2017年01月一覧

2017年のクラシック候補生を確認する(番外編・其の壱)

タイムトリップ 牡 黒鹿毛 2014.3.26生 浦河・鵜木唯義氏生産 馬主・中村祐子氏 美浦・菊川正達厩舎

タイムトリップ(2014.3.26)の4代血統表
ロードアルティマ
黒鹿毛 2000.1.23
種付け時活性値:1.25
Seeking the Gold
鹿毛 1985.4.7
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
Con Game
黒鹿毛 1974.3.20
Buckpasser 1963.4.28
Broadway 1959.2.21
Secrettame
栗毛 1978.3.15
Secretariat
栗毛 1970.3.30
Bold Ruler 1954.4.6
Somethingroyal 1952.3.12
Tamerett
黒鹿毛 1962.2.17
Tim Tam 1955.4.19
Mixed Marriage 1952
ミルフォードスバル
鹿毛 2001.4.11
仔受胎時活性値:1.00

ホークアタック
鹿毛 1992.5.10
種付け時活性値:0.00
Silver Hawk
鹿毛 1979.4.20
Roberto 1969.3.16
Gris Vitesse 1966.3.2
Speaking of Sweets
鹿毛 1978.5.24
Elocutionist 1973.3.4
Rolltosweets 1964
グリーンサムナー
鹿毛 1994.5.29
仔受胎時活性値:1.50
シャーディー
鹿毛 1986.5.20
種付け時活性値:1.75
★Danzig 1977.2.12
Unfurled 1974.4.3
アヤテンリユウ
鹿毛 1980.4.15
仔受胎時活性値:1.25
シヤトーゲイ
栗毛 1960.2.29
種付け時活性値:0.75
フオーテリング
黒鹿毛 1961
仔受胎時活性値:0.50

<5代血統表内のクロス:Tom Fool5×5(父方)>

タイムトリップ(2014.3.26)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ロードアルティマ
(Mr. Prospector系)
★ホークアタック
(Roberto系)
シャーディー
(Danzig系)
シヤトーゲイ
(Khaled系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
シャーディー
(グリーンサムナー)
4.25 ディアチャンスと同牝系
(No. 14-a フオーテリング系)
5番仔
(不受胎後)

2016年のカンナS(OP)、2017年のクロッカスS(OP)とオープン特別2勝を遂げて、世代を代表する短距離馬候補に名乗りを挙げたのはタイムトリップ。その馬名の意味は、そのまま「時間旅行」。馬主の名義はまったく違いますが、タイムトリップの馬上に収まる「黒」一色の勝負服は、かつてのシンコウラブリイ(1989.2.2)等を思い出させます。馬主の中村祐子氏は、ロードホースクラブに競走馬の現物出資をしているロードサラブレッドオーナーズの代表、かつケイアイファームの代表ですね。

タイムトリップの父ロードアルティマは現役時代に6勝を挙げ、その主な勝ち鞍は札幌日刊スポーツ杯(準OP)というマイナーな成績でした。が、母Secrettame、つまりは米国の名種牡馬Gone West(1984.3.10)の半弟、かつ父がやはり米国の名種牡馬Seeking the Goldという血統背景もあり種牡馬として供用されました。とはいえ、血統背景だけでは厳しいのが、現在の日本競馬の繁殖界。ロードアルティマの種付け頭数/生産頭数を見ると、

  1. 初年度(2009年)
    →10頭/5頭
  2. 2年度(2010年)
    →4頭/3頭
  3. 3年度(2011年)
    →1頭/1頭
  4. 4年度(2012年)
    →5頭/3頭

と低調な推移も致し方なし。ところが、初年度5頭の内3頭がJRAでデビューすると、その内の2頭、ロードシュプリーム(2010.2.22)とナカナカ(2010.4.22)が2歳戦で勝ち上がり。少ない駒で勝ち上がると注目されるもので、ロードアルティマ、5年度となる2013年は63頭/53頭と、種付け頭数は前年比1160%まで跳ね上がりました。2014年生まれのタイムトリップは、その63頭の種付けがなされて53頭が生まれた世代の内の1頭ですね。タイムトリップ、ロードアルティマの名を更に高めるべく、頑張って欲しいものです。

