2018年のクラシック候補生を確認する(其の拾伍)

ミスターメロディ 牡 鹿毛 2015.3.29生 米国・Bell Tower Thoroughbreds生産 馬主・グリーンフィールズ(株) 栗東・藤原英昭厩舎

ミスターメロディ(2015.3.29)の4代血統表
Scat Daddy
黒鹿毛 2004.5.11
種付け時活性値:0.50
ヨハネスブルグ
鹿毛 1999.2.23
ヘネシー
栗毛 1993.3.25
Storm Cat 1983.2.27
Island Kitty 1976.2.23
Myth
鹿毛 1993.2.26
▲オジジアン 1983.3.17
Yarn 1987.3.1
Love Style
栗毛 1999.3.22
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
Likeable Style
鹿毛 1990.1.30
Nijinsky 1967.2.21
Personable Lady 1981.2.21
Trusty Lady
鹿毛 1998.4.30
仔受胎時活性値:2.00
Deputy Minister
黒鹿毛 1979.5.17
種付け時活性値:0.50
Vice Regent
栗毛 1967.4.29
Northern Dancer 1961.5.27
Victoria Regina 1958.5.18
Mint Copy
黒鹿毛 1970.2.24
★Bunty’s Flight 1953.4.26
Shakney 1964
Klassy Kim
鹿毛 1991.4.26
仔受胎時活性値:1.50
Silent Screen
栗毛 1967.4.23
種付け時活性値:1.75
Prince John 1953.4.6
Prayer Bell 1954.3.7
クールアライヴァル
芦毛 1986.2.25
仔受胎時活性値:1.00
Relaunch
芦毛 1976.3.16
種付け時活性値:0.25
Irish Arrival
栗毛 1978.3.9
仔受胎時活性値:1.75

<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector3×5、Northern Dancer5×4>

ミスターメロディ(2015.3.29)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Scat Daddy
(Storm Cat系)
Deputy Minister
(Northern Dancer系)
Silent Screen
(Princequillo系)
Relaunch
(Intent系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Silent Screen
(Not Afraid)
6.25 大叔父クーリンガー
(No. 8-k)
9番仔+
(2連産目+)

2018年の第32回ファルコンS(GIII)。ここまでの4戦すべてダート戦だったミスターメロディ、芝初挑戦となった重賞の舞台でも見事な走りを見せ、中京芝1400mの開催となって以降2番目に速い1分22秒1でアサクサゲンキ(2015.4.17)以下を振り切りました。ミスターメロディやアジアエクスプレス(2011.2.9)、ひとつ前のテトラドラクマ(2015.2.16)の記事で名前を出したシーキングザダイヤ(2001.3.1)に見られる「芝ダート兼用」は、日本で走るStorm Cat系のお家芸なのかも知れませんね。

さて、ミスターメロディの最優性先祖である祖母父Silent Screenは、現役時代に7勝を挙げ、その主な勝ち鞍にアーリントンワシントンフューチュリティ、シャンペンS(現米GI)、カウディンS、バハマズS、サラナクH(現サラナクS、米GIII)があり、1969年の米国最優秀2歳牡馬に選出されました。余談となりますが、2018年現在の活躍馬の祖母父に1960年代生まれの馬の名前を見ることは、なかなか稀なように思います。ミスターメロディの配合面の特徴でもありますね。

閑話休題。Silent Screenの代表産駒を、以下に示しておきます。代表産駒と共に示すGレースのレース名および格付けは、いずれも施行当時のものです。

  1. Taisez Vous(1974.3.8)
    →サンタマルガリータH(米GI)、ラカナダS(米GI)、ミレイディH(米GII)ほか米GIII4勝
  2. Romantic Lead(1973.5.11)
    →マリブS(米GII)ほか
  3. Screen King(1976.1.31)
    →オマハゴールドC(GII)、スウィフトS(米GIII)ほか
  4. Hush Dear(1978.3.6)
    →ロングアイランドH(米GII)2回、ダイアナH(米GII)2回、ダイダルH(米GII)ほか
  5. Silent Review(1980.2.29)
    →シェリダンS(米GII)
  6. Klassy Kim(1991.4.26)
    →エルエンシノS(米GII)、モンロヴィアH(米GIII)ほか。上述のとおり、ミスターメロディの祖母
  7. Slip Screen(1972.5.4)
    →ロングアイランドH(米GIII)ほか
  8. Leader of the Band(1972.4.27)
    →ボードウォークS(米GIII)
  9. Nostalgia(1974.3.10)
    →リッグズH(米GIII)、ホーソーンジュヴェナイルS(米GIII)ほか
  10. Dusty Screen(1988.3.30)
    →サルヴェイターマイルH(米GIII)、ナショナルジョッキークラブH(米GIII)、アップルトンH(米GIII)ほか
  11. Hey Baba Lulu(1988.2.23)
    →レアトリートH(米GIII)ほか

