2018年01月一覧

カルティエ賞年度代表馬を辿る(其の拾参)-Dalakhani(2000.2.16)-

Dalakhani 牡 芦毛 2000.2.16生 愛国・HH Aga Khan IV生産 馬主・HH Aga Khan IV 仏国・Alain de Royer-Dupre厩舎

Dalakhani(2000.2.16)の4代血統表
Darshaan
黒鹿毛 1981.4.18
種付け時活性値:0.50
Shirley Heights
鹿毛 1975.3.1
Mill Reef
鹿毛 1968.2.23
Never Bend 1960.3.15
Milan Mill 1962.2.10
Hardiemma
鹿毛 1969
ハーディカヌート 1962
Grand Cross 1952
Delsy
鹿毛 1972.3.20
Abdos
黒鹿毛 1959.5.18
Arbar 1944
Pretty Lady 1942
Kelty
鹿毛 1965.2.28
ヴェンチア 1957
マリラ 1957.3.23
Daltawa
芦毛 1989.4.23
仔受胎時活性値:0.50
Miswaki
栗毛 1978.2.22
種付け時活性値:0.50
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
Hopespringseternal
栗毛 1971.5.27
Buckpasser 1963.4.28
Rose Bower 1958.3.24
Damana
芦毛 1981.4.2
仔受胎時活性値:1.75
クリスタルパレス
芦毛 1974.3.25
種付け時活性値:1.50
Caro 1967.4.11
Hermieres 1958.4.10
Denia
栗毛 1973.4.19
仔受胎時活性値:1.75
Crepello
栗毛 1954
種付け時活性値:0.50
Rose Ness
鹿毛 1965
仔受胎時活性値:1.75

<5代血統表内のクロス:Princequillo5×5>

Dalakhani(2000.2.16)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Darshaan
(Mill Reef系)
Miswaki
(Mr. Prospector系)
クリスタルパレス
(フォルティノ系)
Crepello
(Blenheim系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
クリスタルパレス
(Caro)
5.75 半兄Daylami
(No. 9-e)
4番仔?
(前年産駒なし後?)

*

2002年の第2回クリテリウム・アンテルナシオナル(仏GI。サンクルー芝1600m)の結果


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 3 Dalakhani 牡2 57 Christophe Soumillon 1:52.00 A De Royer-Dupre 1
2 6 Chevalier 牡2 57 Mick Kinane クビ A P O’Brien 2
3 2 Governor Brown 牡2 57 Dominique Boeuf 5 Paul Cole 4
4 1 Napper Tandy 牡2 57 Kevin Manning 1 1/2 J S Bolger 5
5 4 Songlark I 牡2 57 Olivier Placais 1 1/2 A Fabre 3

*

2003年のリュパン賞(仏GI。ロンシャン芝2100m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 2 Dalakhani 牡3 58 Christophe Soumillon 2:09.40 A De Royer-Dupre 1
2 3 Super Celebre 牡3 58 Dominique Boeuf 1 E Lellouche 2
3 1 Alberto Giacometti 牡3 58 Mick Kinane 3/4 A P O’Brien 3
4 4 Balestrini 牡3 58 Kieren Fallon 2 1/2 A P O’Brien 5
5 5 Snipewalk 牡3 58 Olivier Peslier 短クビ Mme C Head-Maarek 6

*

2003年の第163回ジョッケクルブ賞(仏GI。シャンティイ芝2400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 4 Dalakhani 牡3 58 Christophe Soumillon 2:26.70 A De Royer-Dupre 1
2 3 Super Celebre 牡3 58 Dominique Boeuf 2 E Lellouche 2
3 5 Coroner 牡3 58 Stephane Pasquier 3 J-C Rouget 4
4 2 Touch Of Land 牡3 58 Olivier Peslier 3 H-A Pantall 4
5 1 Papineau 牡3 58 Frankie Dettori 6 A Fabre 3

*

2003年の第82回凱旋門賞(仏GI。ロンシャン芝2400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 14 Dalakhani 牡3 56 Christophe Soumillon 2:32.30 A De Royer-Dupre 2
2 10 Mubtaker 牡6 59.5 Richard Hills 3/4 Marcus Tregoning 8
3 1 High Chaparral 牡4 59.5 Mick Kinane 5 A P O’Brien 1
4 4 Doyen 牡3 56 Frankie Dettori 1 1/2 A Fabre 3
5 13 Vinnie Roe 牡5 59.5 Pat Smullen 1 1/2 D K Weld 5

