2017年のクラシック候補生を確認する(其の玖)

ライジングリーズン 牝 青鹿毛 2014.2.27生 日高・三城牧場生産 馬主・岡田牧雄氏 美浦・奥村武厩舎

ライジングリーズン(2014.2.27)の4代血統表
ブラックタイド
黒鹿毛 2001.3.26
種付け時活性値:1.00
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
Alzao
鹿毛 1980.2.28
Lyphard 1969.5.10
Lady Rebecca 1971.2.28
Burghclere
鹿毛 1977.4.26
Busted 1963
Highclere 1971
ジョウノファミリー
黒鹿毛 2006.4.11
仔受胎時活性値:1.75
キングカメハメハ
鹿毛 2001.3.20
種付け時活性値:1.00
Kingmambo
鹿毛 1990.2.19
Mr. Prospector 1970.1.28
Miesque 1984.3.14
マンファス
黒鹿毛 1991.2.23
ラストタイクーン 1983.5.9
Pilot Bird 1983.2.9
エビスファミリー
青鹿毛 1992.4.11
仔受胎時活性値:1.25
ブライアンズタイム
黒鹿毛 1985.5.28
種付け時活性値:1.50
Roberto 1969.3.16
Kelley’s Day 1977.5.11
エビスベローチエ
黒鹿毛 1976.3.4
仔受胎時活性値:1.75
ヴエンチア
黒鹿毛 1957
種付け時活性値:0.50
ヤマユリ
青毛 1965.4.16
仔受胎時活性値:0.50

<5代血統表内のクロス:Hail to Reason4×5>

ライジングリーズン(2014.2.27)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ブラックタイド
(Halo系)
キングカメハメハ
(Mr. Prospector系)
ブライアンズタイム
(Roberto系)
ヴエンチア
(Relic系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ブライアンズタイム
(エビスファミリー)
5.25 伯父ブルーコンコルド
(No. 7-c アストニシメント系)
4番仔
(4連産目)

2017年の第33回フェアリーS(GIII)。雨が降りしきる中山芝1600mを中団から差し切りました、ライジングリーズンと丸田恭介騎手。10番人気の1勝馬、「上昇の理由」は「馬体の立て直しと直近の抜群の調教」であったかも知れませんが、中山マイル戦では不利とされる8枠を克服しての勝利は、地力の確かさの証明でした。

ライジングリーズンを管理される奥村武調教師は、開業4年目で嬉しい重賞初制覇となりました。奥村師は、前日土曜日の寒竹賞をホウオウパフューム(2014.2.16)により1番人気で制し、フェアリーS同日の中山ダート1200mの新馬戦をヴォルタ(2014.4.8)により1番人気で制した後の、重賞初制覇でした。3歳馬による出走機会3連勝の先鞭をつけたホウオウパフュームは、奥村師曰く「桜花賞へ浮気」せず、第78回優駿牝馬(GI)の路線に向かうとのこと。ホウオウパフュームも直に記事で紹介しそうな素質馬ですし、奥村師、ライジングリーズンと共に牝馬クラシック路線の楽しみが一気に高まりましたね(^^)

さて、ライジングリーズンの牝系は、伝統の小岩井牝系、7号族c分枝アストニシメント(1902)系です。以下に、本当に簡単な近親牝系図を示しておきますと、

エビスファミリー 1992.4.11 地方8勝
|ブルーコンコルド 2000.4.11 中央+地方15勝 東京大賞典(統一GI) マイルチャンピオンシップ南部杯(統一GI及びJpnI)3回 かしわ記念(JpnI) JBCマイル(統一GI) JBCスプリント(統一GI)ほか
|ジョウノファミリー 2006.4.11 不出走
||ライジングリーズン 2014.2.27 (本馬) フェアリーS(GIII)

むぅ、本稿の紹介馬ライジングリーズン以外、母、祖母、伯父といずれも4月11日生まれであるところが、気になりますね。ちなみに、祖母の初仔であるネジェムも1999年4月11日生まれだったりします^_^;。そんな4月11日生まれの星の下に生まれた近親馬の中では、やはり伯父ブルーコンコルド。満2歳時に中山芝1200mで行われた京王杯2歳S(GII)を制して芝の重賞勝ち馬となりましたが、長じて、ダートジーワン7勝の強豪として鳴らしました。ブルーコンコルド、デビューした満2歳時から満8歳時の7年間において毎年必ず1勝は挙げ、満5歳時から満8歳時まで4年連続でジーワン制覇。息の長い活躍を見せてくれた、真の名馬でした。