代表産駒筆頭のTaisez Vousは米グレードレース7勝の名牝。その馬名は仏語であり、Thoroughbred Horse Pedigree QueryTaisez Vousのページでは、「means “be quiet.”」と解説されています。

*

カンタービレ 牝 鹿毛 2015.3.6生 浦河・三嶋牧場生産 馬主・石川達絵氏 栗東・角居勝彦厩舎

カンタービレ(2015.3.6)の4代血統表
ディープインパクト
鹿毛 2002.3.25
種付け時活性値:1.00
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
Alzao
鹿毛 1980.2.28
Lyphard 1969.5.10
Lady Rebecca 1971.2.28
Burghclere
鹿毛 1977.4.26
Busted 1963
Highclere 1971.4.9
シャンロッサ
鹿毛 2006.4.13
仔受胎時活性値:2.00
Galileo
鹿毛 1998.3.30
種付け時活性値:1.75
★Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975.5.4
Urban Sea
栗毛 1989.2.18
Miswaki 1978.2.22
Allegretta 1978.3.10
Palacoona
黒鹿毛 1994.3.4
仔受胎時活性値:0.75
ラストタイクーン
黒鹿毛 1983.5.9
種付け時活性値:0.50
トライマイベスト 1975.4.28
Mill Princess 1977.5.21
Palavera
鹿毛 1987.4.16
仔受胎時活性値:1.50
★Bikala
鹿毛 1978.3.12
種付け時活性値:0.00
ポーリスタナ
栃栗毛 1980.5.21
仔受胎時活性値:1.50

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×4×5>

カンタービレ(2015.3.6)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ディープインパクト
(Halo系)
Galileo
(Sadler’s Wells系)
ラストタイクーン
(Northern Dancer系)
★Bikala
(ゼダーン系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Galileo
(Urban Sea)
5.75 伯父が米GIII勝ち馬
(No. 4-r)
5番仔+
(3連産目+)

2018年のフラワーC(GIII)。阪神のマイルの新馬戦と京都のマイルの未勝利戦を連続2着した後、京都芝1800mの未勝利戦を制して挑んだ中山芝1800mの重賞。2番人気に推されたカンタービレ、初めての関東遠征もなんのその、折り合いを欠いてしまった1番人気のロックディスタウン(2015.2.15)が馬群に沈むのを尻目に、差し迫った3番人気のトーセンブレス(2015.3.5)に「クビ」だけ先んじて、重賞初制覇を遂げました。カンタービレの馬名意味は「歌うように(音楽用語)」ということですが、「Cantabile」は伊語であり、かつてのドゥラメンテ(2012.3.22)に続いて、伊国出身のミルコ・デムーロ騎手にピッタリなお相手ですね。

では、以下にカンタービレの簡単な近親牝系図を示しておきます。

ポーリスタナ 1980.5.21 0勝
|Palavera 1987.4.16 2勝
||Palafairia 1992.2.23 3勝 サンドリンガム賞(仏GIII)3着
||Palacoona 1994.3.4 3勝 ヴァントー賞(仏GIII)3着
|||Diamond Tycoon 2004.3.23 4勝 フェアグラウンズH(米GIII)
|||シャンロッサ 2006.4.13 1勝
||||カンタービレ 2015.3.6 (本馬) フラワーC(GIII)
||Pax Bella 1997.2.25 0勝
|||Kendargent 2003.3.5 2勝 ポールドムサック賞(仏GIII)2着
|Polytain 1989.4.22 3勝 ジョッケクルブ賞(仏GI)ほか

仏米でGレース好戦馬を輩出する4号族r分枝系。カンタービレの近親における最高の活躍馬は、高祖母ポーリスタナの直仔Polytain。同馬はランフランコ・デットーリ騎手にジョッケクルブ賞初勝利をプレゼントしました。Polytainは、カンタービレの曾祖母Palaveraの全弟でもあります。

*

アイトーン 牡 鹿毛 2015.3.30生 新冠・(有)新冠タガノファーム生産 馬主・深見富朗氏 栗東・五十嵐忠男厩舎

アイトーン(2015.3.30)の4代血統表
キングズベスト
鹿毛 1997.1.24
種付け時活性値:0.25
Kingmambo
鹿毛 1990.2.19
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
Miesque
鹿毛 1984.3.14
Nureyev 1977.5.2
Pasadoble 1979.4.1
Allegretta
栗毛 1978.3.10
▲Lombard
栗毛 1967
Agio 1955
Promised Lady 1961
Anatevka
栗毛 1969
▲Espresso 1958
Almyra 1962
スペシャルディナー
鹿毛 2005.4.30
仔受胎時活性値:0.25
スペシャルウィーク
黒鹿毛 1995.5.2
種付け時活性値:0.25
★サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
キャンペンガール
鹿毛 1987.4.19
マルゼンスキー 1974.5.19
レデイーシラオキ 1978.4.3
ソフトパイン
黒鹿毛 1993.3.17
仔受胎時活性値:0.75
Woodman
栗毛 1983.2.17
種付け時活性値:0.25
Mr. Prospector 1970.1.28
プレイメイト 1975.4.12
Ladyago
鹿毛 1987.5.21
仔受胎時活性値:1.25
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
種付け時活性値:0.25
Queen of Song
黒鹿毛 1979.4.1
仔受胎時活性値:1.75