*

兄弟でカルティエ賞年度代表馬に選出されたのは、2018年現在、1999年のDaylami(1994.4.20)と2003年のDalakhaniの1例のみとなっています。芦毛のチャンピオン兄弟、2頭で積み重ねたGI勝利は11勝。尊ぶべきは賢母Daltawa、敬うべきは兄Daylami、そして褒めるべきはDalakhani。

Daylami&Dalakhani兄弟の芦毛の源泉であり、0の理論的には最優性先祖でもある祖母父クリスタルパレス。クリスタルパレスは現役時代に4勝を挙げ、その主な勝ち鞍に第137回ジョッケクルブ賞、ニエル賞(当時仏GIII、現仏GII)があり、リュパン賞2着、第56回凱旋門賞3着もあります。そんなクリスタルパレスの代表産駒を示しておきます。以下、代表産駒と共に示すGレースのレース名および格付けは、いずれも施行当時のものです。

  1. Grise Mine(1981.4.1)
    →サンタラリ賞(仏GI)、ヴァントー賞(仏GIII)ほか
  2. Mersey(1982.4.26)
    →ロワイヤルオーク賞(仏GI)、フォワ賞(仏GIII)、ロワイヤリュー賞(仏GIII)ほか
  3. Coeur de Lion(1984.2.13)
    →ボウリンググリーンH(米GI)、ディキシーH(米GII)、エクスビュリ賞(仏GIII)ほか
  4. プレクラスニー(1987.6.10)
    →天皇賞・秋(GI)、毎日王冠(GII)、エプソムC(GIII)
  5. Galla Placidia(1982.5.13)
    →エヴリ大賞(仏GII)、ポモーヌ賞(仏GII)、コリーダ賞(仏GIII)、ロワイヨモン賞(仏GIII)ほか
  6. Gisele(1980.5.11)
    →ヴィルジニオクルティ賞(伊GIII)
  7. Palace Panther(1981.5.13)
    →セネカH(米GIII)ほか

クリスタルパレスは日本供用初年度に当たる1985年に仏国首位種牡馬に輝くなど種牡馬としても活躍しました。上記の代表産駒で馴染み深いのは、やはりプレクラスニーですね。1991年の第104回天皇賞・秋における、メジロマックイーン(1987.4.3)の18着降着に伴う繰り上がり優勝の印象が強いプレクラスニーですが、芝1800m~芝2000mは10戦7勝、2着3回。名中距離馬だったのです。また、クリスタルパレスはブルードメアサイアーとして第69回東京優駿(GI)の勝ち馬タニノギムレット(1999.5.4)を送り込みました。

*

閑話休題。Dalakhaniは兄Daylamiとは違い3歳で現役を退き、4歳時から種牡馬として供用されました。Mill Reef~Shirley Heights~Darshaanの血を後世に継ぐべく仕事を果たし、

  1. コンデュイット(2005.3.23)
    →ブリーダーズカップ・ターフ(米GI)2回、”キング・ジョージ”(英GI)、英セントレジャー(GI)ほか
  2. Reliable Man(2008.3.27)
    →ジョッケクルブ賞、クイーンエリザベスS(豪GI)ほか
  3. Integral(2010.3.13)
    →サンチャリオットS(英GI)、ファルマスS(英GI)ほか
  4. Moonstone(2005.3.3)
    →愛オークス(GI)
  5. Duncan(2005.1.30)
    →愛セントレジャー(GI)ほか
  6. Chinese White(2005.3.12)
    →プリティポリーS(愛GI)ほか
  7. Seismos(2008.4.26)
    →バイエルン大賞(独GI)ほか
  8. Second Step(2011.3.21)
    →ベルリン大賞(独GI)ほか
  9. Shakeel(2014.2.19)
    →パリ大賞(仏GI)ほか

等を始めとして、多くのGレース勝ち馬を送り込みました。案の定と言うべきでしょうか、上記の代表産駒9頭のうちコンデュイット、Reliable Man、Chinese White、Second Stepの4頭が母父にSadler’s Wells(1981.4.11)を持っています。代表産駒で日本に馴染み深いのは、言わずもがなでコンデュイット。重馬場の第232回英セントレジャーを勝つスタミナと、堅良の第25回ブリーダーズカップ・ターフをレースレコードで制するスピードを持ち合わせた名馬でしたが、残念ながら、日本では種牡馬として今ひとつに終わりました。また、Reliable Manは祖父Darshaan、父Dalakhaniに続いて父仔3代のジョッケクルブ賞制覇を遂げています。Reliable Manは、高祖父Mill Reefと曽祖父Shirley Heightsが英ダービー(現GI)馬であり、いわゆる「3歳春季の頂点を決するレース」を制しているということでは、5代続けて勝利を収めています。

