2017年08月一覧

カルティエ賞年度代表馬を辿る(其の捌)-ドリームウェル(1995.1.31)-

ドリームウェル 牡 鹿毛 1995.1.31生 仏国・Flaxman Holdings Ltd. 生産 馬主・Niarchos family 仏国・Pascal Bary厩舎

ドリームウェル(1995.1.31)の4代血統表
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
種付け時活性値:1.25
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic
黒鹿毛 1954.2.11
Nearco 1935.1.24
Lady Angela 1944
Natalma
鹿毛 1957.3.26
Native Dancer 1950.3.27
Almahmoud 1947.5.18
Fairy Bridge
鹿毛 1975.5.4
Bold Reason
鹿毛 1968.4.8
Hail to Reason 1958.4.18
Lalun 1952
Special
鹿毛 1969.3.28
Forli 1963.8.10
Thong 1964.4.23
Soul Dream
鹿毛 1990.6.10
仔受胎時活性値:1.00
Alleged
鹿毛 1974.5.4
種付け時活性値:1.75
Hoist the Flag
鹿毛 1968.3.31
Tom Rolfe 1962.4.14
Wavy Navy 1954.3.9
Princess Pout
鹿毛 1966.3.29
Prince John 1953.4.6
Determined Lady 1959.5.10
Normia
芦毛 1981.5.10
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
Northfields
栗毛 1968.3.6
種付け時活性値:1.00
Northern Dancer 1961.5.27
Little Hut 1952
Mia Pola
芦毛 1966.4.25
仔受胎時活性値:1.50
Relko
鹿毛 1960
種付け時活性値:1.25
Polamia
芦毛 1955.3.13
仔受胎時活性値:0.50

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer2×4、Mahmoud5×5>

ドリームウェル(1995.1.31)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Sadler’s Wells
(Northern Dancer系)
Alleged
(Ribot系)
Northfields
(Northern Dancer系)
Relko
(Teddy系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Alleged 5.00 or 3.00 半弟Sulamani
(No. 16-c)
初仔?

*

第158回ジョッケクルブ賞(仏GI。シャンティイ芝2400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 ドリームウェル 牡3 58 C Asmussen 2:29.30 P Bary 6
2 クロコルージュ 牡3 58 S Guillot クビ P Bary 2
3 Sestino 牡3 58 Olivier Doleuze 3 Mme C Head-Maarek 7
4 Saratoga Springs 牡3 58 Mick Kinane 1 1/2 A P O’Brien 1
5 Prolix 牡3 58 Darryll Holland 1/2 B W Hills 9

1998年の第158回ジョッケクルブ賞。前走フォルス賞(仏GIII)で初勝利を挙げて臨んだやって来た、ドリームウェル。3頭出しだったパスカル・バリー厩舎、戦前の期待はグレフュール賞(仏GII)、リュパン賞(当時仏GI)を連勝して来たクロコルージュ(1995.2.24)のほうが高かったものの、ドリームウェル、レースで逆転を見せました。

*

第133回愛ダービー(GI。カラ芝12F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 5 ドリームウェル 牡3 57.2 C Asmussen 2:44.30 P Bary 1
2 10 City Honours 牡3 57.2 Frankie Dettori 4 1/2 Saeed bin Suroor 2
3 6 Desert Fox 牡3 57.2 Kevin Manning 1 A P O’Brien 9
4 3 Campo Catino 牡3 57.2 C Roche 1/2 Charles O’Brien 5
5 8 Takarian 牡3 57.2 Johnny Murtagh クビ John M Oxx 8

1998年の第133回愛ダービー。前走のジョッケクルブ賞勝ちで評価を高めたドリームウェル、1番人気で挑んだこの一戦、2着のCity Honours(1995.4.23)に4と2分の1馬身差を着けての圧勝でした

*

ドリームウェル。Assert(1979.4.17)、Old Vic(1986.4.27)に続いて、史上3頭目となるジョッケクルブ賞、愛ダービーの連勝を以て、1998年のカルティエ賞年度代表馬に選出。結果、1996年のエリシオ(1993.1.24)、1997年のパントレセレブル(1994.3.17)、そして1998年のドリームウェルと、3年連続で仏国調教の3歳牡馬がカルティエ賞年度代表馬となりました。

