カルティエ賞年度代表馬を辿る(其の拾漆)-Zarkava(2005.3.31)-

Zarkava 牝 鹿毛 2005.3.31生 愛国・HH Aga Khan IV生産 馬主・HH Aga Khan IV 仏国・Alain de Royer-Dupre厩舎

Zarkava(2005.3.31)の4代血統表
Zamindar
鹿毛 1994.4.7
種付け時活性値:0.50

Gone West
鹿毛 1984.3.10
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
Secrettame
栗毛 1978.3.15
Secretariat 1970.3.30
Tamerett 1962.2.17
Zaizafon
栗毛 1982.1.18
The Minstrel
栗毛 1974.3.31
Northern Dancer 1961.5.27
Fleur 1964.4.1
Mofida
栗毛 1974.3.21
Right Tack 1966
Wold Lass 1960
Zarkasha
鹿毛 1999.4.8
仔受胎時活性値:1.25
Kahyasi
鹿毛 1985.4.2
種付け時活性値:1.25
イルドブルボン
黒鹿毛 1975.5.23
Nijinsky 1967.2.21
Roseliere 1965
Kadissya
鹿毛 1979.3.15
Blushing Groom 1974.4.8
Kalkeen 1974.2.18
Zarkana
鹿毛 1992.2.23
仔受胎時活性値:1.50
Doyoun
鹿毛 1985.3.8
種付け時活性値:1.50
★Mill Reef 1968.2.23
Dumka 1971
Zarna
鹿毛 1987.5.18
仔受胎時活性値:1.00
Shernazar
鹿毛 1981.5.1
種付け時活性値:1.25
Zahra
芦毛 1974.4.7
仔受胎時活性値:1.00

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×5、Flaming Page(♀)5×5>

Zarkava(2005.3.31)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Zamindar
(Mr. Prospector系)
Kahyasi
(Nijinsky系)
Doyoun
(Mill Reef系)
Shernazar
(Blenheim系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Doyoun
(Dumka)
4.75 仔Zarakが仏GI勝ち馬
(No. 9-c)
2番仔?
(2連産目?)

*

2007年の第39回マルセルブサック賞(仏GI。ロンシャン芝1600m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 3 Zarkava 牝2 56 Christophe Soumillon 1:37.00 A De Royer-Dupre 4
2 8 Conference Call 牝2 56 Stephane Pasquier 2 1/2 P Bary 2
3 4 Mad About You 牝2 56 Pat Smullen 1 1/2 D K Weld 3
4 2 Savethisdanceforme 牝2 56 Kieren Fallon 2 1/2 A P O’Brien 9
5 5 Don’t Forget Faith 牝2 56 Philip Robinson 1 Clive Cox 8

*

2008年の仏1000ギニー(GI。ロンシャン芝1600m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 5 Zarkava 牝3 57 Christophe Soumillon 1:35.20 A De Royer-Dupre 1
2 1 Goldikova 牝3 57 Olivier Peslier 2 F Head 4
3 6 Halfway To Heaven 牝3 57 David McCabe 1 1/2 A P O’Brien 7
4 7 Modern Look 牝3 57 Stephane Pasquier 3/4 D Smaga 2
5 10 Azabara 牝3 57 Frankie Dettori 1/2 A Fabre 6

*

2008年の第160回ディアヌ賞(仏GI。シャンティイ芝2100m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 8 Zarkava 牝3 57 Christophe Soumillon 2:07.10 A De Royer-Dupre 1
2 5 Gagnoa 牝3 57 Johnny Murtagh 3 A Fabre 5
3 6 Goldikova 牝3 57 Olivier Peslier 1 1/2 F Head 2
4 9 Proviso 牝3 57 Stephane Pasquier 短クビ A Fabre 3
5 2 Satan’s Circus 牝3 57 C.ルメール 2 1/2 J-C Rouget 9

*

2008年の第103回ヴェルメイユ賞(仏GI。ロンシャン芝2400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 10 Zarkava 牝3 54.5 Christophe Soumillon 2:26.00 A De Royer-Dupre 1
2 2 Dar Re Mi 牝3 54.5 C.ルメール 2 John Gosden 2
3 4 Michita 牝3 54.5 Jimmy Fortune 1/2 + 1 1/2 John Gosden 7
4 11 Adored 牝3 54.5 David McCabe 1 1/2 A P O’Brien 9
5 3 Tangaspeed 牝3 54.5 Thierry Jarnet 1 1/2 R Laplanche 11

*

2008年の第87回凱旋門賞(仏GI。ロンシャン芝2400)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 1 Zarkava 牝3 54.5 Christophe Soumillon 2:28.80 A De Royer-Dupre 1
2 3 Youmzain 牡5 59.5 Richard Hills 2 Mick Channon 6
3 9 Soldier Of Fortune 牡4 59.5 Seamie Heffernan 1/2 A P O’Brien 3
3 2 It’s Gino 牡5 59.5 Thierry Thulliez 同着 P Vovcenko 13
5 8 Vision D’Etat 牡3 56 Ioritz Mendizabal 1 E Libaud 4

