2018年のクラシック候補生を確認する(其の拾玖)

テーオーエナジー 牡 栗毛 2015.3.11生 新冠・オリエント牧場生産 馬主・小笹公也氏 栗東・宮徹厩舎

テーオーエナジー(2015.3.11)の4代血統表
カネヒキリ
栗毛 2002.2.26
種付け時活性値:1.00
フジキセキ
青鹿毛 1992.4.15
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ミルレーサー
鹿毛 1983.5.20
Le Fabuleux 1961
Marston’s Mill 1975.5.31
ライフアウトゼア
栗毛 1992.2.1
Deputy Minister
黒鹿毛 1979.5.17
Vice Regent 1967.4.29
Mint Copy 1970.2.24
Silver Valley
栗毛 1979.3.30
Mr. Prospector 1970.1.28
Seven Valleys 1972.4.5
シルキークラフト
栗毛 2004.4.13
仔受胎時活性値:0.50

Crafty Prospector
栗毛 1979.4.7
種付け時活性値:0.00
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
Real Crafty Lady
栗毛 1975.4.2
In Reality 1964.3.1
Princess Roycraft 1967.1.25
オシアナ
鹿毛 1983.4.25
仔受胎時活性値:1.00
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
種付け時活性値:1.25
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
South Ocean
鹿毛 1967.4.8
仔受胎時活性値:1.75
New Providence
鹿毛 1956.5.10
種付け時活性値:0.50
Shining Sun
鹿毛 1962.4.9
仔受胎時活性値:1.00

<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector4×3、Northern Dancer5×3、In Reality5×4、Native Dancer5×5>

テーオーエナジー(2015.3.11)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
カネヒキリ
(Halo系)
★Crafty Prospector
(Mr. Prospector系)
◆Northern Dancer
(Nearctic系)
New Providence
(Teddy系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Northern Dancer
(シルキークラフト)
4.25 伯父ビワシンセイキ
(No. 4-j)
3番仔
(2連産目)

2018年の第19回兵庫チャンピオンシップ(JpnII)。1番人気に推されたテーオーエナジーと岩田康誠騎手、直線で逃げた2番人気のビッグスモーキー(2015.2.24)と浜中俊騎手を捉えると、後は突き放すばかりの5馬身差圧勝でした。テーオーエナジーの鞍上の岩田騎手は、サスガに「元・地元」というところを見せて、兵庫チャンピオンシップの騎手単独首位となる通算4勝目。管理される宮徹調教師は、昨年2017年の第18回を制したタガノディグオ(2014.2.10)に続いて、2年連続の兵庫チャンピオンシップ制覇となりました。また、小笹公也オーナーは重賞初勝利、生産のオリエント牧場は2012年の函館2歳S(GIII)を制したストークアンドレイ(2010.2.22)以来となる重賞勝利でした。それぞれにおめでとうございました。

さて、テーオーエナジーの最優性先祖である祖母父Northern Dancerは、現役時代に14勝を挙げ、その主な勝ち鞍に第90回ケンタッキーダービー(現米GI)、第89回プリークネスS(現米GI)、第13回フロリダダービー(現米GI)、フラミンゴS、ブルーグラスS(現米GII)、レムゼンS(現米GII)、第105回クイーンズプレートがあり、第96回ベルモントS(現米GI)では3着でした。加国の名馬産家エドワード・プランケット・テイラーが送り出した駿馬は、加国産馬として初めてケンタッキーダービーを制した馬となりました。Northern Dancerが制した第90回ケンタッキーダービーの勝ち時計2分フラットは、当時のレースレコードであり、2018年現在でも史上3位の好時計を保持しています。

Northern Dancerのその驚くべき能力は、種牡馬として凄まじいまでに発揮されました。以下、代表産駒と共に示すGレースのレース名および格付けは、いずれも施行当時のものです。