*

Dalakhaniは既に種牡馬引退しており、現在は仏国のノルマンディーにあるアガカーンスタッドにて余生を過ごしています。まだまだ男盛りの18歳ですが、2016年の春に発生した特定できない疾患により、以後は種付けを取り止めてしまったのでした。Dalakhani、近時はタワーオブロンドン(2015.2.9)の母父として目にしたように、ブルードメアサイアーとしても存在感を増しつつあります。残された血が父系、母系どちらからも花開くことを祈りたいものです。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

<参考WEB>


中島国治氏関連馬(其の拾参)-アップセッター(1980.4.27)-

アップセッター 牡 黒鹿毛 1980.4.27生 新冠・明和牧場生産 馬主・ホースマン 美浦・田中和夫厩舎

アップセッター(1980.4.27)の4代血統表
ダンデイルート
鹿毛 1972.5.10
種付け時活性値:1.75
Luthier
黒鹿毛 1965.3.22
Klairon
鹿毛 1952
Clarion 1944
Kalmia 1931
Flute Enchantee
鹿毛 1950
Cranach 1938
Montagnana 1937
Dentrelic
栗毛 1965.3.20
Prudent
栗毛 1959.4.20
My Babu 1945
Providence 1947
Relict
鹿毛 1958
Relic 1945
Fakhry 1940
クレージーキルツ
鹿毛 1970.3.3
仔受胎時活性値:0.25

Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
種付け時活性値:0.00
Nearctic
黒鹿毛 1954.2.11
Nearco 1935.1.24
Lady Angela 1944
Natalma
鹿毛 1957.3.26
Native Dancer 1950.3.27
Almahmoud 1947.5.18
Heather Noble
鹿毛 1964.4.17
仔受胎時活性値:1.25
King of the Tudors
栗毛 1950
種付け時活性値:1.25
Tudor Minstrel 1944.2.16
Glen Line 1942
Maid of Flight
黒鹿毛 1951
仔受胎時活性値:1.00
Count Fleet
黒鹿毛 1940.3.24
種付け時活性値:0.50
Maidoduntreath
黒鹿毛 1939
仔受胎時活性値:0.75

<5代血統表内のクロス:Mahmoud5×5、Djebel5×5(父方)>

アップセッター(1980.4.27)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ダンデイルート
(Djebel系)
★Northern Dancer
(Nearctic系)
King of the Tudors
(Owen Tudor系)
Count Fleet
(Sundridge系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ダンデイルート
(Luthier)
3.25 半弟ミスタールマン
(No. 20)
2番仔
(3年連続産駒なし後)

*

[アップセッターの主な戦績]

  1. ニュージーランドT4歳S(現ニュージーランドT、GII)、新潟記念(現GIII)
  2. 関谷記念(現GIII)、ラジオたんぱ賞(現ラジオNIKKEI賞、GIII)
  3. NHK杯(旧GII)

通算17戦4勝、2着4回、3着2回。

*

1983年の第1回ニュージーランドT4歳S(現ニュージーランドT、GII。東京芝1600m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 14 アップセッター 牡3 56 岡部幸雄 1:37.0 田中和夫 1
2 13 アテイスポート 牡3 56 菅原泰夫 2 1/2 野平好男 8
3 9 ルーキーオー 牡3 56 大崎昭一 クビ 中村好夫 4
4 11 エリモタイヨー 牡3 56 武田悟 3/4 夏村辰男 3
5 15 ドウカンヤシマ 牡3 56 大塚栄三郎 3 田中朋次郎 7

*

1983年の第19回新潟記念(現GIII。新潟芝2000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 6 アップセッター 牡3 55 岡部幸雄 2:01.1 田中和夫 1
2 1 スイートカーソン 牝4 52 増沢末夫 1 大和田稔 2
3 4 ヤマノシラギク 牝4 53 桜井誠二 4 大久保正陽 6
4 5 メイジタイガー 牡6 59 菅原泰夫 1 1/2 本郷一彦 3
5 3 キンセイパワー 牝5 53 嶋田潤 2 1/2 清水利章 4