引退後は日本でも種牡馬供用されたドリームウェル。Sadler’s Wells系の難しさが出たのか、重賞勝ちを収めた産駒はアドマイヤモナーク(2001.2.27)1頭だけでしたが、アドマイヤモナークがダイワスカーレット(2004.5.13)の2着に突っ込んだ2008年の第53回有馬記念(GI)は、14頭立て14番人気での激走でした。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

<参考WEB>

  • Dream Well
    →2009年3月23日を最後に更新が止まっていますが、Dream WellのBlog。「Admire Monarch」で検索すると記事がチラホラ見付かります。

中島国治氏関連馬(其の捌)-カミノスミレ(1978.4.30)-

カミノスミレ 牝 鹿毛 1978.4.30生~2008没 青森・タケミファーム生産 馬主・保手浜弘規氏 美浦・中村広厩舎

カミノスミレ(1978.4.30)の4代血統表

インデイアナ
鹿毛 1961
種付け時活性値:0.00

Sayajirao
黒鹿毛 1944
Nearco
黒鹿毛 1935.1.24
Pharos 1920.4.4
Nogara 1928
Rosy Legend
黒鹿毛 1931 ♀
★Dark Legend 1914
Rosy Cheeks 1919
Willow Ann
栗毛 1942
Solario
鹿毛 1922
Gainsborough 1915.1.24
Sun Worship 1912
Court of Appeal
芦毛 1931
Apelle 1923
Brown Princess 1925
カミノコトブキ
鹿毛 1970.3.8
仔受胎時活性値:1.75
フエリオール
黒鹿毛 1951.3.2
種付け時活性値:0.50
▲Fastnet
鹿毛 1933
Pharos 1920.4.4
Tatoule 1925
Aisse
鹿毛 1939
★Thor 1930
Asturie 1932
マントン
栗毛 1954
仔受胎時活性値:1.75
Dante
黒鹿毛 1942
種付け時活性値:0.75
Nearco 1935.1.24
Rosy Legend 1931 ♀
Pin Stripe
栗毛 1947
仔受胎時活性値:1.50
★Hyperion
栗毛 1930.4.18
種付け時活性値:0.00
Herringbone
鹿毛 1940
仔受胎時活性値:1.50

<5代血統表内のクロス:Nearco3×4、Rosy Legend(♀)3×4、Pharos4×4・5、Gainsborough4×5>

カミノスミレ(1978.4.30)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
★インデイアナ
(Nearco系)
フエリオール
(Pharos系)
Dante
(Nearco系)
Hyperion
(Gainsborough系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Dante 6.50 半姉カミノローラが現GIII2着
(No. 8-c)
3番仔
(3連産目)

*

[カミノスミレの主な戦績]

  1. 目黒記念・春(現GII)
  2. 天皇賞・秋(現GI)、ダイヤモンドS(GIII)
  3. 目黒記念・秋(現GII)、ステイヤーズS(現GII)

通算32戦5勝、2着2回、3着3回。

*

故・中島国治氏の配合馬の中では、その近親交配に目が行くカミノスミレ。長くなりますが、原典から引用しておきます。

私がこの0の法則に基づいて生産した超近親配合馬にカミノスミレ(1978)がいる。

母親のカミノコトブキ(1970)、その父フェリオール(1951)はファロス系のファスネー(Fastnet)の仔である。祖母のマントン(1954)、その父ダンテ(Dante、1942)、その父がネアルコで母がロージーレジェンド(Rosy Legend)である。ネアルコの父がファロスだから、この配合自体が近親交配にあたる。

私がカミノコトブキの満7歳の種付けに選んだ相手はインディアナ(タケホープの父、1961)であった。インディアナの父がサヤジラオ(1944)、その母がロージーレジェンド、サヤジラオの父がネアルコ(1935)だから、つまり父方の祖父と母方の曾祖父が全兄弟ということになる。つまり、カミノコトブキとインディアナの組み合わせは、ネアルコとロージーレジェンド両者を3×4で持ち、母方にファロスを4×4で持つ超近親交配ということになる。