  1. Nijinsky(1967.2.21)
    →英ダービー、英2000ギニー、英セントレジャー、愛ダービー、”キング・ジョージ”、デューハーストSほか。20世紀最後の英国3冠馬にして大種牡馬
  2. Fanfreluche(1967.4.9)
    →アラバマSほか。1970年の加国年度代表馬にして米国最優秀3歳牝馬。更に1978年のソヴリン賞最優秀繁殖牝馬
  3. Alma North(1968.4.6)
    →マッチメイカーS(米GI)ほか
  4. Lyphard(1969.5.10)
    →ジャック・ル・マロワ賞(仏GI)、フォレ賞(仏GI)ほか。ダンシングブレーヴ(1983.5.11)の父にして大種牡馬
  5. ノーザンテースト(1971.3.15)
    →フォレ賞(仏GI)ほか。言わずと知れた日本の大種牡馬
  6. Broadway Dancer(1972.2.16)
    →モルニ賞(仏GI)
  7. Dancers Countess(1972.3.23)
    →マッチメイカーS(米GI)ほか
  8. Northernette(1974.3.4)
    →トップフライトH(米GI)、カナディアンオークスほか。後述のStorm Birdの全姉。テーオーエナジーの大伯母
  9. The Minstrel(1974.3.11)
    →英ダービー(GI)、愛ダービー(GI)、”キング・ジョージ”(英GI)、デューハーストS(GI)ほか。上述のNijinskyの甥
  10. トライマイベスト(1975.4.28)
    →デューハーストS(英GI)ほか。後述のEl Gran Senorの全兄
  11. White Star Line(1975.4.4)
    →ケンタッキーオークス(米GI)、アラバマS(米GI)、デラウェアオークス(米GI)ほか
  12. Northern Baby(1976.4.1)
    →英チャンピオンS(GI)ほか。輸入種牡馬スリルショー(1983.1.27)の父
  13. Storm Bird(1978.4.19)
    →デューハーストS(英GI)ほか。上述のNorthernetteの全弟。テーオーエナジーの大伯父
  14. Dance Number(1979.3.28)
    →ベルデイムS(米GI)ほか
  15. ウッドストリーム(1979.5.14)
    →チェヴァリーパークS(英GI)ほか
  16. Hero’s Honor(1980.4.28)
    →ボーリンググリーンH(米GI)、ユナイテッドネーションズH(米GI)ほか
  17. Lomond(1980.2.3)
    →英2000ギニー(GI)ほか。Seattle Slew(1974.2.15)の半弟
  18. Shareef Dancer(1980.3.3)
    →愛ダービー(GI)ほか。Dubai Millennium(1996.3.20)の母父
  19. Spit Curl(1980.4.9)
    →アラバマS(米GI)
  20. El Gran Senor(1981.4.21)
    →英2000ギニー(GI)、愛ダービー(GI)、デューハーストS(英GI)ほか。上述のトライマイベストの全弟
  21. Northern Trick(1981.4.11)
    →仏オークス(仏GI)、ヴェルメイユ賞(仏GI)ほか
  22. Sadler’s Wells(1981.4.11)
    →愛2000ギニー(GI)、エクリプスS(英GI)、愛チャンピオンS(GI)ほか。言わずと知れた世紀の大種牡馬
  23. セクレト(1981.2.12)
    →英ダービー(GI)ほか。タムロチェリー(1999.4.2)の父
  24. Antheus(1982.3.27)
    →ジョッキークラブ大賞(伊GI)ほか
  25. Northern Aspen(1982.2.26)
    →ゲイムリーH(米GI)ほか。名繁殖牝馬Fall Aspen(1976.3.9)の娘
  26. Tate Gallery(1983.2.25)
    →愛ナショナルS(GI)。Sadler’s Wellsの全弟
  27. Ajdal(1984.4.2)
    →ジュライC(GI)、スプリントチャンピオンシップ(英GI)、デューハーストS(英GI)ほか
  28. Local Talent(1986.5.9)
    →ジャンプラ賞(仏GI)ほか

上記のGI級レースを勝った産駒の他にも名種牡馬、大種牡馬となった馬も多く、Vice Regent、Be My Guest(1974.4.12)、Fabulous Dancer(1976.2.20)、Danzig(1977.2.12)、Nureyev(1977.5.2)、Fairy King(1982.3.4)など、数え上げれば本当にキリがありません。恐るべしは20世紀の巨星、Northern Dancer^^;