タイムトリップの最優性先祖である祖母父シャーディーは現役時代に5勝を挙げ、その主な勝ち鞍に愛2000ギニー(GI)、セントジェームズパレスS(英GI)、クレイヴンS(英GIII)とマイル戦のGI2勝、GIII1勝があります。シャーディーと同じ1986年生まれ世代のDanzig産駒にはデインヒル(1986.3.26)、Polish Precedent(1986.3.16)というところも見え、0の理論的には8歳時の0交配を受けた馬たちですね。

さて、シャーディーの代表産駒には、

  1. Velvet Moon(1991.2.13)
    →ローザーS(英GII)。ドバイワールドカップ(UAE・GI)の勝ち馬ムーンバラッド(1999.3.4)の母
  2. Papering(1993.4.5)
    →リディアテシオ賞(伊GII)、フェデリコテシオ賞(伊GIII)ほか
  3. Wizard King(1991.4.22)
    →ビーズウイングS(英GIII)、コンコルドS(愛GIII)2回、バリーコーラスS(愛GIII)、マクドナボランドS(愛GIII)ほか
  4. Desidera(1992.3.28)
    →ベルリン大賞(独GIII)ほか
  5. チェックメイト(1995.5.10)
    →ダービー卿チャレンジT(GIII)、東京新聞杯(GIII)ほか
  6. タカラシャーディー(2000.3.31)
    →毎日杯(GIII)、青葉賞(GII)2着、共同通信杯(GIII)2着

等がいます。名前を挙げた中では、やはり日本で走った2頭。チェックメイトは、満6歳の春にマイルGIIIを連勝してGIにもチェックを掛けようとしたところで、疝痛に見舞われ死亡したのが残念でした。タカラシャーディーは、シャーディー産駒らしさを見せず、鬼っ子的に距離が伸びても頑張りました。

*

ミラアイトーン 牡 青鹿毛 2014.3.22生 安平・ノーザンファーム生産 馬主・島川隆哉氏 栗東・池江泰寿厩舎

ミラアイトーン(2014.3.22)の4代血統表
Lonhro
黒鹿毛 1998.12.10
種付け時活性値:1.625
Octagonal
黒鹿毛 1992.10.8
Zabeel
鹿毛 1986.10.25
Sir Tristram 1971.2.28
Lady Giselle 1982.3.28
Eight Carat
黒鹿毛 1975.3.7
Pieces of Eight 1963
Klairessa 1969
Shadea
黒鹿毛 1988.10.1
Straight Strike
黒鹿毛 1977.2.23
Mr. Prospector 1970.1.28
Bend Not 1972.2.2
Concia
鹿毛 1978.9.18
First Consul 1970.4.19
My Tricia 1974.10.9
タイタンクイーン
黒鹿毛 2005.5.8
仔受胎時活性値:2.00
Tiznow
鹿毛 1997.3.12
種付け時活性値:1.75
Cee’s Tizzy
芦毛 1987.4.21
Relaunch 1976.3.16
テイズリー 1981.4.27
Cee’s Song
黒鹿毛 1986.3.20
Seattle Song 1981.2.19
Lonely Dancer 1975.5.29
Ensnare
黒鹿毛 1996.3.3
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
Seeking the Gold
鹿毛 1985.4.7
種付け時活性値:0.50
Mr. Prospector 1970.1.28
Con Game 1974.3.20
トラップパス
鹿毛 1986.5.5
仔受胎時活性値:0.25
★Danzig
鹿毛 1977.2.12
種付け時活性値:0.00
I Pass
鹿毛 1978.4.8
仔受胎時活性値:1.75

<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector4×4、Buckpasser5×5(母方)>

ミラアイトーン(2014.3.22)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Lonhro
(Sir Tristram系)
Tiznow
(Intent系)
Seeking the Gold
(Mr. Prospector系)
★Danzig
(Northern Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Lonhro 6.00 or 4.00 マイニングと同牝系
(No. 8-h)
4番仔?
(3連産目?)