しかしながらインディアナはそのとき満16歳で活性値が0であり、その父サヤジラオが満16歳で種付けた仔どもで0、さらにネアルコの種付けも満8歳でここも0と切れている。従って、父のすべての先祖が0であるからには弊害は生まれず、資質を固定するためには絶好の機会と判断した。

-KKベストセラーズ、中島国治著「血とコンプレックス」、P312~P313より引用-

私は、こういう極端な近親交配は、牡馬よりも牝馬のほうが耐性があるように感じています。牡牝の産み分けについては、私が知る限り、中島氏の生前、誌面による言及は無かったのですが、牝馬の生産を狙われていたのではないでしょうか。

なお、全兄弟クロスとなったDanteとSayajiraoですが、兄Danteは第166回英ダービー(現GI)、ミドルパークS(現英GI)、コヴェントリーS(現英GII)の勝ち馬、弟Sayajiraoは第171回英セントレジャー(現英GI)、第82回愛ダービー(現GI)、ハードウィックS(現英GII)の勝ち馬と、共に英国のクラシックホースになった超一流の兄弟でした。また両馬の半兄ハロウエー(1940)は種牡馬として日本に輸入され、満16歳時の0交配でスターロツチ(1957.4.16)、満24歳時の0交配でタニノハローモア(1965.4.23)と、クラシックホースを送り込んだ名種牡馬となりました。

*

閑話休題。カミノスミレは長距離得意の牝馬として名を馳せ、府中芝2500mの目黒記念・春を制し、最後の府中芝3200mの開催となった1983年の第88回天皇賞・秋でも12頭立てのブービー人気を跳ね返してキョウエイプロミス(1977.4.14)の2着に差し込みました。

【競馬】天皇賞(秋) キョウエイプロミス 【youtube転載】3200mで行なわれた最後の天皇賞(秋)■1着キョウエイプロミス(柴田政人)■2着カミノス...
第88回天皇賞・秋(現GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 馬体重 調教師
1 2 キョウエイプロミス 牡6 58 柴田政人 3:22.7    482 高松邦男 2
2 11 カミノスミレ 牝5 56 加賀武見 3:23.1 1.1/2 444 中村広 11
3 5 アンバーシャダイ 牡6 58 加藤和宏 3:23.3 1.1/4 474 二本柳俊夫 3
4 7 モンテファスト 牡5 58 吉永正人 3:23.3 アタマ 544 松山吉三郎 6
5 9 リーゼングロス 牝4 56 菅原泰夫 3:23.4 1/2 488 新関力 7

末広がりの八が2つ揃った、第88回天皇賞・秋。キョウエイプロミスの鞍上だった柴田政人騎手にとっても、通算800勝の区切りの勝利。カミノスミレは8枠発進からの末脚発揮でした。なお、現在は府中芝3200mの施行条件自体が廃されていますけれど、オールドファンは残念に思われているのではないかと、よく思います。

また、この天皇賞・秋でカミノスミレの鞍上を務められたのは、↑の通り、「闘将」加賀武見騎手(当時)。カミノスミレの故郷であるタケミファームは、実は加賀武見騎手と「鉄人」佐々木竹見騎手(当時)の、名に「タケミ」を持つお2人が共同所有されていた牧場だったそうです

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。


第148回トラヴァーズS(米GI)の勝ち馬

West Coast 牡 鹿毛 2014.5.14生 米国・CFP Thoroughbreds LLC生産 馬主・West, Gary and Mary 米国・Bob Baffert厩舎