*

近年は馬体の大型化が進み400kg未満の小さな馬体の馬を見かけることが少なくなりました。私が競馬を意識してから400kg未満の馬体で重賞を制した馬は、スエヒロジョウオー(1990.4.16)が390kgで第4回阪神3歳牝馬S(現阪神ジュベナイルフィリーズ、GI)を制しています。

そんな400kg未満の小さな馬体で重賞2勝を挙げた馬が、アップセッター。英語では「番狂わせ」としても用いられる「upset」に接尾辞が付いて「Upsetter」。アップセッター、「番狂わせをするもの」という馬名とは裏腹に、重賞2勝は共に1番人気に応えての勝利でした。重賞格上げの初回、記念の第1回ニュージーランドT4歳S。今も昔も府中のマイル戦は厳しい舞台ですけれど、2と2分の1馬身差で完勝。ニュージーランドT4歳S出走時、アップセッターの馬体は380kgだったそうな。その後、ラジオたんぱ賞2着、関屋記念2着と好戦を続けて挑んだ晩夏の新潟記念。左回りの今も右回りの昔も時計が速い新潟の芝、小さな馬体で駆けて残した2分1秒1は、当時のコースレコード。新潟記念出走時、アップセッターの馬体は392kgだったそうな。小さな馬が大きな馬を倒す。その意味では、アップセッターと言うのは、名は体を表していたのでしょう。

私がアップセッターを意識したのは、もっと時を下ってから。故郷を共にするシーバードパーク(1976.4.3)との娘であるキューティアップ(1987.4.18)が、ジャンプレースで活躍したマイネルオーパー(1999.3.25)を送り込み、その母父にアップセッターの名前を見た時。「明和牧場血統、頑張って」と思ったものです。

*

アップセッターの最優性先祖と判断した父ダンディルートは、名物馬主として知られた松岡正雄氏と藤田正明氏の共同所有馬として仏国で走りました。ダンディルートは現役時代に5勝を挙げ、パレロワイヤル賞(仏GIII)、ジョンシェール賞(仏GIII)、ラロシェット賞(仏GIII)とGIII3勝、その他フォレ賞(仏GI)2着、仏2000着ギニー(GI)3着などもある活躍馬でした。

ダンディルートは満3歳の1975年で現役を引退し、翌1976年から日本で種牡馬供用され、1980年に僅か5世代への種付けを残して早世しました。けれど、

  1. トウショウゴッド(1977.4.13)
    →目黒記念・春(現目黒記念、GII)、弥生賞(現GII)、ダービー卿CT(現GIII)ほか
  2. ポリートウショウ(1977.5.26)
    →クイーンC(現GIII)。新潟3歳S(現新潟2歳S、GIII)の勝ち馬トウショウフェノマ(1992.5.29)の母
  3. エイティトウショウ(1978.5.8)
    →中山記念(現GII)2回、金杯(現中山金杯、GIII)、ラジオたんぱ賞ほか。母ソシアルトウショウ(1972.4.2)、叔父トウショウボーイ(1973.4.15)
  4. トウショウペガサス(1979.5.16)
    →中山記念、ダービー卿CTほか。エイティトウショウの全弟にして、上述したスエヒロジョウオーの父
  5. アップセッター(1980.4.27)
    →本稿の主役。ニュージーランドT4歳S、新潟記念ほか
  6. ビゼンニシキ(1981.4.26)
    →NHK杯、スプリングS(GII)、共同通信杯4歳S(現共同通信杯、GIII)ほか。ダンディルートが満8歳時交配のミニモの遺伝馬にして、シンボリルドルフ(1981.3.13)が蹴飛ばしてでも勝とうとした唯一の馬

と、5世代すべてで中央重賞勝ち馬を輩出するという、一流種牡馬の成績を残しました。

ダンディルートは「種牡馬の父」としても優れており、トウショウゴッドは生涯種付け頭数12頭、生産頭数7頭の内の1頭からGIII5勝の名牝ヌエボトウショウ(1987.5.30)を、トウショウペガサスはスエヒロジョウオー、グルメフロンティア(1992.4.19)と2頭のGI勝ち馬を、そしてビゼンニシキはGI2勝を含む重賞7勝の名マイラー・ダイタクヘリオス(1987.4.10)、GIII3勝のハシノケンシロウ(1987.4.14)、統一GIII1勝のコンメンダトーレ(1994.4.18)、ジャンプレース7戦7勝のリターンエース(1988.4.7)等を輩出しました。ダイタクヘリオスが、第34回スプリンターズS(GI)を制したダイタクヤマト(1994.3.13)を出した際は、父系相伝の期待が掛かりましたが、残念ながら、夢は潰えてしまいました。それでも、ダンディルートの血は、今日でも母系によくよく見られます。Tourbillon(1928)系の異系の血、後世に伝えられることを祈ります。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。