デビュー戦の小倉芝1800m1着、2戦目の中山芝2000mの葉牡丹賞4着、そして3戦目の京都芝1400m1着。鞍上にはいずれも武幸四郎騎手。島川隆哉オーナーは、武兄弟への手厚いフォローが見られます。ミラアイトーン(Moira Aithon)、その馬名の意味は「運命(ギリシャ語)+ギリシャ神話の太陽神の馬の名」ということ。運命の不思議な手綱は、果たして、武幸四郎騎手に「初勝利と最終勝利が重賞制覇」という導きをなすのでしょうか。

ミラアイトーンの形相の対象は父Lonhro。父Lonhroの種付け時活性値は14.5歳時の「1.625」、母父Tiznowの種付け時活性値は7歳時の「1.75」と、Tiznowのほうが種付け時活性値は高いのですが、

逆にその差が一世代分に満たない場合、つまり被遺伝世代深度が1未満の場合には交配する牡の形相を受けて遺伝することになる。

だから、もしマグニテュードの精子の活性値よりも母の先祖の種牡馬の精子の活性値の最高数値の方が高くても、差が0.25より小さかったなら、ミホノブルボンはマグニテュードの”形””相”を遺伝したことになる。

-KKベストセラーズ、中島国治著「血とコンプレックス」、P237より引用-

という原典の記述より、「1.75-1.625=0.125」と、差は0.25未満のため、形相の対象はLonhroという判断です。

さて、Lonhroは現役時代に26勝を挙げ、その主な勝ち鞍にクイーンエリザベスS(豪GI)、マッキノンS(豪GI)、オーストラリアンC(豪GI)、コーフィールドギニー(豪GI)、ジョージライダーS(豪GI)2回、ヤルンバS(現コーフィールドS、豪GI)2回、チッピングノートンS(豪GI)、ジョージメインS(豪GI)、CFオーアS(豪GI)と1400mから2000mの距離でGI11勝、グループレース合計24勝という2000年代初頭を飾る豪州のスーパーホースです。

Lonhroは種牡馬としても能力を発揮し、2010年~2011年シーズンの豪州首位種牡馬に輝きました。また、私が確認した時点では、51頭のステークスウイナーを輩出し、108のステークス勝ちを記録しています。そんなLonhroの代表産駒を記しておきますと、

  1. Beaded(2005.9.10)
    →ドゥームベン10000(豪GI)ほか
  2. Denman(2006.10.17)
    →ゴールデンローズS(豪GI)ほか
  3. Benfica(2008.10.6)
    →ザTJスミス(豪GI)
  4. Mental(2008.11.14)
    →パティナックファームクラシック(豪GI)ほか
  5. Pierro(2009.10.5)
    →ゴールデンスリッパーS(豪GI)、サイアーズプロデュースS(豪GI)、シャンペンS(豪GI)、カンタベリーS(豪GI)、ジョージライダーSほか
  6. Bounding(2010.9.14)
    →レイルウェイS(新GI)ほか
  7. Exosphere(2012.8.25)
    →ゴールデンローズSほか

上記の中ではDenman、Benfica、Pierro、ExosphereがLonhroの後継種牡馬として、オセアニアの一大父系であるSir Tristramの血の継承を果たそうとしています。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。


第1回ペガサスワールドカップ(米GI)の勝ち馬

Arrogate 牡 芦毛 2013.4.11生 米国・Clearsky Farms生産 馬主・Juddmonte Farms, Inc 米国・Bob Baffert厩舎

Arrogate(2013.4.11)の4代血統表
Unbridled’s Song
芦毛 1993.2.18
種付け時活性値:0.75
Unbridled
鹿毛 1987.3.5
Fappiano
鹿毛 1977.5.19
Mr. Prospector 1970.1.28
Killaloe 1970.3.17
Gana Facil
栗毛 1981.2.9
Le Fabuleux 1961
Charedi 1976.4.12
Trolley Song
芦毛 1983.4.13
Caro
芦毛 1967.4.11
フォルティノ 1959.4.19
Chambord 1955
Lucky Spell
鹿毛 1971.1.28
★Lucky Mel 1954.3.7
Incantation 1965
Bubbler
黒鹿毛 2006.4.5
仔受胎時活性値:1.50
Distorted Humor
栗毛 1993.3.19
種付け時活性値:1.00
フォーティナイナー
栗毛 1985.5.11
Mr. Prospector 1970.1.28
File 1976.4.30
Danzig’s Beauty
鹿毛 1987.3.7
Danzig 1977.2.12
Sweetest Chant 1978.5.11
Grechelle
黒鹿毛 1995.3.11
仔受胎時活性値:0.50
Deputy Minister
黒鹿毛 1979.5.17
種付け時活性値:1.75
Vice Regent 1967.4.29
Mint Copy 1970.2.24
Meadow Star
栗毛 1988.5.19
仔受胎時活性値:1.50
Meadowlake
栗毛 1983.3.12
種付け時活性値:1.00
Inreality Star
鹿毛 1979.1.16
仔受胎時活性値:2.00(0.00)

<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector4×4、In Reality5×5、Northern Dancer5×5>

Arrogate(2013.4.11)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Unbridled’s Song
(Mr. Prospector系)
Distorted Humor
(Mr. Prospector系)
Deputy Minister
(Northern Dancer系)
Meadowlake
(Princequillo系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Deputy Minister
(Vice Regent)
5.50 or 3.50 曾祖母が米GI6勝
(No. 16-g)
初仔?

