいます。2017年の2歳GIを制した馬だけでも、

  1. U S Navy Flag
    →本稿の主役。デューハーストSとミドルパークSのダブル制覇は、1982年のDiesis(1980.4.23)以来35年ぶりの快挙でした
  2. Saxon Warrior(2015.1.26)
    →第57回レーシングポストT(英GI)を制したディープインパクト(2015.3.25)産駒
  3. Mendelssohn(2015.5.17)
    →第11回ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフ(米GI)の勝ち馬で、Beholder(2010.5.9)の半弟
  4. Sioux Nation(2015.1.25)
    →フィーニクスSの勝ち馬
  5. Happily(2015.2.27)
    →ジャン・リュック・ラガルデール賞(仏GI)とモイグレアスタッドSを制したカルティエ賞最優秀2歳牝馬。2週間後に紹介予定
  6. Clemmie(2015.2.14)
    →チェヴァリーパークS(愛GI)の勝ち馬で、Churchill(2014.1.31)の全妹

と、2015年生まれ世代で既に牡馬4頭、牝馬2頭がGI馬ですから、ね^_^;。「敵は内にあり」ではありませんが、U S Navy Flagは同じ桶の飼葉を喰むステーブルメイトに好敵手が揃っています。路線の使い分けはあるでしょうけれど、それぞれに楽しみな若駒たちです。

ともあれ、オブライエン厩舎の3歳牡馬において、現時点でGI2勝を挙げているのは、U S Navy Flagだけ。その名のとおり、世代の旗頭として、頑張って欲しいものです。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。