<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector3×4、Northern Dancer5×4>

アイトーン(2015.3.30)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
キングズベスト
(Mr. Prospector系)
スペシャルウィーク
(Halo系)
Woodman
(Mr. Prospector系)
◆Northern Dancer
(Nearctic系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
キングズベスト 4.00 半兄がオープン特別勝ち馬
(No. 5-j)
6番仔
(6連産目)

2018年の若葉S(OP)。2017年末の第34回ホープフルS(GI)を制したタイムフライヤー(2015.2.1)が単勝1.2倍の圧倒的1番人気に推されたものの、後方2番手からの追い込み不発で5着まで。第78回皐月賞(GI)への優先出走権を勝ち取ったのは、アイトーンと国分恭介騎手。このコンビで京都芝1800mの未勝利戦、京都芝2000mの福寿草特別、そして阪神芝2000mの若葉Sと、逃走した時は3戦3勝。逃げるとしぶとい馬人。国分騎手にとっても、デビュー時に所属した五十嵐忠男厩舎の馬によるクラシック挑戦は感慨深いものがあるでしょう。

さて、アイトーンの最優性先祖である父キングズベストは、現役時代に3勝を挙げ、その主な勝ち鞍に第192回英2000ギニー(GI)があります。その第192回英2000ギニーでは、「鉄の馬」Giant’s Causeway(1997.2.14)に3と2分の1馬身差の快勝でした。

半姉に第72回凱旋門賞(仏GI)馬のUrban Sea(1989.2.18)を持つ血統背景から、種牡馬としても大いに期待されたキングズベスト。以下、代表産駒と共に示すGレースのレース名および格付けは、いずれも施行当時のものです。

  1. ワークフォース(2007.3.14)
    →英ダービー(GI)、凱旋門賞、ブリガディアジェラードS(英GIII)ほか
  2. エイシンフラッシュ(2007.3.27)
    →東京優駿(GI)、天皇賞・秋(GI)、毎日王冠(GII)、京成杯(GIII)ほか
  3. Proclamation(2002.5.1)
    →サセックスS(英GI)、ジャージーS(英GIII)ほか
  4. Dubai Surprise(2002.3.21)
    →リディアテシオ賞(伊GI)、プレスティージS(英GIII)ほか
  5. Creachadoir(2004.2.8)
    →ロッキンジS(英GI)、ジョーエルS(英GIII)、レパーズタウン2000ギニートライアル(愛GIII)、テトラークS(愛GIII)ほか
  6. King’s Apostle(2004.2.6)
    →モーリス・ド・ゲスト賞(仏GI)、ダイアデムS(英GII)ほか
  7. Royal Diamond(2006.2.9)
    →愛セントレジャー(GI)、ブリティッシュ・チャンピオンズ・ロングディスタンスC(英GIII)、バリーカレンS(愛GIII)ほか。三浦皇成騎手の英国初勝利時のお相手でもあります
  8. Sajjhaa(2007.2.23)
    →ドバイデューティーフリー(UAE・GI)、ジェベルハッタ(UAE・GI)、ケープヴェルディS(UAE・GII)、バランシーン(UAE・GII)、セルジオクマニ賞(伊GIII)ほか
  9. Oiseau Rare(2002.5.12)
    →ロワイヤリュー賞(仏GII)、ミネルヴ賞(仏GIII)
  10. Notability(2002.5.20)
    →エッティンゲンレネン(独GII)ほか
  11. Ming Dynasty(2012.5.17)
    →コンセイユドパリ賞(仏GII)
  12. Best Alibi(2003.2.25)
    →ヨークS(英GII)ほか
  13. Spice Route(2004.1.25)
    →エルクホーンS(米GII)、シングスピールS(加GIII)、トロピカルターフH(米GIII)ほか
  14. Calming Influence(2005.3.21)
    →ゴドルフィンマイル(UAE・GII)ほか
  15. Kesampour(2009.2.15)
    →グレフュール賞(仏GII)ほか
  16. コスモメドウ(2007.5.14)
    →ダイヤモンドS(GIII)ほか

キングズベスト、その血筋の良さに違わぬ種牡馬成績。特に2007年生まれ世代はワークフォース、エイシンフラッシュの英日ダービー馬、ドバイデューティーフリーとジェベルハッタを制したSajjhaaと、デュアルGI勝ち馬3頭を送り出した当たり年でした。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。