*

第1回ペガサスワールドカップ(米GI。ガルフストリームパーク・ダート9F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師 人気
1 1 Arrogate 牡4 56.2 Mike E Smith 1:46.83 Bob Baffert 1
2 7 Shaman Ghost 牡5 56.2 Jose L Ortiz 4 3/4 James Jerkens 4
3 3 Neolithic 牡4 56.2 John R Velazquez 3 1/2 Todd Pletcher 5
4 9 Keen Ice 牡5 56.2 Javier Castellano 2 3/4 Todd Pletcher 3
5 5 War Story せん5 56.2 Antonio A Gallardo 2 1/4 Jorge Navarro 7

2017年の第1回ペガサスワールドカップ。賞金総額1200万ドル、1着賞金700万ドルという世界最高賞金額を競った一戦は、1枠1番から発進した1番人気馬Arrogateが、先行3番手で4角手前からは先頭に進出、直線では差を広げて2着Shaman Ghost(2012.5.5)に4と3分の4馬身差を着けての快勝でした。Arrogate、彗星の如く現れた第147回トラヴァーズS(米GI)では13馬身半差のコースレコード勝ちを収め、第33回ブリーダーズカップ・クラシック(米GI)ではCalifornia Chrome(2011.2.18)との一騎打ちを制し、そして今回のペガサスワールドカップと米GIを3連勝。強さと速さを兼ね備えた強者ぶりを立て続けに見せてくれています。

このレースで引退となった2番人気のCalifornia Chromeは、道中Arrogateを外からマークする形で進めましたが、Arrogateがスパートをかけた時には付いて行けず9着に終わりました。California Chrome、ケンタッキーダービー(米GI)、プリークネスS(米GI)、ドバイワールドカップ(UAE・GI)、パシフィッククラシックS(米GI)、サンタアニタダービー(米GI)、ハリウッドダービー(米GI)、オーサムアゲインS(米GI)とGI7勝の名馬は、カリフォルニア州産馬の星として、長きに渡り米国競馬界の主役を張り続けました。この後はテイラーメイドファームで種牡馬入りということで、仔の活躍にも期待したいものです。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。


カルティエ賞年度代表馬を辿る(其の壱)-アラジ(1989.3.4)-

アラジ 牡 栗毛 1989.3.4生 米国・Ralph C. Wilson Jr. 生産 馬主・Allen E. Paulson & Sheikh Mohammed 仏国・Francois Boutin厩舎

アラジ(1989.3.4)の4代血統表
Blushing Groom
栗毛 1974.4.8
種付け時活性値:1.50
Red God
栗毛 1954.2.15
Nasrullah
鹿毛 1940.3.2
Nearco 1935.1.24
Mumtaz Begum 1932
Spring Run
鹿毛 1948
Menow 1935
Boola Brook 1937
Runaway Bride
鹿毛 1962
Wild Risk
鹿毛 1940
★Rialto 1923
Wild Violet 1935
Aimee
鹿毛 1957
Tudor Minstrel 1944
Emali 1945
ダンスールファビュルー
鹿毛 1982.3.2
仔受胎時活性値:1.50
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
種付け時活性値:1.00
Nearctic
黒鹿毛 1954.2.11
Nearco 1935.1.24
Lady Angela 1944
Natalma
鹿毛 1957.3.26
Native Dancer 1950.3.27
Almahmoud 1947.5.18
Fabuleux Jane
栗毛 1974.4.11
仔受胎時活性値:1.50
Le Fabuleux
栗毛 1961
種付け時活性値:1.00
Wild Risk 1940
Anguar 1950
Native Partner
鹿毛 1966.4.5
仔受胎時活性値:1.75
Raise a Native
栗毛 1961.4.18
種付け時活性値:1.00
Dinner Partner
鹿毛 1959.5.27
仔受胎時活性値:1.50

<5代血統表内のクロス:Wild Risk3×4、Nearco4×4、Native Dancer4×5(母方)>

アラジ(1989.3.4)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Blushing Groom
(Red God系)
Northern Dancer
(Nearctic系)
Le Fabuleux
(Wild Risk系)
Raise a Native
(Native Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Blushing Groom
(Runaway Bride)
6.50 半弟Noverre
(No. 7)
2番仔?
(前年産駒なし後?)