*

2008年のカルティエ賞年度代表馬Zarkava。7戦7勝、無敗のまま引退したZarkava。同期にGoldikova(2005.3.15)Natagora(2005.2.18)、サプレザ(2005.2.11)等名牝が居並ぶ2005年生まれ世代、後に紹介するGoldikovaも欧州最多勝となるGI14勝の稀代の名牝でしたが、その稀代の名牝を以てしても敵わなかったZarkava。一体全体、どんな強さなのか。↑の動画群に見られるように、末の確かさ、破壊力が半端ないですね^_^;

そんなスーパーメアであるZarkavaの血統表を見て気になる点は、

  • 生産されている馬たちが代々アガ・カーンの生産馬で固められている

ということでしょうか。

ずらり並んだ直牝系の累代、

  • Zarkava(2005.3.31)-Zarkasha(1999.4.8)-Zarkana(1992.2.23)-Zarna(1987.5.18)-Zahra(1974.4.7)-Petite Etoile(1956)-Star of Iran(1949)-Mah Iran(1939)-Mah Mahal(1928)

と、いずれもアガ・カーン-あるいはアリ・カーン-の生産馬ですね。Mah Mahalの母である「Flying Filly」Mumtaz Mahal(1921)は生産ではありませんが、アガ・カーン3世が購入した馬ですね。この9号族の快速牝馬の子孫から、数多の活躍馬が送り込まれているのは言わずもがな。なお、この牝系が属する「9号族c分枝」については、実は12号族と同じミトコンドリアDNAの情報を持つそうです。そう、この牝系は本来は12号族らしい、ということですね(→9号族12号族。共にWikipediaの記事)。

また、Zarkavaの高祖母はZahra。彼女はアガ・カーン4世のご息女ザーラ姫と同じ名前ですね。英語版WikipediaにおけるZahra Aga Khanの記事によると、ザーラ姫の生年月日は1970年9月18日ですので、Zahraが後に生まれています。「何かいわくつきの名前かな?」と思ったら、なるほど、Petite Etoileは1頭しか牝馬を産まなかったようです。第181回英オークス(現GI)、第146回英1000ギニー(現GI)、第82回英チャンピオンS(現GI)、第73回サセックスS(現英GI)、第98回ヨークシャーオークス(現英GI)、コロネーションC(現英GI)2回(第60回&第61回)と現在の英GIレース7勝、19戦14勝2着5回という世紀の名牝Petite Etoile。殿下は、その世紀の名牝が産んだ唯一の娘に、実子の名前を分け与えられた訳ですね。そして、独国の馬名命名法に倣っていらっしゃるのはよくお見受けするところですけれど、Zahraからスタートした頭文字「Z」の馬名の5代目が、Zarkava。

ついで、Zarkavaの4代血統構成の各父を確認すると、母父Kahyasi(1985.4.2)、祖母父Doyoun(1985.3.8)、曾祖母父Shernazar(1981.5.1)-Shergar(1978.3.3)の半弟-と、アガ・カーン殿下の生産馬です。最後に配された父Zamindar-Zafonic(1990.4.1)の全弟-は、当時の生産馬によく用いられたようで、Zarkavaの前年2007年の仏1000ギニー馬Darjina(2004.2.13)の父もZamindarでした。自家生産の種牡馬でスタミナを補填して、短距離系の種牡馬を配する順パターン。

徹底した自家生産を重ねて、そして最後に外様の血、良血とは言えGIIIクラスのマイナー競走馬だった種牡馬Zamindarを付けて大爆発した結果が、スーパーメアZarkava。ザーラ妃のお言葉を借りれば、

しかし、プティテトワール(Petite Etoile)が最後にG1勝利(1961年コロネーションS優勝)を挙げて以来、そのファミリーから1998年サンタラリー賞(G1)を制したザインタ(Zainta)が出るまで、長い年月を要したことを王女は指摘した。

「ムムタズマハルの系統の復活に37年を要しました。しかし復活すると、今度は父が生産した中でおそらく最高傑作の牝馬ザルカヴァ(Zarkava 2008年凱旋門賞優勝)が誕生しました」。

ザラ・アガ・カーン王女、生産者に忍耐を呼び掛ける(国際)【生産】 – 海外競馬情報(2016/02/20)【生産】 | 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル

我慢と忍耐の末、華々しく復活した血の継承者でもあるZarkava。4番仔のZarak(2013.3.1)が2017年の第109回サンクルー大賞(仏GI)を制して、産駒初のGI勝ち馬となりました。そしてまた、Frankel(2008.2.11)との仔である6番仔Zarkamiya(2015.3.14)が2018年4月19日にデビュー戦勝ちを収めました-フランケル×ザルカヴァ 両親合わせて21戦無敗の超良血ザルカミヤが初陣飾る | 競馬ニュース – netkeiba.com-。

2000年代を代表するスーパーメア、Zarkava。これからも良い仔をバンバン送り込んで欲しいものです。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

<参考WEB>

【競馬】 ザルカヴァ GI全レースダイジェスト 2008年の凱旋門賞勝ち馬ザルカヴァ(Zarkava)のGIレースダイジェスト。この馬の強さも画質の悪さも...