West Coast(2014.5.14)の4代血統表
Flatter
鹿毛 1999.3.6
種付け時活性値:1.50
A.P. Indy
黒鹿毛 1989.3.31
Seattle Slew
黒鹿毛 1974.2.15
Bold Reasoning 1968.4.29
My Charmer 1969.3.25
Weekend Surprise
鹿毛 1980.4.8
▲Secretariat 1970.3.30
Lassie Dear 1974.5.2
Praise
鹿毛 1994.3.18
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
Wild Applause
鹿毛 1981.5.4
Northern Dancer 1961.5.27
Glowing Tribute 1973.3.15
Caressing
黒鹿毛 1998.4.18
仔受胎時活性値:1.75
Honour and Glory
鹿毛 1993.3.24
種付け時活性値:1.00
★Relaunch
芦毛 1976.3.16
In Reality 1964.3.1
Foggy Note 1965.3.20
Fair to All
鹿毛 1986.3.24
Al Nasr 1978.2.11
Gonfalon 1975.5.9
Lovin Touch
栗毛 1980.4.4
仔受胎時活性値:0.25
Majestic Prince
栗毛 1966.3.19
種付け時活性値:1.25
Raise a Native 1961.4.18
Gay Hostess 1957.4.9
Forest Princess
芦毛 1973.2.28
仔受胎時活性値:1.50
Fleet Nasrullah
鹿毛 1955.5.8
種付け時活性値:0.25
Queen Hostess
芦毛 1962.6.1
仔受胎時活性値:0.50

<5代血統表内のクロス:Raise a Native4×4>

West Coast(2014.5.14)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Flatter
(Seattle Slew系)
Honour and Glory
(In Reality系)
Majestic Prince
(Raise a Native系)
Fleet Nasrullah
(Nasrullah系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Flatter 4.00 母が米GI馬
(No. 9-f)
8番仔?
(前年産駒なし後の仔?)

*

第148回トラヴァーズS(米GI。サラトガ・ダート10F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 3 West Coast 牡3 57.2 Mike E Smith 2:01.19 Bob Baffert 4
2 11 Gunnevera 牡3 57.2 Edgard J Zayas 3 1/4 Antonio Sano 9
3 10 Irap 牡3 57.2 Mario Gutierrez 2 1/4 Doug O’Neill 2
4 4 Tapwrit 牡3 57.2 Jose L Ortiz 2 1/2 Todd Pletcher 3
5 5 Good Samaritan 牡3 57.2 Joel Rosario 1 William Mott 1

2017年の第148回トラヴァーズS。「ミッドサマーダービー」を制したのは、昨年2016年の147回の勝ち馬Arrogate(2013.4.11)に続いて、ボブ・バファート調教師&マイク・スミス騎手のコンビで臨んだWest Coast。

今回のトラヴァーズSは、第143回ケンタッキーダービー(米GI)の勝ち馬Always Dreaming(2014.2.25)第142回プリークネスS(米GI)の勝ち馬Cloud Computing(2014.4.29)第149回ベルモントS(米GI)の勝ち馬Tapwrit(2014.3.28)と、米国牡馬3冠レースの勝ち馬が一堂に会するという豪華な一戦でした。トラヴァーズSに米国牡馬3冠レースの別々の勝ち馬が揃って出走するのは、1982年の第113回以来35年振りだったそうな。1982年の米国牡馬3冠レースの勝ち馬は、Gato del Sol(1979.2.23)、Aloma’s Ruler(1979.4.21)、Conquistador Cielo(1979.3.20)の3頭でしたが、トラヴァーズSを制したのは別路線からやって来たRunaway Groom(1979.4.11)でした。

そんな35年前を踏襲した訳ではありませんが、今年2017年の勝ち馬West Coastも、前走ロスアラミトスダービー(米GIII)を制してやって来た、別路線からの挑戦者でした。逃げの手に出たWest Coast、最後まで先頭を譲ること無く、決勝点では2着のファウンテンオブユースS(米GII)勝ち馬Gunnevera(2014.2.28)に3と4分の1馬身差を着けていました。West Coast、着差やタイムに差はあれど、逃げて先頭を譲らなかったのは、厩舎の先輩であるArrogateのトラヴァーズSと同様でした。

*

West Coastの最優性先祖である父Flatterは現役時代に4勝を挙げ、その主な成績はワシントンパークH(当時米GII)3着が目立つ程度のマイナー競走馬でした。そんなFlatterは、父A.P. Indy、牝系はLa Troienne(1926)系で曾祖母Glowing Tributeの仔に第119代ケンタッキーダービーにして第124代トラヴァーズS勝ち馬Sea Hero(1990.3.4)がいるところが評価されたのか、故郷のクレイボーンファームで種牡馬入りしました。種牡馬となった後は堅調に仕事を果たし、

