2018年のクラシック候補生を確認する(其の拾参)

サトノフェイバー 牡 黒鹿毛 2015.4.8生 新ひだか・フジワラフアーム生産 馬主・(株)サトミホースカンパニー 栗東・南井克巳厩舎

サトノフェイバー(2015.4.8)の4代血統表
ゼンノロブロイ
黒鹿毛 2000.3.27
種付け時活性値:1.50
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ローミンレイチェル
鹿毛 1990.4.18
マイニング
栗毛 1984.4.4
Mr. Prospector 1970.1.28
I Pass 1978.4.8
One Smart Lady
鹿毛 1984.5.3
Clever Trick 1976.3.10
Pia’s Lady 1971.4.11
ヴィヴァシャスヴィヴィアン
鹿毛 2005.4.15
仔受胎時活性値:0.25
Distorted Humor
栗毛 1993.3.19
種付け時活性値:0.75
フォーティナイナー
栗毛 1985.5.11
Mr. Prospector 1970.1.28
File 1976.4.30
Danzig’s Beauty
鹿毛 1987.3.7
Danzig 1977.2.12
Sweetest Chant 1978.5.11
Tuzla
鹿毛 1994.3.12
仔受胎時活性値:0.50
Panoramic
黒鹿毛 1987.3.27
種付け時活性値:1.50
Rainbow Quest 1981.5.15
イメンス 1979.3.17
Turkeina
鹿毛 1982.5.23
仔受胎時活性値:0.75
Kautokeino
鹿毛 1967.4.3
種付け時活性値:1.50
Turquoise Bleue
芦毛 1973.2.4
仔受胎時活性値:2.00(0.00)

<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector4×4>

サトノフェイバー(2015.4.8)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ゼンノロブロイ
(Halo系)
Distorted Humor
(Mr. Prospector系)
Panoramic
(Red God系)
Kautokeino
(Tantieme系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ゼンノロブロイ 3.50 or 1.50 祖母が米GI馬
(No. 16-c)
7番仔
(7連産目)

2018年の第58回きさらぎ賞(GIII)。このレース、デビュー勝ちから臨んだ1戦1勝馬はことごとく跳ね返されてきましたが、58回目にして、そのジンクスは打ち破られました。サトノフェイバーと古川吉洋騎手、デビューの京都芝2000mと同様、積極果敢な逃げ先行策でレースを作り、直線では終始番手のグローリーヴェイズ(2015.3.2)とミルコ・デムーロ騎手との一騎討ち。決勝点前、追い比べで外のグローリーヴェイズが勝るかと思われたところで、二の脚三の脚を使った内のサトノフェイバー、決勝点では僅かに「ハナ」だけ凌ぎ切り、新馬と重賞を連勝するというエリートコースに乗りました。

では、以下にサトノフェイバーのごくごく簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。

Tuzla 1994.3.12 12勝 ラモナH(米GI) サンフランシスコBCマイルH(米GII) ダリアH(米GII) ブエナビスタH(米GII) パロマーH(米GIII)ほか
|ヴィヴァシャスヴィヴィアン 2005.4.15 1勝
||サトノフェイバー 2015.4.8 (本馬) きさらぎ賞(GIII)
|Toscanini 2012.5.12 5勝 フィーニクススプリントS(愛GIII)ほか

サトノフェイバーの祖母TuzlaはラモナHを始めとして8Fから9Fの米グレードレース5勝の活躍馬でした。また、ラモナHを制した1999年には第16回ブリーダーズカップ・マイル(GI)にも挑み、勝ったSilic(1995.5.6)からクビ差の2着と奮闘しました。

記事はサラッと書いていますが、フジワラフアーム、(株)サトミホースカンパニー(=里見治オーナー)、南井克巳厩舎、古川吉洋騎手という組み合わせは、応援したくなります。今をときめく里見オーナー、初所有馬にして初勝利を挙げたのは、工藤嘉見厩舎に所属したミラクルサミー(1989.3.16)という馬で、その鞍上には南井克巳騎手(当時)の姿がありました。そしてフジワラフアーム、工藤厩舎、南井騎手(及び厩舎)と来れば、ウイングアロー(1995.3.25)が思い浮かびます。併せて、南井厩舎の主戦騎手の一人と言っても良い古川騎手。次の日曜日、テイエムジンソク(2012.4.21)とのコンビで20年2ヶ月ぶりのGI制覇の期待が掛かりますが、3歳クラシック戦線にも楽しみな馬が現れました。