#余談。Northern Dancerが生まれた1961年生まれ世代は、洋の東西を問わず、名馬が揃っている世代です。日本ではシンザン(1961.4.2)、露国ではAnilin(1961)、そして米国では名種牡馬となったRaise a Nativeと、後世に名を残す馬たちが見えます。

*

ステイフーリッシュ 牡 鹿毛 2015.2.22生 千歳・社台ファーム生産 馬主・(有)社台レースホース 栗東・矢作芳人厩舎

ステイフーリッシュ(2015.2.22)の4代血統表
ステイゴールド
黒鹿毛 1994.3.24
種付け時活性値:1.00
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ゴールデンサッシュ
栗毛 1988.4.23
デイクタス
栗毛 1967.4.11
Sanctus 1960.2.11
Doronic 1960.3.25
ダイナサツシユ
鹿毛 1979.3.16
ノーザンテースト 1971.3.15
ロイヤルサツシユ 1966
カウアイレーン
黒鹿毛 2006.4.9
仔受胎時活性値:2.00
キングカメハメハ
鹿毛 2001.3.20
種付け時活性値:1.00
Kingmambo
鹿毛 1990.2.19
Mr. Prospector 1970.1.28
Miesque 1984.3.14
マンファス
黒鹿毛 1991.2.23
ラストタイクーン 1983.5.9
Pilot Bird 1983.2.9
シルバーレーン
黒鹿毛 1985.2.10
仔受胎時活性値:1.00
Silver Hawk
鹿毛 1979.4.20
種付け時活性値:1.25
Roberto 1969.3.16
Gris Vitesse 1966.3.2
Strait Lane
黒鹿毛 1974.3.27
仔受胎時活性値:0.50
Chieftain
黒鹿毛 1961.4.9
種付け時活性値:1.00
Level Sands
青毛 1949
仔受胎時活性値:2.00(0.00) 

<5代血統表内のクロス:Hail to Reason4×5>

ステイフーリッシュ(2015.2.22)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ステイゴールド
(Halo系)
キングカメハメハ
(Mr. Prospector系)
Silver Hawk
(Roberto系)
Chieftain
(Bold Ruler系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Silver Hawk
(カウアイレーン)
5.50 or 3.50 伯父ブラックホーク
(No. 5-g)
3番仔
(3連産目)

2018年の第66回京都新聞杯(GII)。前走の第52回共同通信杯(GIII)ではマイナス12kgで438kgだった馬体を、プラス16kgで454kgと戻してきたステイフーリッシュ。メイショウテッコン(2015.4.17)が1000m通過58秒5と速いペースで逃げた中、少し離れた2番手をじっと追走。そして3角から4角の下り坂を利して、直線の入り口では堂々と先頭に立ち、そのまま最後まで押し切りました。サスガは1戦1勝で挑んだ第34回ホープフルS(GI)で0秒2差の3着に入った素質馬というところ。京都芝2200mの勝ち時計2分11秒0も速く、強い競馬を見せて臨むのは、もちろん第85回東京優駿(GI)でしょう。馬の感じからは、本当に良くなるのは古馬になってからかも知れませんが、ステイフーリッシュ。東上最終便で勝ち鬨をあげて、勇躍いざ行かん、競馬の祭典。ステイフーリッシュ、スティーブ・ジョブズの言葉から取られたであろうその馬名意味は「常識に囚われるな。有名なスピーチから。父名より連想」ということです。

また、中谷雄太騎手の落馬負傷があっての乗り替わりだったと思いますけれど、今回テン乗りとなった藤岡佑介騎手は、2018年は重賞で「上手い」と思わされる騎乗も目立ちます。ホントに、ここいらでJRA・GI勝ちを収めて、さらなる飛躍を見せて欲しいものです。

さて、ステイフーリッシュの最優性先祖である祖母父Silver Hawkは現役時代に3勝を挙げ、その主な勝ち鞍にクレイヴンS(英GIII)があり、第117回愛ダービー(GI)ではAssert(1979.4.17)の2着、第203回英ダービー(GI)ではGolden Fleece(1979.4.1)の3着でした。