  1. Flat Out(2006.3.21)
    →ジョッキークラブ金杯(米GI)2回、シガーマイルH(米GI)ほか
  2. Taris(2011.5.5)
    →ヒューマナディスタフS(米GI)ほか
  3. Paola Queen(2013.3.13)
    →テストS(米GI)ほか
  4. West Coast
    →本稿の紹介馬

のほか、多くのステークス勝ち馬を送り込んでいます。2017年の種付け料は35,000ドルということですから、優良種牡馬の一角ですね。

では、以下にWest Coastの本当にごくごく簡単な近親牝系図を示しておきます。

Caressing 1998.4.18 5勝 ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ(米GI)ほか米GIII2勝
|マイグッドネス 2005.4.20 1勝
||ダノンレジェンド 2010.2.24 14勝 JBCスプリント(JpnI) 東京盃(JpnII) カペラS(GIII) クラスターC(JpnIII)2回 北海道スプリントC(JpnIII) 黒船賞(JpnIII)2回 東京スプリント(JpnIII)ほか
|West Coast 2014.5.14 (本馬) トラヴァーズS ロスアラミトスダービーほか

母Caressingがブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズの勝ち馬で、年上の甥にダノンレジェンドがいます。ダノンレジェンドは今年2017年からイーストスタッドで種牡馬供用されており、Himyar(1875)系の異系種牡馬として期待が掛かります。

*

同期のクラシックホース3頭を打ち負かしたWest Coast。厩舎の先輩Arrogateは、トラヴァーズSを飛躍のステップとしました。West Coastも同じように続くことができるでしょうか。楽しみにしたい新星です。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。


年度代表馬の同期生を辿る(其の弐拾肆)-クロフネ(1998.3.31)-

クロフネ 牡 芦毛 1998.3.31生 米国・Nicholas M. Lotz生産 馬主・金子真人氏 栗東・松田国英厩舎

クロフネ(1998.3.31)の4代血統表
フレンチデピュティ
栗毛 1992.1.30
種付け時活性値:1.25
Deputy Minister
黒鹿毛 1979.5.17
Vice Regent
栗毛 1967.4.29
Northern Dancer 1961.5.27
Victoria Regina 1958.5.18
Mint Copy
黒鹿毛 1970.2.24
★Bunty’s Flight 1953.4.26
Shakney 1964
Mitterand
鹿毛 1981.2.19
Hold Your Peace
鹿毛 1969.1.24
Speak John 1958.2.7
Blue Moon 1948
Laredo Lass
黒鹿毛 1971.3.19
★Bold Ruler 1954.4.6
Fortunate Isle 1959.4.24
ブルーアヴェニュー
芦毛 1990.2.15
仔受胎時活性値:1.75
Classic Go Go
鹿毛 1978.2.11
種付け時活性値:0.75
Pago Pago
鹿毛 1960
★Matrice 1951
Pompilia 1951
Classic Perfection
黒鹿毛 1972.4.22
Never Bend 1960.3.15
Mira Femme 1964.2.16
Eliza Blue
芦毛 1983.4.11
仔受胎時活性値:1.50
Icecapade
芦毛 1969.4.4
種付け時活性値:1.25
Nearctic 1954.2.11
Shenanigans 1963.3.17
コレラ
黒鹿毛 1978.2.18
仔受胎時活性値:1.00
★Roberto
鹿毛 1969.3.16
種付け時活性値:0.00
Catania
芦毛 1958
仔受胎時活性値:0.625

<5代血統表内のクロス:Nearctic5×4、Nasrullah5×5>

クロフネ(1998.3.31)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
フレンチデピュティ
(Deputy Minister系)
Classic Go Go
(Fairway系)
Icecapade
(Nearctic系)
★Roberto
(Hail to Reason系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
フレンチデピュティ 4.875 伯母が米GI2勝馬
(No. 2-r)
3番仔
(流産後)