*

キョウヘイ 牡 鹿毛 2014.4.22生 新ひだか・本桐牧場生産 馬主・瀬谷隆雄氏 栗東・宮本博厩舎

キョウヘイ(2014.4.22)の4代血統表
リーチザクラウン
青鹿毛 2006.2.5
種付け時活性値:1.75
スペシャルウィーク
黒鹿毛 1995.5.2
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
キャンペンガール
鹿毛 1987.4.19
マルゼンスキー 1974.5.19
レデイーシラオキ 1978.4.3
クラウンピース
鹿毛 1997.2.5
Seattle Slew
黒鹿毛 1974.2.15
Bold Reasoning 1968.4.29
My Charmer 1969.3.25
クラシッククラウン
鹿毛 1985.4.30
Mr. Prospector 1970.1.28
Six Crowns 1976.4.21
ショウナンアネーロ
黒鹿毛 2004.2.9
仔受胎時活性値:0.25
ダンスインザダーク
鹿毛 1993.6.5
種付け時活性値:0.50
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ダンシングキイ
鹿毛 1983.5.21
Nijinsky 1967.2.21
Key Partner 1976.3.26
ショウナンハピネス
黒鹿毛 1995.4.11
仔受胎時活性値:2.00
Kris S.
黒鹿毛 1977.4.25
種付け時活性値:0.25
Roberto 1969.3.16
Sharp Queen 1965.4.19
Rambling Barb
黒鹿毛 1989.2.13
仔受胎時活性値:1.25
Cormorant
鹿毛 1974.4.21
種付け時活性値:1.50
Bouncy Barb
鹿毛 1981.4.24
仔受胎時活性値:1.75

<5代血統表内のクロス:サンデーサイレンス3×3、Nijinsky5×4、Hail to Reason5×5×5>

キョウヘイ(2014.4.22)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
リーチザクラウン
(Halo系)
ダンスインザダーク
(Halo系)
Kris S.
(Roberto系)
Cormorant
(Ribot系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
リーチザクラウン 5.25 祖母がOP特別勝ち馬
(No. 8-c)
6番仔
(6連産目)

2017年の第51回シンザン記念(GIII)。京都芝1600mの伝統重賞を制したのは、キョウヘイと高倉稜騎手。強雨、重馬場、そして出遅れ。三重苦に思えたものの、さもありなん。「関係ないね」とばかりに最後の直線、出走15頭中唯一の上がり3ハロン36秒台となる36秒7の脚を繰り出して、先に抜け出していたタイセイスターリー(2014.4.9)と武豊騎手を1馬身差し切りました。

キョウヘイの最優性先祖である父リーチザクラウンは現役時代に4勝を挙げ、その主な勝ち鞍にマイラーズC(GII)、きさらぎ賞(GIII)があり、第76回東京優駿(GI)2着、神戸新聞杯(GII)2着、ラジオNIKKEI杯2歳S(GIII)2着、中山記念(GII)3着もありました。現役時代の晩年は気性の難しさから能力を発揮できていない印象もありましたが、ポテンシャルの高さと牝系の筋の良さを買われてか、2013年から種牡馬入りしました。

リーチザクラウンの初年度産駒がキョウヘイを始めとする2014年生まれ世代。走り始めてみれば、2016年6月26日から7月31日までのひと月あまりの間に産駒5頭がJRAで勝ち上がり。一躍注目の種牡馬となったリーチザクラウン、商売上手の社台さんに見初められ、今年2017年からは社台スタリオンステーションにて繋養されることになりました。実のところ、5頭が勝ち上がった後にJRA勝利は無かったのですが、繁殖シーズン到来直前、2017年の初っ端にJRA重賞勝ち馬を輩出できたことは、リーチザクラウンにとって幸運だったのではないでしょうか。

キョウヘイの配合面での特徴は、やはり「サンデーサイレンス3×3」のインブリードですね。2016年の東京ダービー(南関東SI)を制したバルダッサーレ(2013.4.21)が、「アンライバルド×フジキセキ牝馬」の組み合わせにより「サンデーサイレンス3×3」の重賞勝ち馬となりましたが、JRAではキョウヘイが初めての重賞勝ち馬となりました。0の理論的には、サンデーサイレンスがその父Halo満16歳時の0交配馬の為、サンデーサイレンスのクロスは、ブルー0クロスとして処理されます。また、リーチザクラウンはその父スペシャルウィークがサンデーサイレンス満8歳時の0交配馬の為、サンデーサイレンスのクロスは無弊害のオレンジ0クロスとして処理される、というところです。

あと。シンザン記念は日刊スポーツ賞ということで、nikkansports.comの「伏兵8番人気キョウヘイ泥んこ差しV/シンザン記念」から引いておきます。

格別の思いで口取りに参加した女性がいた。その横山真弓さんの息子、ガンで21歳の若さで亡くなった恭兵さんが馬名の由来。真弓さんのブログを見た瀬谷隆雄オーナーから「(名前を)馬名につけさせてほしい」と連絡があったという。競馬が好きな恭兵さんが亡くなる前、最後に競馬場を訪れたのが05年のシンザン記念だった。「恭兵はシンザンが好きだったから」と真弓さんは感慨深げに話した。

*

本稿の最後に述べておきますと、ライジングリーズンの父ブラックタイド、キョウヘイの父リーチザクラウンは、競走馬としては、2頭共にJRAのGII勝ちまでで終わった馬たちでした。けれど、血筋の良さを買われて繁殖入りすると、見事な巻き返し。ブラックタイドは、キタサンブラック(2012.3.10)の活躍により、一流種牡馬の仲間入りを果たしました。まま、近時の日本ではGI勝ちが無く血統で種牡馬入りするのは、直父系サンデーサイレンス系が圧倒的多数とは思います。ともあれ、思わぬ「反骨心」を見せてくれると、血統の不思議さと、競馬の面白さを、改めて感じさせてくれるものですね。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。