世の中には酔狂な方がいらして、Silver Hawkが制した1982年のクレイヴンSの動画がありました。多謝。グループレース勝ちはクレイヴンSによるGIII1勝だけだったSilver Hawkですが、その真価は種牡馬になってから大いに発揮されました。以下、代表産駒と共に示すGレースのレース名および格付けは、いずれも施行当時のものです。

  1. Benny the Dip(1994.3.25)
    →英ダービー(GI)、ダンテS(英GII)、ロイヤルロッジS(英GII)ほか。サイレンススズカ(1994.5.1)の叔父
  2. グラスワンダー(1995.2.18)
    →有馬記念(GI)2回、宝塚記念(GI)、朝日杯3歳S(GI)、毎日王冠(GII)、京王杯SC(GII)、京成杯3歳S(GII)ほか。後述のWonder Againの全兄
  3. ムタファーウエク(1996.2.21)
    →英セントレジャー(GI)、コロネーションC(英GI)、加インターナショナルS(GI)、ドイツ賞(GI)、キングエドワード7世S(英GII)ほか
  4. Lady in Silver(1986.4.18)
    →ディアヌ賞(仏GI)ほか
  5. ホークスター(1986.2.19)
    →オークトゥリー招待H(米GI)、セクレタリアトS(米GI)、ノーフォークS(米GI)、デルマーダービー(米GII)ほか
  6. シルヴァーエンディング(1987.4.5)
    →ペガサスH(米GI)、アーカンソーダービー(米GII)、エルカミノレアルダービー(米GIII)ほか。マイネルプラチナム(1996.4.5)の父
  7. Red Bishop(1988.3.31)
    →サンファンカピストラーノH(米GI)、ブリガディアジェラードS(英GIII)ほか
  8. Magnificent Star(1988.3.5)
    →ヨークシャーオークス(英GI)
  9. ズーナクア(1990.4.3)
    →オークリーフS(米GI)、カウンテスファーガーH(米GIII)、ソレントS(米GIII)ほか。トウカイトリック(2002.2.26)の母
  10. Devil River Peek(1992.2.13)
    →ヴィットーリオ・ディ・カープア賞(伊GI)、シュプレティレネン(独GIII)、フランクフルトポカル(独GIII)、ドルトムント経済大賞(GIII)ほか
  11. ホークアタック(1992.5.10)
    →セクレタリアトS(米GI)、アーリントンクラシック(米GII)ほか
  12. Memories of Silver(1993.2.2)
    →ビヴァリーD.S(米GI)、クイーンエリザベス2世チャレンジ(米GI)、ダイアナH(米GII)、ボールストンスパH(米GIII)、ジャストアゲームH(米GIII)、ニジャナS(米GIII)ほか
  13. Wonder Again(1999.2.2)
    →ダイアナ(米GI)、ガーデンシティH(米GI)、ニューヨークH(米GII)、レイクプラシッドH(米GII)、ノーブルダムゼルH(米GIII)ほか。上述のグラスワンダーの全妹
  14. Nashoba’s Key(2003.2.26)
    →サンタマルガリータH(米GI)、ヴァニティH(米GI)、イエローリボンS(米GI)、ミレイディH(米GII)、クレメント・L.ハーシュH(米GII)
  15. Germance(2003.4.15)
    →サンタラリ賞(仏GI)、ノネット賞(仏GIII)、ペネロープ賞(仏GIII)ほか。母ゲイリーティアラ(1996.4.9)は中央1勝
  16. シンコウカリド(1998.5.7)
    →セントライト記念(GII)ほか
  17. ミラクルタイム(1995.3.7)
    →毎日杯(GIII)、京都4歳特別(GIII)
  18. シルヴァコクピット(1997.1.30)
    →きさらぎ賞(GIII)、毎日杯(GIII)ほか

20世紀末はRoberto系の活躍が日本でよくよく見られたこともあり、たくさんの産駒が輸入されています。その中でも、やはりグラスワンダーの活躍ぶりは特筆されるものです。ダービーダンファームの生産馬である彼は、Darby Dan Historyでも、並み居る名馬たちと並んで紹介されています。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。