*

第48回毎日杯(GIII)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 2 クロフネ 牡3 55 四位洋文 1:58.6    34.5 510
[-4]
松田国英 1
2 1 コイントス 牡3 55 藤田伸二 1:59.5 5 35.2 516
[-8]
藤沢和雄 3
3 9 ダイタクバートラム 牡3 55 河内洋 2:00.4 5 35.7 492
[0]
橋口弘次郎 4
4 10 ルゼル 牡3 55 後藤浩輝 2:00.5 3/4 36.2 476
[-10]
田村康仁 2
5 6 ロイヤルキャンサー 牡3 55 武幸四郎 2:00.6 3/4 36.8 444
[-2]
森秀行 5

2001年の第48回毎日杯。クロフネがエンジンの違いを見せ付けた、阪神芝2000m1分58秒6の快時計勝ち。今でも3歳春に1分58秒台が出ると「速い!!」と思いますが、2001年当時はより一層でした。

*

第6回NHKマイルカップ(GI)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 4 クロフネ 牡3 57 武豊 1:33.0    34.3 506
[-4]
松田国英 1
2 14 グラスエイコウオー 牡3 57 村田一誠 1:33.1 1/2 35.3 468
[0]
尾形充弘 13
3 8 サマーキャンドル 牝3 55 田中勝春 1:33.6 3 35.6 470
[-2]
高橋祥泰 12
4 12 ネイティヴハート 牡3 57 柴田善臣 1:33.6 クビ 34.9 462
[-6]
千葉博 2
5 17 メジロキルデア 牡3 57 吉田豊 1:33.9 2 34.6 520
[+2]
大久保洋吉 10

2001年の第6回NHKマイルカップ。終わってみれば、フレンチデピュティ産駒のワンツーフィニッシュ。今に続くフレンチデピュティの血の、東京芝1600m適正を最初に知らされたレースでした。最後にキッチリ差し切って勝利を収めたクロフネ、単勝1.2倍の圧倒的1番人気に応えたこのレースが、松田国英調教師にとっても、初めてのGI勝利となりました。

*

第6回武蔵野S(GIII)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 15 クロフネ 牡3 57 武豊 1:33.3 レコード 35.6 520
[0]
松田国英 1
2 16 イーグルカフェ 牡4 59 田中勝春 1:34.7 9 35.9 464
[+4]
小島太 5
3 1 シンコウスプレンダ 牡7 57 横山典弘 1:34.9 1.1/2 36.3 504
[0]
古賀史生 6
4 8 エンゲルグレーセ 牡4 57 柴田善臣 1:35.0 クビ 36.9 474
[-18]
新関力 2
5 5 リージェントブラフ 牡5 58 吉田豊 1:35.2 1.1/4 36.2 514
[-8]
大久保洋吉 9

2001年の第6回武蔵野S。ひとつの決断が他馬にとっての「分水嶺」となることもあります。マルチプルな活躍を見せたアグネスデジタル(1997.5.15)の第124回天皇賞・秋(GI)出走に伴い、武蔵野Sに回ることになったクロフネ。走ってみれば、東京ダート1600mを「1分33秒3」という芝並みの時計で9馬身差の大圧勝。1分33秒3は、2017年の今を以て、ダート1600mの日本レコードです。

*

第2回ジャパンカップダート(現チャンピオンズカップ、GI)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 9 クロフネ 牡3 55 武豊 2:05.9 レコード 35.8 520
[0]
松田国英 1
2 8 ウイングアロー 牡6 57 横山典弘 2:07.0 7 35.8 466
[+3]
南井克巳 3
3 1 ミラクルオペラ 牡4 57 幸英明 2:07.1 1/2 35.9 484
[-4]
領家政蔵 4
4 3 ノボトゥルー 牡5 57 O.ペリエ 2:07.2 3/4 36.6 454
[+1]
森秀行 5
5 4 プリエミネンス 牝4 55 蛯名正義 2:07.4 1 36.4 478
[+5]
伊藤圭三 10

2001年の第2回ジャパンカップダート。単勝1.7倍の1番人気に応えて、クロフネ。防衛王者のウイングアロー(1995.3.25)に7馬身差を着けての大楽勝。その勝ち時計「2分5秒9」は、2017年の今を以て、やはりダート2100mの日本レコードです

