2016年3歳世代の活躍馬を確認する(其の弐)。

ゼーヴィント 牡 鹿毛 2013.5.12生 安平・ノーザンファーム生産 馬主・有限会社シルク 美浦・木村哲也厩舎

ゼーヴィント(2013.5.12)の4代血統表
ディープインパクト
鹿毛 2002.3.25
種付け時活性値:0.50
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
Alzao
鹿毛 1980.2.28
▲Lyphard 1969.5.10
Lady Rebecca 1971.2.28
Burghclere
鹿毛 1977.4.26
Busted 1963
Highclere 1971
シルキーラグーン
黒鹿毛 2000.4.10
仔受胎時活性値:1.00
ブライアンズタイム
黒鹿毛 1985.5.28
種付け時活性値:1.50
Roberto
鹿毛 1969.3.16
Hail to Reason 1958.4.18
Bramalea 1959.4.12
Kelley’s Day
鹿毛 1977.5.11
Graustark 1963.4.7
Golden Trail 1958.3.5
シーヴィーナス
鹿毛 1995.3.30
仔受胎時活性値:1.00
Dayjur
黒鹿毛 1987.2.6
種付け時活性値:1.75
Danzig 1977.2.12
Gold Beauty 1979.6.2
アサーティブプリンセス
鹿毛 1984.3.13
仔受胎時活性値:0.50
Assert
鹿毛 1979.4.17
種付け時活性値:1.25
Pacific Princess
鹿毛 1973.5.10
仔受胎時活性値:0.50

<5代血統表内のクロス:Hail to Reason4×4、Northern Dancer5×5>

ゼーヴィント(2013.5.12)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ディープインパクト
(Halo系)
ブライアンズタイム
(Roberto系)
Dayjur
(Danzig系)
Assert
(Northern Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Dayjur
(Stick to Beauty)
3.00 母がオープン特別3勝
(No.13-a)
5番仔
(3連産目)

JRA唯一の3歳馬限定ハンデ重賞であるラジオNIKKEI賞(GIII)。福島芝1800m、その第65回となる2016年のレースを1番人気で制したのは、斤量54kgを背負ったゼーヴィントでした。その馬名の意味は独語で「潮風(Seewind)」という意味。母シルキーラグーン、祖母シーヴィーナスからの連想なのでしょう。

ゼーヴィントの最優性先祖は祖母父Dayjur。同馬は英仏米7勝を挙げ、その主な勝ち鞍にナンソープS(英GI)、スプリントC(英GI)、アベイドロンシャン賞(仏GI)、キングズスタンドS(英GII)、テンプルS(英GII)と重賞5勝。父が快速Danzig、母が1982年のエクリプス賞最優秀短距離馬Gold Beautyという血統をそのままに体現したDayjurは、現役時代に11戦7勝2着3回着外1回という戦績でしたが、着外の1回はただ一度の出走となった7ハロン戦でした。6ハロン以下の距離では2着を外さなかったDayjur、引退レースとなった1990年のベルモントパークでのブリーダーズカップスプリント(米GI)において、最後の直線でスタンドの影に驚いてジャンプしてしまったのは、良く知られているエピソードです。

1989年のエクリプス賞最優秀短距離馬Safely Kept(1986.4.7)とのマッチレース。Dayjur、外からわずかに抜け出したと思ったところで、スタンドの影に驚いてジャンプ。名手ウィリー・カーソンが必死に追い直したものの、いったん落ちたスピードで先に行くSafely Keptを捉えるのは、さしものDayjurでも不可能でした。Dayjur、決勝点でも影に驚いてジャンプしています。ゴール後、カーソン騎手がクビを横に振ったのも、致し方なし。なお、この1990年のブリーダーズカップスプリントは、3着がブラックタイアフェアー(1986.4.1)、4着が河内洋騎手(現調教師)を背にしたアジュディケーティング(1987.4.27)と、日本に縁のある馬人たちも出走していました。また、Safely Keptの直祖父はProudest Roman(1968.4.19)であり、こちらはブレイヴェストローマン(1972.5.19)の全兄ですね。

閑話休題。Dayjurはそのスプリント能力の確かさから種牡馬として大いに期待されましたが、産駒のGI勝ち馬はミドルパークS(英GI)を制したHayil(1995.4.18)、サンパウロ共和国大統領賞(伯GI)を制したEyjur(2002.2.25)の2頭にとどまりました。日本に輸入された産駒では、京成杯AH(GIII)とエルムS(GIII)で芝とダートの重賞制覇を果たしたシンコウスプレンダ(1994.3.31)が知られています。シンコウスプレンダは満8歳夏のマリーンS(OP)で、59kgの酷量を背負いながら函館ダート1700mのコースレコード1分43秒2を叩き出した時に「立派!!」と思ったものでした。

*

グレンツェント 牡 鹿毛 2013.4.8生 安平・ノーザンファーム生産 馬主・有限会社シルク 美浦・加藤征弘厩舎

グレンツェント(2013.4.8)の4代血統表
ネオユニヴァース
鹿毛 2000.5.21
種付け時活性値:1.00
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ポインテッドパス
栗毛 1984.4.27
Kris
栗毛 1976.3.23
Sharpen Up 1969.3.17
Doubly Sure 1971.5.3
Silken Way
栗毛 1973
★Shantung 1956.1.25
Boulevard 1968
ボシンシェ
鹿毛 2004.1.23
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
Kingmambo
鹿毛 1990.2.19
種付け時活性値:1.25
Mr.Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
Miesque
鹿毛 1984.3.14
Nureyev 1977.5.2
Pasadoble 1979.4.1
Hatoof
栗毛 1989.1.26
仔受胎時活性値:1.50
Irish River
栗毛 1976.4.2
種付け時活性値:1.00
Riverman 1969
Irish Star 1960.2.9
Cadeaux d’Amie
栗毛 1984.4.23
仔受胎時活性値:1.00
Lyphard
鹿毛 1969.5.10
種付け時活性値:1.50
Tananarive
鹿毛 1970
仔受胎時活性値:1.25