*

1991年のモルニ賞(仏GI。ドーヴィル芝1200m)の結果


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 1 アラジ 牡2 56 Gerald Mosse 1:13.3 F Boutin 1
2 2 Kenbu 牝2 54.5 F Head 3 F Boutin 3
3 4 Lion Cavern 牡2 56 S Cauthen 3/4 A Fabre 2
4 3 Calling Collect 牡2 56 Dominique Boeuf 2 E Lellouche 4

1991年のモルニ賞。アラジのGI初勝利は、ステーブルメイトの牝馬Kenbu(1989.2.28)、シンボリスウォード(1995.2.5)やスイートオーキッド(1997.2.13)の母に3馬身差を着けての快勝でした。3着のLion Cavern(1989.2.13)も懐かしい名前です。1998年のアーリントンC(GIII)を制したダブリンライオン(1995.1.26)のお父さん。

*

1991年のサラマンドル賞(仏GI。ロンシャン芝1400m)の結果(上位5頭)

馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 アラジ 牡2 56 Gerald Mosse 1:20.9 F Boutin
2 Made Of Gold 牡2 56 A Cruz 5 Mohamed Moubarak
3 Silver Kite 牡2 56 Thierry Jarnet クビ A Fabre
4 Code Breaker 牡2 56 E Legrix 短クビ P Bary
5 Cardoun 牡2 56 Dominique Boeuf 1/2 E Lellouche

1991年のサラマンドル賞。仏国のかつての伝統2歳レース、アラジはロンシャン芝1400mを1分20秒9という超抜の時計で、2着のMade Of Gold(1989.4.19)を5馬身置き去りにしました。

*

1991年のグランクリテリウム(仏GI。ロンシャン芝1600m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師 人気
1 2 アラジ 牡2 56 Gerald Mosse 1:41.4 F Boutin 1
2 6 Rainbow Corner 牡2 56 Pat Eddery 3 A Fabre 5
3 4 Seattle Rhyme 牡2 56 C Asmussen 短頭 David Elsworth 6
4 1 St Jovite 牡2 56 C Roche 3/4 J S Bolger 2
5 5 Code Breaker 牡2 56 E Legrix 5 P Bary 4

1991年のグランクリテリウム。モルニ賞、サラマンドル賞と仏2歳GIを連勝して挑んだ、仏2歳王者決定戦グランクリテリウム。2歳時のアラジに敵う馬はなく、ここも3馬身差の楽勝。2着Rainbow Corner(1989.2.21)は、時が下って、マカヒキ(2013.1.28)の祖母父として血統表に現れます。

*

第8回ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(米GI。チャーチルダウンズ・ダート8.5F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 14 アラジ 牡2 55.3 P. Valenzuela 1:44.78 F. Boutin 1
2 5 Bertrando 牡2 55.3 A. Solis 5 J. Shirreffs 2
3 8 Snappy Landing 牡2 55.3 G. Stevens 3 1/2 D. Manning 12
4 13 Offbeat 牡2 55.3 M. Smith アタマ C. McGaughey 5
5 2 Agincourt 牡2 55.3 J. Chavez 1 3/4 N. Zito 13

1991年の第8回ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル。「here INDEED is a SUPERSTAR」「ABSOLUTELY SENSATIONAL!」。実況を担当されたトム・ダーキン氏の英語版のWikipediaからそのまま引きました。レースは、向こう正面から馬群を縫うようにしてマクリ、直線では外に膨れ加減になりつつも5馬身差のぶっちぎり。2着のBertrando(1989.2.18)とて、ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル前まで3戦3勝(内GI1勝、GII1勝)、後には1993年のエクリプス賞最優秀古牡馬に選出される兵です。強者が、更なる強者を、より一層引き立てます。

*

栄えある初回、1991年のカルティエ賞年度代表馬に選出されたのは、アラジ。

ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル、グランクリテリウム、サラマンドル賞、モルニ賞、ロベールパパン賞(仏GII)、ボワ賞(仏GIII)と、米仏で2歳重賞6勝、内GI4勝。この活躍を以て、1991年のカルティエ賞年度代表馬、カルティエ賞最優秀2歳牡馬、そしてエクリプス賞最優秀2歳牡馬に選出されました。