第2回ペガサスワールドカップ(米GI)の勝ち馬

Gun Runner 牡 栗毛 2013.3.8生 米国・Besilu Stables LLC生産 馬主・Winchell Thoroughbreds LLC & Three Chimneys Farm 米国・Steven Asmussen厩舎

Gun Runner(2013.3.8)の4代血統表
Candy Ride(ARG)
鹿毛 1999.9.27
種付け時活性値:1.125
Ride the Rails
黒鹿毛 1991.3.5
Cryptoclearance
黒鹿毛 1984.4.9
Fappiano 1977.5.19
Naval Orange 1975.5.26
Herbalesian
鹿毛 1969.4.29
Herbager 1956
Alanesian 1954.4.28
Candy Girl
栗毛 1990.7.7
Candy Stripes
栗毛 1982.4.12
Blushing Groom 1974.4.8
バブルカンパニー 1977.4.5
City Girl
栗毛 1982
Farnesio 1974.10.15
Cithara 1975
Quiet Giant(USA)
鹿毛 2007.4.22
仔受胎時活性値:1.25
Giant’s Causeway(USA)
栗毛 1997.2.14
種付け時活性値:0.25
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
Storm Bird 1978.4.19
Terlingua 1976.2.7
Mariah’s Storm
鹿毛 1991.4.1
Rahy 1985.2.18
イメンス 1979.3.17
Quiet Dance(USA)
芦毛 1993.1.25
仔受胎時活性値:1.25
Quiet American(USA)
鹿毛 1986.4.29
種付け時活性値:1.50
Fappiano 1977.5.19
Demure 1977.4.4
Misty Dancer(USA)
芦毛 1988.5.6
仔受胎時活性値:1.00
Lyphard(USA)
鹿毛 1969.5.10
種付け時活性値:0.50
Flight Dancer(USA)
芦毛 1968.4.18
仔受胎時活性値:0.75

<5代血統表内のクロス:Fappiano4×4、Blushing Groom4×5、Lyphard5×4、Northern Dancer5×5>

Gun Runner(2013.3.8)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Candy Ride
(Mr. Prospector系)
Giant’s Causeway
(Storm Cat系)
Quiet American
(Mr. Prospector系)
◆Lyphard
(Northern Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Quiet American
(Quiet Dance)
4.25 伯父Saint Liam
(No. 17-b)
初仔

*

第2回ペガサスワールドカップ(米GI。ガルフストリームパーク・ダート9F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 10 Gun Runner 牡5 56.2 Florent Geroux 1:47.41 Steven Asmussen 1
2 2 West Coast 牡4 56.2 Javier Castellano 2 1/2 Bob Baffert 2
3 6 Gunnevera 牡4 56.2 Luis Saez 10 3/4 Antonio Sano 5
4 7 Fear The Cowboy 牡6 56.2 Tyler Gaffalione 1/2 Efren Loza Jr 11
5 11 Seeking The Soul 牡5 56.2 John R Velazquez クビ Dallas Stewart 9

2018年の第2回ペガサスワールドカップ。2017年のエクリプス賞年度代表馬に選出されたGun Runner、2017年の第36回スティーブンフォスターH(米GI)、第90回ホイットニーS(米GI)、第64回ウッドワードS(米GI)、第34回ブリーダーズカップ・クラシック(米GI)、そして2018年の第2回ペガサスワールドカップと米国最強路線のGIレースを5連勝。Gun Runner、最後まで強者の走りを見せ、見事に引退の花道を飾りました。やっぱり、メチャクチャ強いですね^_^;

Gun Runner、この後はスリーチムニーズファームで種牡馬入り。同じ2013年生まれ世代Arrogate(2013.4.11)と種牡馬としても同期スタートと相成ります。共に良い仔を送り出して欲しいものです。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。


ノースフライト(1990.4.12)