*

クロフネ。現役引退後は父フレンチデピュティと共にDeputy Minister系を日本に根付かせることに成功しました。クロフネは種牡馬として、

  1. フサイチリシャール(2003.4.6)
    →朝日杯フューチュリティS(GI)、阪神C(GII)、東京スポーツ杯2歳S(GIII)ほか
  2. スリープレスナイト(2004.2.7)
    →スプリンターズS(GI)、CBC賞(GIII)、北九州記念(GIII)ほか
  3. カレンチャン(2007.3.31)
    →スプリンターズS、高松宮記念(GI)、阪神牝馬S(GII)、函館SS(GIII)、キーンランドC(GIII)ほか
  4. ホエールキャプチャ(2008.2.24)
    →ヴィクトリアマイル(GI)、府中牝馬S(GII)、ローズS(GII)、東京新聞杯(GIII)、クイーンC(GIII)ほか
  5. アップトゥデイト(2010.2.18)
    →中山大障害(J・GI)、中山グランドジャンプ(J・GI)、小倉サマージャンプ(J・GIII)ほか
  6. クラリティスカイ(2012.3.7)
    →NHKマイルC、いちょうS(現サウジアラビアロイヤルC、GIII)ほか
  7. ホワイトフーガ(2012.3.28)
    →JBCレディスクラシック(JpnI)2回、さきたま杯(JpnII)、関東オークス(JpnII)、スパーキングレディーC(JpnIII)、TCK女王盃(JpnIII)ほか
  8. アエロリット(2014.5.17)
    →NHKマイルCほか

等を始めとして、多くの重賞勝ち馬を送り込んでいます。

安定した種牡馬成績と非SSの血統構成から、19歳を迎えても社台スタリオンステーションの主要種牡馬として重用されているクロフネ。まだまだ良い仔を輩出し続けてほしいものです。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。


第159回ディアナ賞(独GI)の勝ち馬

Lacazar 牝 栗毛 2014.2.23生 独国・Ina Emma Zimmermann生産 馬主・Gest・ Haus Zoppenbroich 独国・Peter Schiergen厩舎

Lacazar(2014.2.23)の4代血統表
Adlerflug
栗毛 2004.3.3
種付け時活性値:0.25

In the Wings
鹿毛 1986.1.17
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975.5.4
High Hawk
鹿毛 1980.3.17
Shirley Heights 1975.3.1
Sunbittern 1970
Aiyana
鹿毛 1993.4.3
▲ラストタイクーン
黒鹿毛 1983.5.9
トライマイベスト 1975.4.28
Mill Princess 1977.5.21
Alya
栗毛 1984.3.5
★Lombard 1967
Anatevka 1969
Laey Diamond
栗毛 2007.3.16
仔受胎時活性値:1.50
Dai Jin
鹿毛 2000.2.4
種付け時活性値:1.50
パントレセレブル
栗毛 1994.3.17
★Nureyev 1977.5.2
Peinture Bleue 1987.4.7
Dawlah
鹿毛 1992.4.16
Shirley Heights 1975.3.1
Urjwan 1984.3.20
Linton Bay
黒鹿毛 1997.3.4
仔受胎時活性値:0.25
Funambule
栗毛 1987.1.15
種付け時活性値:0.25
▲Lyphard 1969.5.10
Sonoma 1978.4.8
Ludhiana
黒鹿毛 1985.2.13
仔受胎時活性値:0.75
Ti Amo
鹿毛 1978.5.12
種付け時活性値:1.50
Lumaria
鹿毛 1975
仔受胎時活性値:0.25

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×5×5×5、Shirley Heights4×4、Mill Reef5×5×5、Special(♀)5×5>

Lacazar(2014.2.23)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Adlerflug
(Sadler’s Wells系)
Dai Jin
(Nureyev系)
Funambule
(Lyphard系)
Ti Amo
(Teddy系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Dai Jin
(Petroleuse)
2.75 伯父が独重賞4勝馬
(No. 7-b)
2番仔?
(前年産駒なし後の仔?)