今に続くカルティエ賞年度代表馬の表彰は、「Wonder Horse」アラジが見せた、その類まれな2歳戦成績からスタートしたのでした。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

<参考WEB>


中島国治氏関連馬(其の壱)-クライムカイザー(1973.5.22)-

クライムカイザー 牡 黒鹿毛 1973.5.22生~2000.9.27没 浦河・田中牧場生産 馬主・(有)三登 中山・佐藤嘉秋厩舎

クライムカイザー(1973.5.22)の4代血統表
ヴエンチア
黒鹿毛 1957
種付け時活性値:1.75
Relic
青毛 1945
War Relic
栗毛 1938
Man o’ War 1917.3.29
Friar’s Carse 1923
Bridal Colors
青毛 1931
Black Toney 1911
Vaila 1911
Rose O’Lynn
鹿毛 1944
Pherozshah
芦毛 1934
Pharos 1920.4.4
Mah Mahal 1928
Rocklyn
鹿毛 1937
Easton 1931
Rock Forrard 1925
クインアズマ
青毛 1968.2.6
仔受胎時活性値:1.00
シーフユリユー
青毛 1957
種付け時活性値:0.50
★Sicambre
黒鹿毛 1948
Prince Bio 1941
Sif 1936
Hell’s Fury
鹿毛 1949
Dante 1942
Sister Sarah 1930
カツラアズマ
黒鹿毛 1961.3.6
仔受胎時活性値:1.50
Premonition
鹿毛 1950
種付け時活性値:0.50
★Precipitation 1933
Trial Ground 1944
ルーミナスサイト
黒鹿毛 1952
仔受胎時活性値:2.00
Big Game
鹿毛 1939
種付け時活性値:1.00
Incandescent
鹿毛 1942
仔受胎時活性値:0.25

<5代血統表内のクロス:なし>

クライムカイザー(1973.5.22)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ヴエンチア
(Relic系)
シーフユリユー
(Prince Bio系)
Premonition
(Hurry On系)
Big Game
(Blandford系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ヴエンチア
(Rocklyn)
4.75 シバフジと同牝系
(No. 7)
初仔
(産駒なし後)

*

第43回東京優駿(現GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 20 クライムカイザー 牡3 加賀武見 2:27.6    佐藤嘉秋 4
2 8 トウシヨウボーイ 牡3 池上昌弘 2:27.8 1.1/2 保田隆芳 1
3 25 サンダイモン 牡3 稲部和久 2:28.7 5 諏訪佐市 18
4 6 フエアスポート 牡3 嶋田功 2:29.1 2.1/2 藤本冨良 8
5 19 ムーンライトミスト 牡3 田村正光 2:29.5 2.1/2 梶与四松 15

1976年の第43回東京優駿。1頭取消で27頭立てとなったこのレース、圧倒的1番人気は第36回皐月賞(現GI)まで4戦4勝のトウショウボーイ(1973.4.15)、2番人気が皐月賞2着で第27回阪神3歳S(現阪神ジュベナイルフィリーズ、GI)の勝ち馬にして関西期待のテンポイント(1973.4.19)、3番人気がトライアルのNHK杯(旧GII)を4馬身差で制した関西の秘密兵器コーヨーチカラ(1973.4.6)、そして彼らに続く4番人気がクライムカイザーでした。

クライムカイザーは東京優駿の戦前まで11戦して[4-2-2-3]。デビュー以来、掲示板を外さない安定した成績で、弥生賞(現GII)1着、京成杯(現GIII)1着、京成杯3歳S(現京王杯2歳S、GII)2着、東京4歳S(現共同通信杯、GIII)2着、第27回朝日杯3歳S(現朝日杯フューチュリティS、GI)4着、皐月賞5着と、1976年のクラシック戦線の王道を走り続けていました。

そんなクライムカイザーが、その馬名の意味のとおり、皇帝に上り詰めたのが、第43回東京優駿。

押し出されるように逃げたトウショウボーイに対して、テンポイント、コーヨーチカラは5~6番手、クライムカイザーは馬群中団からレースを進めました。レースが動いた3角から4角、外側から距離を詰めたクライムカイザー、直線を向いた時には馬場の内三分辺り。標的は先を行くトウショウボーイ唯1頭、「闘将」加賀武見騎手は、クライムカイザーの一瞬の脚を引き出しつつ内ラチを目掛けて進路を取ると、トウショウボーイと池上昌弘騎手は外に振られる形になってしまいました。

