年度代表馬の同期生を辿る(其の拾玖)-グラスワンダー(1995.2.18)-

グラスワンダー 牡 栗毛 1995.2.18生 米国・Phillips Racing Partnership & John Phillips生産 馬主・半沢(有) 美浦・尾形充弘厩舎

グラスワンダー(1995.2.18)の4代血統表
Silver Hawk
鹿毛 1979.4.20
種付け時活性値:1.75
Roberto
鹿毛 1969.3.16
Hail to Reason
黒鹿毛 1958.4.18
Turn-to 1951
Nothirdchance 1948
Bramalea
黒鹿毛 1959.4.12
Nashua 1952.4.14
Rarelea 1949
Gris Vitesse
芦毛 1966.3.2
Amerigo
栗毛 1955
Nearco 1935.1.24
Sanlinea 1947
Matchiche
芦毛 1956
Mat de Cocagne 1948
Chimere Fabuleuse 1951
Ameriflora
鹿毛 1989.1.29
仔受胎時活性値:1.25
Danzig
鹿毛 1977.2.12
種付け時活性値:0.75
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Pas de Nom
黒鹿毛 1968.1.27
★Admiral’s Voyage 1959.3.23
Petitioner 1952
Graceful Touch
鹿毛 1978.4.13
仔受胎時活性値:0.50
His Majesty
鹿毛 1968.4.15
種付け時活性値:0.25
Ribot 1952.2.27
Flower Bowl 1952
Pi Phi Gal
栗毛 1973.3.11
仔受胎時活性値:1.00
Raise a Native
栗毛 1961.4.18
種付け時活性値:0.75
Soaring
栗毛 1960.1.27
仔受胎時活性値:1.00

<5代血統表内のクロス:Nearco4×5、Native Dancer5×5(母方)>

グラスワンダー(1995.2.18)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Silver Hawk
(Roberto系)
Danzig
(Northern Dancer系)
His Majesty
(Ribot系)
Raise a Native
(Native Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Silver Hawk
(Mat de Cocagne)
3.75 半妹Wonder Again
(No. 12-c)
2番仔
(2連産目)

*

第49回朝日杯3歳S(現朝日杯フューチュリティS、GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 11 グラスワンダー 牡2 54 的場均 1:33.6レコード 35.4 486
[-2]
尾形充弘 1
2 10 マイネルラヴ 牡2 54 蛯名正義 1:34.0 2.1/2 36.4 476
[+6]
稗田研二 6
3 4 フィガロ 牡2 54 福永祐一 1:34.1 1/2 36.4 488
[-8]
西橋豊治 2
4 2 アグネスワールド 牡2 54 武豊 1:34.7 3.1/2 36.8 494
[+26]
森秀行 3
5 8 マイネルメッサー 牡2 54 田中勝春 1:35.2 3 36.5 440
[+4]
稲葉隆一 13

1997年の第49回朝日杯3歳S。新馬、アイビーS(OP)、京王杯3歳S(現京王杯2歳S、GII)と3連勝で臨んだこの一戦、単勝1.3倍の圧倒的1番人気に応えて、グラスワンダー。自身と同じく的場均騎手(現調教師)が騎乗して第42回を制したリンドシェーバー(1988.3.3)が持っていた1分34秒0のレコードを0秒4塗り替える、1分33秒6の快時計勝ちでした。

*

第43回有馬記念(GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 2 グラスワンダー 牡3 55 的場均 2:32.1    35.3 498
[+2]
尾形充弘 4
2 10 メジロブライト 牡4 57 河内洋 2:32.2 1/2 34.5 470
[+6]
浅見秀一 3
3 5 ステイゴールド 牡4 57 熊沢重文 2:32.6 2.1/2 35.5 424
[-2]
池江泰郎 11
4 11 セイウンスカイ 牡3 55 横山典弘 2:32.7 クビ 37.0 480
[+10]
保田一隆 1
5 3 エアグルーヴ 牝5 54 武豊 2:32.9 1.1/2 36.0 468
[-4]
伊藤雄二 2

1998年の第43回有馬記念。右後脚の骨折からの復帰後、毎日王冠(GII)5着、アルゼンチン共和国杯(GII)6着と精彩を欠いていたグラスワンダー。けれど、それでも、グラスワンダーはグラスワンダーでした。並み居る強豪を向こうに回して、年末の大一番で見事に復活。「白、赤襷、青袖赤一本輪」の勝負服が、中山のGIレースで、再び先頭で駆けました。