*

第159回ディアナ賞(独GI。デュッセルドルフ芝2200m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 8 Lacazar 牝3 58 Andrasch Starke 2:17.45 P Schiergen 2
2 3 Megera 牝3 58 Jim Crowley 3/4 A Wler 11
3 2 Wuheida 牝3 58 William Buick 4 Charlie Appleby 1
4 7 Tusked Wings 牝3 58 Filip Minarik 2 Jean-Pierre Carvalho 4
5 5 Ashiana 牝3 58 Fabrice Veron 1 1/4 P Schiergen 5

2017年の第159回ディアナ賞。3歳牝馬限定の英オークス(現GI)を範としたレースでは、北半球の主要国の中で最も遅くに行われる独国のディアナ賞。2017年の勝ち馬は麗しい栗毛の流星馬、2番人気のLacazar。道中は先行5番手の内ラチ沿いをピッタリと我慢。直線、満を持して追い出されると、先に行っていた1番人気にして2016年のマルセルブサック賞(仏GI)の勝ち馬Wuheida(2014.2.21)を競り落とし、最後は馬場中央から鋭く詰め寄った11番人気の伏兵Megera(2014.3.18)を4分の3馬身抑えたところが決勝点でした。Lacazarは距離が2000mを超えたレースで真価を発揮し、今年5月の初勝利以降いずれも2100m以上のレースで連勝を遂げ、4連勝目が第159回ディアナ賞となりました。

Lacazarの鞍上である日本でもおなじみのアンドレアシュ・シュタルケ騎手は第138回のNight Petticoat(1993.4.20)、第140回のElle Danzig(1995.4.23)、第141回のFlamingo Road(1996.2.9)、第145回のNext Gina(2000.3.2)、第150回のRosenreihe(2005.1.29)に続いて6回目、管理されるペーター・シールゲン調教師は第147回のIota(2002.3.12)、第150回のRosenreihe(前述)、第154回のサロミナ(2009.2.22)に続いて4回目のディアナ賞制覇と相成りました。

Lacazarの最優性先祖である母父Dai Jinは現役時代に4勝を挙げ、その主な勝ち鞍に第134回独ダービー(GI)、第47回クレディスイスポカル(現バイエルン大賞、独GI)、ウニオンレネン(独GII)と独グループレース3勝。第134回独ダービーはその父パントレセレブルにとって産駒のGI初勝利であり、その際の鞍上はパントレセレブルと同じオリビエ・ペリエ騎手でした。

Dai Jin(大臣?)という名前、その父パントレセレブル、鞍上ペリエ騎手と親近感を覚えるDai Jin。そんなDai Jinの種牡馬としての代表産駒には、

  1. Girolamo(2009.3.9)
    →オイロパ賞(独GI)、ゲルリンク賞(独GII)ほか。0の理論的にはその父Dai Jinが満8歳時の0交配馬
  2. Liang Kay(2005.3.29)
    →ウニオンレネン、ドクトルブッシュ記念(独GIII)、フュルシュテンベルクレネン(独GIII)、バーデンヴュルテンベルクトロフィー(独GIII)ほか
  3. Norderney(2006.3.28)
    →ヴィルトシャフト大賞(独GIII)、フランクフルト牝馬賞(独GIII)ほか
  4. Caro Jina(2006.2.26)
    →ハンブルク牝馬賞(独GIII)
  5. Budai(2006.3.25)
    →バーデン貯蓄銀行賞(独GIII)

等がいます。Dai Jinは2012年に土国(トルコ)に輸出され、現在は同国で供用中の模様。世の中には偉い方がいらして、トルコ 種牡馬ランキング(2016) – 海外競馬巡回記によりますと、Dai Jinは2016年の土国リーディングサイアーランキング13位とのこと。また、代表産駒2頭目に名前を挙げたLiang Kayは、Lacazarの伯父です。Liang KayとLacazarの母Laey Diamondは、父Dai Jin×母Linton Bayの全きょうだいですね。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

#余談。トルコ 種牡馬ランキング(2016) – 海外競馬巡回記を拝見して、2016年の土国リーディングサイアーランキング3位の「Kaneko(金子?)」という馬が気になりました。Kaneko(2001.1.15)は現役時代に11勝を挙げ、その主な勝ち鞍にエルケク・タイ・デネメ(土2000ギニー)があります。KanekoはNureyev系の軽快種牡馬Pivotal(1993.1.19)の直仔です。Dai Jinも父系としてはNureyev系ですし、両馬ともに土国で頑張って父系を伸ばして欲しいものです。