白い頭巾に黒鹿毛、緑の帽子に「黒、赤二本輪、赤袖」の勝負服が内ラチ沿いを懸命に逃げ、それを外からもう一度差し返しに行った鹿毛、赤の帽子に「海老、黄ダイヤモンド、紫袖」の勝負服。府中の直線500mは完全に2頭と2人の勝負となり、トウショウボーイと池上騎手の差し返しを1と2分の1馬身だけ抑えたところが、クライムカイザーと加賀騎手の栄光の決勝点。

「トウショウボーイは馬体を併せられると怯む」という、池上騎手の一言を突いた騎乗と言われた加賀騎手。けれど、その一言を実現できる力量が、鞍上と鞍下にあればこその、第43回東京優駿の直線でした。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。


年度代表馬の同期生を辿る(其の拾)-ナリタタイシン(1990.6.10)-

ナリタタイシン 牡 鹿毛 1990.6.10生 新冠・川上悦夫氏生産 馬主・山路秀則氏 栗東・大久保正陽厩舎

ナリタタイシン(1990.6.10)の4代血統表
リヴリア
鹿毛 1982.4.20
種付け時活性値:1.75
Riverman
鹿毛 1969
★Never Bend
鹿毛 1960.3.15
Nasrullah 1940.3.2
Lalun 1952
River Lady
鹿毛 1963.5.17
Prince John 1953.4.6
Nile Lily 1954.3.23
Dahlia
栗毛 1970.3.25
Vaguely Noble
鹿毛 1965.5.15
ヴイエナ 1957
Noble Lassie 1956
Charming Alibi
栗毛 1963.3.7
Honeys Alibi 1952
Adorada 1947
タイシンリリイ
芦毛 1981.5.27
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
ラデイガ
鹿毛 1969.5.18
種付け時活性値:0.75
Graustark
栗毛 1963.4.7
Ribot 1952.2.27
Flower Bowl 1952
Celia
黒鹿毛 1960.4.3
Swaps 1952.3.1
Pocahontas 1955.2.19
インターラーケン
芦毛 1966.2.9
仔受胎時活性値:1.50
サミーデイヴイス
黒鹿毛 1960
種付け時活性値:1.25
Whistler 1950
Samaria 1955
シルヴアーフアー
芦毛 1962
仔受胎時活性値:0.75
Abernant
芦毛 1946
種付け時活性値:1.75
Moyo
芦毛 1956
仔受胎時活性値:1.25

<5代血統表内のクロス:Nearco5×5(父方)、Roman5×5、Alibhai5×5>

ナリタタイシン(1990.6.10)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
リヴリア
(Riverman系)
ラデイガ
(Ribot系)
サミーデイヴイス
(The Boss系)
Abernant
(Hyperion系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
リヴリア 5.50 or 3.50 半姉ユーセイフェアリー
(No. 1-w シルヴアーフアー系)
4番仔
(4連産目)

*

第9回ラジオたんぱ杯3歳S(当時GIII。現ホープフルS、GII)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
4F
馬体重
[前走比]
調教師
1 1 ナリタタイシン 牡2 54 清水英次 2:05.8    49.7 422
[+6]
大久保正陽 5
2 4 マルカツオウジャ 牡2 54 河内洋 2:05.9 1/2 49.7 460
[+6]
田中耕太郎 2
3 6 サンエイキッド 牡2 54 安田隆行 2:06.2 2 50.0 460
[+6]
古川平 8
4 12 エアマジック 牡2 54 角田晃一 2:06.4 1.1/4 50.0 438
[-2]
渡辺栄 7
5 3 ファンドリリヴリア 牡2 54 村本善之 2:06.4 ハナ 50.4 440
[0]
高橋成忠 10

1992年の第9回ラジオたんぱ杯3歳S。ナリタタイシン、ラストの追い上げがちょっと尋常ではない感じでした。という訳で、「同一牝系馬の連動する活躍」。よく見られる現象ですけれど、このラジオたんぱ杯3歳Sの前週、ナリタタイシンの半姉ユーセイフェアリー(1987.3.23)が、阪神牝馬特別(GIII。現阪神牝馬S、GII)を16頭立て16番人気(!!)で制しています。「阪神芝2000mのGIIIレース」という施行コース、グレードも同じでした。なお、このラジオたんぱ杯3歳Sが、故・清水英次騎手の最後の重賞勝利でもありました。