*

第40回宝塚記念(GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 5 グラスワンダー 牡4 58 的場均 2:12.1    35.1 504
[+6]
尾形充弘 2
2 9 スペシャルウィーク 牡4 58 武豊 2:12.6 3 35.9 480
[+4]
白井寿昭 1
3 1 ステイゴールド 牡5 58 熊沢重文 2:13.7 7 36.7 426
[-2]
池江泰郎 7
4 11 ローゼンカバリー 牡6 58 菊沢隆徳 2:13.9 1.1/4 36.6 486
[+4]
鈴木康弘 4
5 7 マチカネフクキタル 牡5 58 佐藤哲三 2:14.0 クビ 36.6 506
[-6]
二分久男 8

1999年の第40回宝塚記念。グラスワンダーの能力の恐ろしさを最も感じたレースは、この満4歳春の宝塚記念。私、仁川の現地で生観戦していました。1周目のホームストレッチで、スペシャルウィーク(1995.5.2)と武豊騎手をマークするグラスワンダーと的場騎手を見て、「あぁ、今日はやられる」と思ったのでした。

脳裏によぎったのは、1992年の第52回菊花賞(GI)と、1993年の第107回天皇賞・春(GI)。前者ではミホノブルボン(1992.4.25)を、後者ではメジロマックイーン(1987.4.3)を、最後の直線であっという間に交わして、手出し、いえサラブレッドですから、脚出しさせなかった。その2レース、的場騎手の相棒は言わずもがなで、ライスシャワー(1989.3.5)

閑話休題。関西テレビの中継では、杉本清アナウンサーに「さぁ、相手はコレと決めた時の的場均は怖いぞ」と言わしめて、グラスワンダー。ライバルを3馬身切って捨てました。相手はスペシャルウィークですよ。後のユタカさんに「ディープインパクトと同じくらいに強かった」と言わしめた馬を、いともたやすく、軽々と置き去りにしたグラスワンダー。

驚がくの絶対能力。

*

第44回有馬記念(GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 7 グラスワンダー 牡4 57 的場均 2:37.2    34.6 512
[+12]
尾形充弘 1
2 3 スペシャルウィーク 牡4 57 武豊 2:37.2 ハナ 34.5 464
[-4]
白井寿昭 2
3 11 テイエムオペラオー 牡3 55 和田竜二 2:37.2 クビ 34.9 474
[-2]
岩元市三 5
4 10 ツルマルツヨシ 牡4 57 藤田伸二 2:37.3 1/2 34.8 504
[+6]
二分久男 6
5 13 メジロブライト 牡5 56 河内洋 2:37.5 1 34.8 470
[+8]
浅見秀一 3

1999年の第44回有馬記念。12月26日に行われたことをはっきり覚えている、このレース。人生の路頭に迷っていた私、何を血迷ったのか、当時住んでいた大阪府から、実家のある滋賀県北部まで、自分の足だけで帰った日でした。18時間53分のひとり旅、行程は100kmほどでしょうか^_^;。その帰る道すがら、滋賀県草津市の電器店の街頭テレビで、足に消炎鎮痛剤を塗りながら見たレースでした。

そうして、グラスワンダー。第43回有馬記念、第40回宝塚記念、第44回有馬記念と、グランプリ3連勝。私に「非根幹距離はRoberto系」を根付かせてくれたのは、栗毛の怪物でした。

*

グラスワンダー。最強世代の一角を担った栗毛の怪物。有馬記念連覇、宝塚記念、朝日杯とGI4勝。本調子時に挑む右回りのレースならば、彼に敵う馬は居ないのではないかと思わせる強さを見せてくれました。私の印象では現年齢表記2歳時の朝日杯より後のレースは、どのレースも「完調」という感じにはありませんでした。彼の絶好調を古馬時代に見てみたかったものです。

栗毛の大柄な馬体よろしく、泰然自若とした佇まい。私、印象に残っている写真がありまして、1998年の第43回有馬記念の返し馬の折、大観衆の大歓声にもまったく物怖じせず、決勝点前で立ち止まっていたグラスワンダーと的場騎手を切り取った一葉。「真の大物とは、こういう馬のことを言うのだろう」と思わされるシーンでした。

そんな大物の血は種牡馬としても花開き、2代目スクリーンヒーロー(2004.4.18)アーネストリー(2005.5.17)セイウンワンダー(2006.4.30)、3代目モーリス(2011.3.2)ゴールドアクター(2011.5.18)と、直孫までJRA平地GI勝ち馬を送り込んでいます。

20世紀の栗毛の怪物、グラスワンダー。血は21世紀に受け継がれ、血統表でその名を目にする度、あの前脚が高く上がる力強い走法を思い出します。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。