ノースフライト 牝 鹿毛 1990.4.12生~2018.1.22没 浦河・大北牧場生産 馬主・(有)大北牧場 栗東・加藤敬二厩舎

ノースフライト(1990.4.12)の4代血統表
トニービン
鹿毛 1983.4.7
種付け時活性値:1.50
カンパラ
鹿毛 1976.2.19
Kalamoun
芦毛 1970.4.30
ゼダーン 1965
Khairunissa 1960
State Pension
鹿毛 1967
オンリーフォアライフ 1960
Lorelei 1950
Severn Bridge
栗毛 1965
Hornbeam
栗毛 1953
Hyperion 1930.4.18
Thicket 1947
Priddy Fair
鹿毛 1956
Preciptic 1942
Campanette 1948
シャダイフライト
鹿毛 1973.2.19
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
ヒッティングアウェー
鹿毛 1958.4.9
種付け時活性値:1.50
Ambiorix
鹿毛 1946
Tourbillon 1928
Lavendula 1930
Striking
鹿毛 1947
War Admiral 1934.5.2
Baby League 1935
フォーワードフライト
栗毛 1967.4.10
仔受胎時活性値:1.25
Porterhouse
黒鹿毛 1951
種付け時活性値:1.75
★Endeavour 1942
Red Stamp 1943
Bashful Girl
鹿毛 1961.4.12
仔受胎時活性値:1.25
Khaled
鹿毛 1943
種付け時活性値:0.25
But Beautiful
栗毛 1947
仔受胎時活性値:1.25

<5代血統表内のクロス:Hyperion4×5>

ノースフライト(1990.4.12)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
トニービン
(ゼダーン系)
ヒッティングアウェー
(Tourbillon系)
Porterhouse
(Phalaris系)
Khaled
(Hyperion系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Porterhouse
(シャダイフライト)
5.75 or 3.75 甥マリーゴッド
(No. 12-c)
9番仔
(2連産目)

*

第44回安田記念(GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 5 ノースフライト 牝4 55 角田晃一 1:33.2   35.7 470
[-10]
加藤敬二 5
2 2 トーワダーリン 牝4 55 田中勝春 1:33.6 2.1/2 35.5 424
[+2]
佐山優 10
3 4 ドルフィンストリート 牡4 57 E.サンマルタン 1:33.7 3/4 36.2 504
[+4]
J.ハモンド 4
4 12 サクラバクシンオー 牡5 57 小島太 1:33.7 ハナ 36.8 498
[-2]
境勝太郎 3
5 13 スキーパラダイス 牝4 55 武豊 1:33.7 ハナ 36.4 448
[+16]
A.ファーブル 1

1994年の第44回安田記念。前年1993年に府中牝馬S(現GII、当時GIII)で初重賞勝利を収めた時と同じ舞台、東京競馬場の芝1600m。マイネルヨース(1988.6.2)、マザートウショウ(1990.4.11)等が盛んに逃げ、前半1000mのラップタイムは56秒9という超ハイペース。スタートでやや後手を踏んだノースフライトにとってはおあつらえ向きの展開となり、直線で外から内に切れ込むようにして抜け出しました。ドルフィンストリート(1990.2.27)、スキーパラダイス(1990.5.12)、サイエダティ(1990.1.26)、ザイーテン(1990.3.23)、ウィニングパートナーズ(1988.11.7)といった外国馬たちを寄せ付けない、見事な勝ちっぷりでした。なお、ノースフライトの担当だった石倉幹子厩務員は、女性初の「JRAGI馬の厩務員」となられました。また、レースの2着にはトーワダーリン(1990.4.21)が入って、日本の4歳牝馬どうしのワンツーフィニッシュ。角田晃一騎手(現調教師)と田中勝春騎手という競馬学校5期生どうしのワンツーでもあり、ゴール後に手を取り合っての姿も懐かしいものです。

*

第11回マイルチャンピオンシップ(GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 9 ノースフライト 牝4 55 角田晃一 1:33.0 レコード 34.2 478
[0]
加藤敬二 1
2 12 サクラバクシンオー 牡5 57 小島太 1:33.2 1.1/2 34.7 496
[+2]
境勝太郎 2
3 14 フジノマッケンオー 牡3 55 武豊 1:33.3 クビ 33.8 502
[+4]
中村好夫 3
4 7 ホッカイセレス 牝4 55 A.ムンロ 1:33.6 2 34.9 478
[-6]
伊藤正徳 4
5 13 ビコーペガサス 牡3 55 的場均 1:33.8 1.1/2 34.7 430
[0]
柳田次男 5

1994年の第11回マイルチャンピオンシップ。春のマイルGIである安田記念の覇者が、秋のマイルGIでも見事に勝利を収めました。レースでは集団の5番手の位置で折り合い、前にいるサクラバクシンオー(1989.4.14)を見る形でレースを進め、4角外側から「ゴォッ」という勢いで一気に取りつき、直線抜け出し圧勝。勝ち時計1分33秒0は、前々年にダイタクヘリオス(1987.4.10)が記録した京都芝外回り1600mのレコードを破るコースレコードタイムでした。ノースフライト、マイル戦負けなしの5戦5勝、悠然たる最終飛行を見せてくれました。