*

第53回皐月賞(GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 14 ナリタタイシン 牡3 57 武豊 2:00.2    34.6 426
[+4]
大久保正陽 3
2 18 ビワハヤヒデ 牡3 57 岡部幸雄 2:00.3 クビ 35.4 478
[-4]
浜田光正 2
3 1 シクレノンシェリフ 牡3 57 松永幹夫 2:00.5 アタマ
+1.1/4
35.6 482
[-2]
小林稔 4
4 4 ウイニングチケット 牡3 57 柴田政人 2:00.6 1/2 35.4 460
[-6]
伊藤雄二 1
5 6 アンバーライオン 牡3 57 田所秀孝 2:00.8 1.1/2 36.1 432
[-10]
鹿戸幸治 16

1993年の第53回皐月賞。思えば、私の「武豊原理主義」はこのレースから始まったのかも知れません。まさに武マジックが発動したかのような、決勝点における「クビ」だけ差し切り。

もちろん、鞍上に応えた鞍下のナリタタイシンが、いちばん褒められなければなりません。ラストの直線半ばで、ガレオン(1990.4.25)が外に斜行したアオリをもろに受けながらも、怯むことなく鞍上の鼓舞に応えて、最後の最後まで脚を伸ばしました。2番目に速い上がりを記録した9着のマイシンザン(1990.3.7)を0秒6も上回る、上がり3ハロン34秒6という極上の切れ味。かつて「しなやかな鬼脚」と形容しましたが、柔らさかと強靭さを併せ持った、見事な末脚でした。

そんなナリタタイシン、ライバル17頭をまさに切って捨て、シンボリルドルフ(1981.3.13)が持っていた2分1秒1という皐月賞レコードを0秒9塗り替えて、牡馬3冠のひとつ目を奪取しました。また、馬体重426kgによる勝利は、中央競馬で馬体重の発表が行われるようになった1964年以降における、皐月賞史上最軽量の優勝馬記録です。

*

第108回目黒記念(GII)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 7 ナリタタイシン 牡4 58.5 武豊 2:34.0    34.7 446
[+14]
大久保正陽 2
2 6 ダンシングサーパス 牡4 53 熊沢重文 2:34.0 アタマ 35.1 478
[-6]
内藤繁春 3
3 2 シャンソニエール 牝5 51 田面木博公 2:34.1 クビ 35.6 462
[-4]
伊藤竹男 7
4 13 ステージチャンプ 牡4 57 岡部幸雄 2:34.2 3/4 35.4 460
[-4]
矢野進 1
5 4 アイビーシチー 牡4 51 蛯名正義 2:34.3 クビ 35.9 476
[0]
河野通文 9

1994年の第108回目黒記念。2月開催の目黒記念も今となっては懐かしいですね。このレースはよく覚えています。ちょうどひな祭り前ということで、実家でひな壇の飾り付けをしていたのです。ええ、私、全妹が5人いますので(^^ゞ。で、その飾り付けの合間に見たのでした。ステージチャンプ(1990.5.17)が圧倒的な1番人気だったのですが、クラシックホースの底力を見せて、ナリタタイシンが大外から捲り切りました。58.5kgのトップハンデものかは、満3歳秋に発症した肺出血からの見事な復活劇でした。そしてまた、当時の月刊「優駿」における武豊騎手のコメント「タイシンの本来の切れはこんなものではありません(大意)」というのも、嬉しかったものです。完調でなくとも格が違う。GI馬の矜持が、そこにありました。

*

「新・平成3強」と呼ばれた、ビワハヤヒデ(1990.3.10)ウイニングチケット(1990.3.21)、そしてナリタタイシンの3頭。

彼らのクラシックの戦いも、干支で言えば2回り前となりましたけれど、その勝負の煌めきは、褪せることなく私の中で生き続けています。

そんな3頭は、2017年現在、いずれも27歳で存命です。長寿についても3頭で競い合い。

皆、いつまでも元気に過ごして欲しいと願うばかりです。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

20世紀の名馬 第89位 ナリタタイシン 競走馬人生、前半天国後半地獄。 種牡馬人生スッテンテン。 何かもう何かに憑かれてるとしか……。...