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5>

グレンツェント(2013.4.8)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ネオユニヴァース
(Halo系)
Kingmambo
(Mr.Prospector系)
Irish River
(Never Bend系)
Lyphard
(Northern Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Lyphard
(Hatoof)
5.75 or 3.75 祖母が英1000ギニー馬
(No.25)
3番仔+
(3連産目+)

真夏の3歳馬限定のダート重賞であるレパードS(GIII)。新潟ダート1800m、その第8回となる2016年のレースを2番人気で制したのは、ユニコーンS(GIII)3着から巻き返したグレンツェントでした。その馬名の意味は独語で「輝かしい(Glanzend)」という意味。祖母Hatoofのように輝かしい成績を残せるように、ということでしょうか。

グレンツェントの最優性先祖は曾祖母父Lyphard。同馬は仏英愛6勝を挙げ、その主な勝ち鞍にジャック・ル・マロワ賞(仏GI)、フォレ賞(仏GI)、ダリュー賞(仏GII)があります。ヴェルテメールの服色で走ったLyphard、同い年で同馬主のステーブルメイトには、やはり名競走馬にして名種牡馬となったRiverman(1969)がいました。さて、Lyphardはその父Northern Dancer(1961.5.27)によく似た小柄な馬体であり、Northern Dancerの遺伝力の確かさを目の当たりにしつつあった当時の生産界では、Lyphardも当然の如く人気種牡馬となりました。そうして、果たせるかなLyphard、

  1. ダンシングブレーヴ(1983.5.11)
    →1980年代欧州最強馬。主な勝ち鞍に凱旋門賞(仏GI)、”キング・ジョージ”(英GI)、英2000ギニー(GI)、エクリプスS(英GI)。コマンダーインチーフ(1990.5.18)、ホワイトマズル(1990.3.21)、エリモシック(1993.3.19)、キョウエイマーチ(1994.4.19)、キングヘイロー(1995.4.28)テイエムオーシャン(1998.4.9)等の父
  2. Manila(1983.2.5)
    →ダンシングブレーヴをブリーダーズカップターフ(米GI)で破った米国芝王者。その他のGI勝ち鞍にアーリントンミリオン(米GI)、ターフクラシック(米GI)、ユナイテッドネイションズH(米GI)2回
  3. Three Troikas(1976.1.25)
    →1979年から1983年までの凱旋門賞(仏GI)牝馬5連勝の先鞭を付けた名牝。その他のGI勝ち鞍に仏1000ギニー(GI)、サンタラリ賞(仏GI)、ヴェルメイユ賞(仏GI)
  4. Reine de Saba(1975.5.7)
    →仏オークス(GI)、サンタラリ賞
  5. Jolypha(1989.4.20)
    →仏オークス、ヴェルメイユ賞の勝ち馬にしてダンシングブレーヴの全妹
  6. Dancing Maid(1975.4.29)
    →仏1000ギニー、ヴェルメイユ賞
  7. Pearl Bracelet(1986.2.17)
    →仏1000ギニー
  8. Ensconse(1986.3.20)
    →愛1000ギニー(GI)
  9. Pharly(1974.4.22)
    →ムーラン・ド・ロンシャン賞(仏GI)、フォレ賞、リュパン賞(仏GI)。輸入種牡馬ハーリー(1980.5.23)の父
  10. スキーパラダイス(1990.5.12)
    →ムーラン・ド・ロンシャン賞では武豊騎手に海外GI初勝利をプレゼント。1994年の京王杯SC(GII)を持ったままで完勝した姿は未だに強い印象が残っています
  11. ダハール(1981.5.7)
    →リュパン賞、センチュリーH(米GI)、サンファンカピストラーノ招待H(米GI)、そしてサンルイレイS(米GI)。ダハールが制した1986年のサンルイレイSに我らがシンボリルドルフ(1981.3.13)が出走したものの6着でした。なお、ダハールの母は20世紀の名牝の1頭であるDahlia(1970.3.25)であり、サンルイレイSは後にリヴリア(1982.4.20)も制して兄弟制覇となりました
  12. Al Nasr(1978.2.11)
    →イスパーン賞(仏GI)。米GI4勝を遂げた輸入種牡馬ナスルエルアラブ(1985.3.27)の父
  13. リファーズウィッシュ(1976.3.18)
    →ユナイテッドネイションズH。日本ではGIII2勝で天皇賞・秋(GI)3着のウィッシュドリーム(1989.5.11)の父として知られました

等を始めとして、実に115頭のステークスウィナーを送り込む名種牡馬となりました。また、日本で知られるLyphard産駒にはモガミ(1976.5.18)がいます。競走成績では下級に終わったものの和田共弘氏と北野豊吉氏の共同所有だったモガミは種牡馬として輸入され、初年度にシリウスシンボリ(1982.3.26)、2年度にメジロラモーヌ(1983.4.9)を輩出してLyphardの血を日本に強く知らしめました。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。