この第11回マイルチャンピオンシップの開催された日である1994年11月20日、私は生まれて初めて競馬場へ行きました。目の前でレースを見ていた私にとって、4角を回って来た時の、あのノースフライトの迫力は、一生忘れることができないと思います。ノースフライトの1着入線後、ゴール板前の位置にいた私は、勝ち時計を見て「レコードタイム!!レコードタイム!!」と叫んでいました。あれからもう24年。まさに「光陰矢の如し」です。

*

ノースフライトの牝系は、1972年に輸入されたフォーワードフライトを日本の基礎繁殖牝馬とする12号族。牝系近親の活躍馬は函館3歳S(現函館2歳S、GIII)を制した甥のマリーゴッド(1991.4.15)ぐらいですが、社台グループ総帥・吉田照哉氏によりますと……、

「あのノースフライトのお母さんは16歳のときに売った馬なんですよ。だから買い手の解釈としては、私がその年齢まで辛抱して持っていたということは、どこかにいいところがある繁殖牝馬だと、そう考える方が利口だと思うんだけどね(笑)。」

-日本中央競馬会『優駿』、2000年8月号、P34より抜粋-

日本一の馬喰が辛抱して持っていた母から生まれたのが、才長けて、見目麗しい鹿毛の牝馬、ノースフライトだったのでした。

ノースフライトを想起させてくれるような強くて速い子孫に数多く出会いたいもの。フーちゃんの子孫の活躍を祈って、せめてもの手向けといたします。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

<参考WEB>


2018年のクラシック候補生を確認する(其の拾壱)

ジェネラーレウーノ 牡 青鹿毛 2015.1.27生 日高・新生ファーム生産 馬主・(株)Gリビエール・レーシング 美浦・矢野英一厩舎

ジェネラーレウーノ(2015.1.27)の4代血統表
スクリーンヒーロー
栗毛 2004.4.18
種付け時活性値:0.50

グラスワンダー
栗毛 1995.2.18
Silver Hawk
鹿毛 1979.4.20
Roberto 1969.3.16
Gris Vitesse 1966.3.2
Ameriflora
鹿毛 1989.1.29
Danzig 1977.2.12
Graceful Touch 1978.4.13
ランニングヒロイン
鹿毛 1993.4.8
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ダイナアクトレス
鹿毛 1983.5.4
ノーザンテースト 1971.3.15
モデルスポート 1975.2.23
シャンハイロック
黒鹿毛 2008.4.26
仔受胎時活性値:1.50

ロックオブジブラルタル
鹿毛 1999.3.8
種付け時活性値:0.00
デインヒル
鹿毛 1986.3.26
Danzig 1977.2.12
Razyana 1981.4.18
Offshore Boom
栗毛 1985.3.23
Be My Guest 1974.4.12
Push a Button 1980.5.30
ニシノローズ
鹿毛 1994.4.9
仔受胎時活性値:1.25
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
種付け時活性値:0.50
Storm Bird 1978.4.19
Terlingua 1976.2.7
Barmistress
栗毛 1989.3.5
仔受胎時活性値:1.00
Alydar
栗毛 1975.3.23
種付け時活性値:1.25
Bemissed
栗毛 1980.2.15
仔受胎時活性値:2.00(0.00)

<5代血統表内のクロス:Danzig4×4、Northern Dancer5×5×5×5×5、His Majesty5×5、Hail to Reason5×5(父方)>

ジェネラーレウーノ(2015.1.27)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
スクリーンヒーロー
(Roberto系)
★ロックオブジブラルタル
(Danzig系)
Storm Cat
(Storm Bird系)
Alydar
(Raise a Native系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Alydar
(Barmistress)
5.75 or 3.75 Jet Ski Ladyと同牝系
(No. 2-f)
3番仔
(3連産目)

2018年の第58回京成杯(GIII)。8番人気のコスモイグナーツ(2015.2.24)が逃げて作り出したペースは1000m通過が59秒7という速いペース。そのペースを離れた番手追走から冷静に見ていたのが、1番人気のジェネラーレウーノ。3角から4角に掛けて徐々に間を詰めると、直線では勢い良く脚を伸ばしました。最後は外から2番人気のコズミックフォース(2015.2.14)が追い込んで来ましたが、半馬身差まで。ジェネラーレウーノ、未勝利、葉牡丹賞、そして京成杯と芝2000m戦の3連勝を以て、クラシック挑戦権を獲得しました。ジェネラーレウーノの鞍上田辺裕信騎手は、昨年2017年の第57回のコマノインパルス(2014.4.23)に続く、京成杯連覇となりました。