サトノフェイバー、その馬名意味は「冠名+恵み」。関わる人、皆にとって恵みを与えてくれる馬、サトノフェイバー。自身にも、さらなる恵みがあらんことを。

*

オウケンムーン 牡 鹿毛 2015.3.14生 安平・ノーザンファーム生産 馬主・福井明氏 美浦・国枝栄厩舎

オウケンムーン(2015.3.14)の4代血統表
オウケンブルースリ
栗毛 2005.2.24
種付け時活性値:0.25
ジャングルポケット
鹿毛 1998.5.7
トニービン
鹿毛 1983.4.7
カンパラ 1976.2.19
Severn Bridge 1965
ダンスチャーマー
黒鹿毛 1990.4.18
Nureyev 1977.5.2
Skillful Joy 1979.4.8
シルバージョイ
栗毛 1993.3.26
Silver Deputy
鹿毛 1985.2.25
Deputy Minister 1979.5.17
Silver Valley 1979.3.30
Joy of Myrtlewood
鹿毛 1984.6.7
Northern Jove 1968.2.14
Myrtlewood Lass 1972.3.7
ムーンフェイズ
鹿毛 2001.3.9
仔受胎時活性値:1.25
エリシオ
鹿毛 1993.1.24
種付け時活性値:1.75
Fairy King
鹿毛 1982.3.4
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975.5.4
Helice
鹿毛 1988.4.4
Slewpy 1980.3.28
Hirondelle 1981.5.5
アフターザサン
鹿毛 1988.2.22
仔受胎時活性値:1.00
Storm Bird
鹿毛 1978.4.19
種付け時活性値:0.25
Northern Dancer 1961.5.27
South Ocean 1967.4.8
Encorelle
栗毛 1981.4.15
仔受胎時活性値:1.50
Arctic Tern
栗毛 1973
種付け時活性値:1.75
Esdee
鹿毛 1971
仔受胎時活性値:0.25

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×4×5×5、Special(♀)5×5>

オウケンムーン(2015.3.14)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
オウケンブルースリ
(ゼダーン系)
エリシオ
(Fairy King系)
Storm Bird
(Northern Dancer系)
Arctic Tern
(Native Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
エリシオ
(My Charmer)
4.00 伯父にJRA重賞勝ち馬2頭
(No. 5-g)
6番仔
(不受胎後)

2018年の第52回共同通信杯(GIII)。2014年のイスラボニータ(2011.5.21)、2015年のリアルスティール(2012.3.1)、2016年のディーマジェスティ(2013.3.24)、2017年のスワーヴリチャード(2014.3.10)と近4年の勝ち馬がクラシック連対馬となっている、名馬の登竜門、東京芝1800mの共同通信杯。今年2018年の勝ち馬は、戦前6番人気もなんのその、第69代菊花賞(GI)馬オウケンブルースリの仔であるオウケンムーンでした。冠名「オウケン」が示すように、福井明オーナーは父仔2代の重賞制覇となりました。また、白いシャドーロールを着けたオウケンムーン、そのクビの高い走法は、父オウケンブルースリ、祖父ジャングルポケットを想起させます。ジャングルポケットの名前を出せば、彼が第35回共同通信杯を制したのは17年前。21世紀最初の共同通信杯、馬齢表示の国際基準への変更に伴い、「4歳S」の表記が無くなった最初の回を制したのが、ジャングルポケットでした。

オウケンムーンの父、オウケンブルースリ。現役時代の主な戦績は菊花賞、京都大賞典(GII)、第29回ジャパンカップ(GI)2着、京都大賞典(GII)2着2回、アルゼンチン共和国杯(GII)2着、京都大賞典(GII)3着、神戸新聞杯(GII)3着と、2400m以上のレースでの好成績が目立ちます。オウケンブルースリ、ジャングルポケット産駒初の牡馬クラシック勝ち馬として、父系継承についてファンの期待は高まりましたが、その種付け頭数/生産頭数を見ると、

  1. 初年度(2013年)
    →23頭/13頭
  2. 2年度(2014年)
    →12頭/12頭
  3. 3年度(2015年)
    →9頭/8頭
  4. 4年度(2016年)
    →8頭/6頭
  5. 5年度(2017年)
    →1頭/確認中

オウケンブルースリは現役の期間が長く、種牡馬入りの時期が遅くなったこともありますが、種付け頭数は低調な推移です。けれど、種付け頭数と生産頭数の割合を確認すれば、その受胎率は75%と高く、オウケンブルースリの母系を遡れば、米国屈指の繁殖族とも言える13号族c分枝Myrtlewood(1932)系。もっと身近に言えば、オウケンブルースリの高祖母はGold Digger(1962.5.28)であり、言わずもがなの大種牡馬Mr. Prospectorの母。オウケンブルースリは母方にGold Digger5×4の牝馬クロスも持っています。また、曾祖母Myrtlewood Lassの孫にチーフベアハート(1993.2.1)がおり、同馬はマイネルキッツ(2003.3.18)、マイネルレコルト(2002.5.10)の2頭の平地GI馬のほか多様な産駒を送り込んだ名種牡馬として活躍しました。そんな繁殖力豊かな牝系を持つオウケンブルースリ。百発百中の受胎率を見せた2年度の種付けから、オウケンムーンという楽しみな仔を出したのは、サスガというところです。

改めて「府中はトニービンの血」というところを見せてくれた、オウケンムーン。出世レースを制して、目指すは父仔3代のクラシック勝利。メチャ期待しています。

  

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。