さて、ジェネラーレウーノの最優性先祖である曾祖母父Alydarは現役時代に14勝を挙げ、その主な勝ち鞍に第109回トラヴァーズS(米GI)、第27回フロリダダービー(米GI)、フラミンゴS(当時米GI)、シャンペンS(米GI)、第54回ブルーグラスS(当時米GI、現米GII)、サプリングS(当時米GI)、第51回ホイットニーS(当時米GII、現米GI)、アーリントンクラシックS(当時米GII、現米GIII)、ナッソーカウンティH(現ナッソーカウンティS、米GIII)と米グレードレース9勝。宿敵Affirmed(1975.2.21)との3冠対決はいずれも2着に敗れましたが、傑出した2頭の栗毛の対決は、米国の競馬ファンを大いに沸かせました。

では、Alydarの代表産駒を示しておきます。以下、代表産駒と共に示すGレースのレース名および格付けは、いずれも施行当時のものです。

  1. Alysheba(1984.3.3)
    →ケンタッキーダービー(米GI)、プリークネスS(米GI)、ブリーダーズカップ・クラシック(米GI)、サンタアニタH(米GI)、スーパーダービー(米GI)、チャールズHストラブS(米GI)、フィリップHアイズリンH(米GI)、ウッドワードH(米GI)、メドウランズC(米GI)ほか
  2. Easy Goer(1986.3.21)
    →ベルモントS(米GI)、トラヴァーズS、ジョッキークラブ金杯(米GI)、ウッドメモリアルS(米GI)、サバーバンH(米GI)、ウッドワードH、ホイットニーH(米GI)、シャンペンS、カウディンS(米GI)ほか
  3. Strike the Gold(1988.3.21)
    →ケンタッキーダービー、ピムリコスペシャルH(米GI)ほか
  4. クリミナルタイプ(1985.3.29)
    →ハリウッド金杯(米GI)、メトロポリタンH(米GI)、ホイットニーH、ピムリコスペシャルHほか
  5. Miss Oceana(1981.2.13)
    →エイコーンS(米GI)、フリゼットS(米GI)、ガゼルH(米GI)、マスケットS(米GI)、アーリントンワシントンラッシーS(米GI)、セリマS(米GI)ほか
  6. Althea(1981.5.20)
    →アーカンソーダービー(米GI)、ハリウッドスターレットS(米GI)、サンタスザナS(米GI)ほか。ヤマニンパラダイス(1992.4.25)の母
  7. ステラマドリッド(1987.5.15)
    →エイコーンS、フリゼットS、メイトロンS(米GI)、スピナウェイS(米GI)ほか。ダイヤモンドビコー(1996.5.25)の母でミッキーアイル(2011.3.12)の曾祖母
  8. Turkoman(1982.4.11)
    →ワイドナーH(米GI)、マールボロC招待H(米GI)ほか
  9. Alydar’s Best(1982.3.20)
    →仏グランクリテリウム(GI)ほか
  10. Endear(1982.3.26)
    →ヘムステッドH(米GI)ほか
  11. Saratoga Six(1982.4.13)
    →デルマーフューチュリティ(米GI)ほか
  12. Clabber Girl(1983.2.13)
    →トップフライトH(米GI)ほか
  13. I’m Sweets(1983.3.26)
    →デモワゼルS(米GI)ほか
  14. Cadillacing(1984.2.23)
    →バレリーナS(米GI)ほか
  15. Talinum(1984.4.29)
    →フラミンゴSほか
  16. Alydaress(1986.4.1)
    →愛オークス(GI)ほか
  17. Beautiful Melody(1986.3.4)
    →ビヴァリーヒルズH(米GI)
  18. カコイーシーズ(1986.3.7)
    →ターフクラシック(米GI)ほか
  19. Tis Juliet(1986.5.4)
    →シュヴィーH(米GI)
  20. リンドシェーバー(1988.3.3)
    →朝日杯3歳S(GI)
  21. Dare and Go(1991.2.15)
    →パシフィッククラシックS(米GI)、ストラブS(米GI)

名種牡馬、ですね。15歳時の早世が惜しまれます。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。